「食」における農水産業はいま、グローバル化とデジタル変革の2つの波を受け、大きな転換期を迎えています。世界と日本の食の市場および生産者の実情に関する知見を有するアクセンチュアでは、幅広いソリューションのご提案を展開しています。
全世界を対象とした調査の結果、日本とグローバルの間には食と農業をめぐって共通点がある一方、日本の独自性に基づく明確な違いが見られます。その差を「質・量」の2軸で比較すると、緩やかな人口減少局面を迎えている日本に対し、人口爆発とアジアやアフリカの都市部などで地域市場の急激な発展が進んでおり、質の点では共通項としてエシカル(道徳的・倫理的)、サステイナブル(持続可能性)な消費を志向する消費者の登場が見られます。
さらに距離や時間の差を解消するデジタル技術は、生産者と直接つながりたいといった消費者の嗜好を叶え、ダイレクトチャネルの台頭を実現しているほか、食品業界のEコマースにおける大きな推進力となっています。また、コロナ禍の影響で中食市場は加速し、消費者の食嗜好が変化・多様化しているのも昨今の特徴です。
そうした消費者サイドの変化に対し、供給側はどのような状況にあるのでしょうか。世界的に需給を直接マッチングする新しい流通形態が発展しているほか、生産現場ではセンサー技術、ドローンといったデジタル技術の活用が進んでいます。データに関する技術はトレーサビリティを向上させ、鮮度保持の技術は世界的に普及しています。
一方、リソース不足は供給危機を招いています。日本では農業人口の減少が止まらず、生産者が小規模であるが故に収益性の低さ、関連産業の頭打ちといった課題があります。海外では大規模営農者の登場やバイオ企業・テクノロジーベンチャーの出現など、伝統的農業の価値観にとらわれないプレイヤーが登場しています。