調査レポート

概略

概略

  • アクセンチュア テクノロジービジョン 2019」では「ヒューマン+(プラス)」な労働者(Human+ Worker)を、最も重要なトレンドの1つに提唱しています。
  • 行政機関における「ヒューマン+」な労働者とは、テクノロジー活用により労働力を強化し、職員体験(Employee Experience)と市民サービスを向上することを意味します。
  • テクノロジー、ツール、トレーニングによって、将来、職員は、既存の業務を新たな手法で遂行し、デジタルだけでは対応しきれない領域を補うような働き方をするようになります。
  • 行政機関は、市民のニーズを早期に特定できるようになり、事後対応型から事前対応型・予防型・予測型のサービス提供へ移行していきます。
  • 行政機関がこれらのすべてを実現するためには、より流動的かつ利用者中心で、デジタル活用に対応した組織への進化が必要です。


デジタル技術は、行政機関における業務の定義や職員の管理方法にも影響を与えています。新たなテクノロジーによって、職員はこれまでよりもわかりやすい研修を受けたり、知識の共有方法を改善したりして、より優れたサービスを市民や企業に提供できるようになります。自らのスキルや知識を、進化し続けるテクノロジーと組み合わせて働く人材。アクセンチュアはこれを「ヒューマン+(プラス)」な労働力と定義します。行政機関が職員の「ヒューマン+」な労働者の力を引き出すことで、真に人間的な(Truly Human)政府となることができるでしょう。

「ヒューマン+」な労働者のパフォーマンスを引き出す

アクセンチュア テクノロジービジョン 2019」の策定にあたり、世界各国にて行政機関を含む20の業界の経営・IT関連エグゼクティブ6,672人を対象に、テクノロジー導入と投資に関する主要課題と優先事項についての調査を実施しました。

93%

の行政機関のエグゼクティブが「新たなテクノロジーの台頭により、過去3年間でイノベーションのペースが加速した」と回答

94%

の経営関連エグゼクティブが「テクノロジーを利用して潜在スキルや関連スキルを見つけることができれば、担当業務から外れた従業員のリスキルや雇用の維持に有効である」と回答

65%

の行政機関のエグゼクティブが「職員は組織よりもデジタルに適応しており、組織のデジタル化が追いついてくるのを“待っている”状態にある」と回答

「ヒューマン+」な労働力を構築し、これからの行政を変革する

行政機関は、ワークフォースミックス(人・マシン/フルタイム・パートタイム/内部・外部)の最適化、生涯学習の支援、継続的なナレッジフロー構築の3点を実現することで、職員体験を向上させ、市民および企業、コミュニティのエクスペリエンスを向上させることができます。

包括的なワークエクスペリエンスを形成する

すべての職員がデジタルを活用した働き方に対して高いモチベーション、手段と機会が与えられている未来の姿を志向します。

労働力に関するデータを開放する

労働力に関する膨大なデータを活用し、これまでにないレベルの俊敏性、生産性、イノベーションによる高いパフォーマンスを実現することで、職員体験を向上することが可能になります。

組織文化を再構築する

人間の知恵とテクノロジーの力とが融合した「ヒューマン+」な労働力によって、行政機関に、常にイノベーションと成長を追求する組織文化を根付かせるでしょう。

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今後重要性が高まる「ヒューマン+」

「アクセンチュア テクノロジービジョン 2019」では、行政機関のエグゼクティブが「ヒューマン+」な労働力に対応する必要性を明示しています。例えば、彼らの大半(93%)が、「最新テクノロジーの台頭により、過去3年間で組織のイノベーションのペースが加速した」と回答しています。その影響は職員にも波及すると考えられており、同39%が「テクノロジーの影響によって、今後3年以内に職員の60%以上が大幅なスキル転換が必要な新たな職務に移行することになるだろう」と答えています。行政機関が変革期を迎えていることは明らかです。職員のテクノロジーツール活用を支援し、成長を促し、共に成功へと進むことが、これからの行政機関にとって重要な戦略となります。いち早く取り組みを実現した行政組織は、職員の幸福度と利用者である市民の満足度の向上を獲得することができるでしょう。

ワークフォースミックスの最適化

行政機関のリーダーは、人とテクノロジーを最適に組み合わせ、テクノロジーツールの活用によってケイパビリティを高めた、より強力で多様なチームを構築できるようになります。

生涯学習のサポート

学習およびリスキル戦略に十分な投資を行うことで、職員が将来の異動や役割変更に備えておくことが可能になります。テクノロジーはトレーニングや体験の効果を高め、また、職員の業務パフォーマンスを高めるために必要不可欠です。

流動的なナレッジフローの構築

「ヒューマン+」な労働力は、組織内外を急速に移動するため、ナレッジも各所に分散しがちです。テクノロジーは、ナレッジマネジメントのモダナイゼーションを実現し、ナレッジの所有を可能にします。

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「ヒューマン+」な労働力のDNAが及ぼす影響

行政機関に求められているのは、進化し続ける市民と企業のニーズに、いつでもどこでも対応できる能力を備えた労働力を築くリーダーシップと文化を組織内に定着させることです。行政機関のリーダーがまず取り組むべきことは以下の通りです。

  • 実験・挑戦する文化を醸成し、職員が自ら意思決定し、主体的に取り組む環境の整備
  • イノベーションを可能にし、成果重視型アプローチを促進するガバナンス体制の構築
  • ゲーミフィケーションやピアネットワークを取り入れたアプローチによる、これまでにない新しい行動の促進
  • イノベーションを奨励するようなツールやチャンピオン制度、コーチングなどによる、職員の強化

「ヒューマン+」は、10年前には想像もしなかったような行政の在り方を可能にしています。行政機関は、テクノロジーや能力開発に適切に投資することで、能動的で生産性に優れた労働力を確立するだけではなく、市民と企業、コミュニティに、より良質なサービスが提供できる組織へと変革することができるでしょう。

レイナー・ビンダー ​

ソーシャルサービス グローバルインダストリー リード

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