公共サービスにおけるクラウド活用:継続的な機会の創出
2021/09/07
2021/09/07
今回のパンデミックの間に、公共サービスのクラウド採用とデジタル変革は劇的に加速しました。クラウド移行の流れは、世界的にますます勢いを増しています。
アクセンチュアは、公共サービス機関のクラウドの採用・戦略・利点に関して、より深い洞察を得るために、公共サービス機関の幹部364人を対象に調査を実施しました。これはあらゆる産業でクラウドとAIの採用を分析する、アクセンチュアの「クラウド・コンティニュアム調査」の一環として行われたものです。
クラウドにおいては、クラウドへの移行自体は始まりに過ぎません。公共サービス機関はクラウドの使用をゴールと見るのではなく、将来も有効であることを保証する連続的活動と捉えるべきです。クラウドによって日々進化する一連のテクノロジーとサービスを柔軟に活用することが可能となるのです。
今こそ、勢いに乗り共にイノベーションを加速するときです。
57%
公共サービス機関の幹部の57%が、クラウド移行の加速が事業に不可欠であると考えています。
41%
公共サービス機関の幹部の41%が、AIと機械学習が今後数年間で最もコンピュータリソースに影響を与えると考えています。
83%
公共サービス機関の幹部の83%が、クラウドがイノベーションと新たな事業モデルを加速するのに必須である、または非常にそう思うと回答しています。
72%
公共サービス機関の幹部の72%が、コンピューティング性能に対するニーズが今後2~3年で倍以上高まると予想しています。
現在クラウド活用においては、様々なアプローチとソリューションの選択肢が存在しますが、今回のアクセンチュアの調査では、網羅的且つ人間中心で、実状に合致したクラウド戦略を策定するための4つの実践方法を挙げています。
市民や職員に対して、自らのクラウド戦略が継続的な価値を提供していると自信を持つ公共サービス機関の幹部は、わずか37%でした。この状況を克服するカギは意図(パーパス)を持ってクラウド移行を進めることです。具体的には、以下の要素に沿った明確なビジョンとともに計画する必要があります。
公共サービス機関がクラウドへの投資を増やす中重要となるのが、正しいクラウドソリューションを選定・導入することです。GDPR(EU一般データ保護規則)などの法律の順守を含む、強力なデータ・セキュリティガバナンスを確立し、市民から信頼を得ることも同様に重要になります。エコシステムパートナーのネットワークを活用することで、公共サービス機関は不必要なコストとリスクを発生させることなく、クラウド活用の恩恵を受けることができます。
アクセンチュアの調査により、適切なパートナーシップの重要性が明らかになりました。
市民は優れたデジタルサービスが増えていくことをますます期待しています。公共サービス機関は、このような期待に対して、クラウドソリューションを活用することで、サービスの利便性を向上させ、また、大量のデータを管理できるというクラウドの能力を活用して新たなサービスと市民体験を提供することが可能となります。同時に、公共サービス機関は職員のテクノロジーの活用方法を抜本的に再考しなければなりません。
現在クラウドソリューションは、コスト削減重視の思考から離れ、イノベーション、成長を重視する創造的思考に転換する機会を与えてくれています。こうした創造的な思考を育み、定着させるために、リーダーは組織の目標を設定し、俊敏性とイノベーションを伝道していかなければなりません。
デジタル変革が加速したパンデミック後の時代において、公共サービス機関はクラウド移行によってどれくらい成果とサービスの改善を確実にすることができるでしょうか。
公共サービス機関はこの一年間、危機に直面したとき、いかに迅速に対応できるかを証明してきました。現在、公共サービス機関はこの勢いを維持し、市民及び自らのニーズを背景として継続的に変革する絶好機を迎えています。
レガシーシステムとレガシーアプリケーションをクラウドに移行し終えると、先進的な公共サービス機関は、AI やIoT、エッジなどの次世代のクラウドベーステクノロジーを活用して、自らのビジョンを継続的に実現していき、また、優秀な人材やサービスの確保をより効果的に進め、市民の日々高まる期待を越えていくことができるでしょう。
クラウドを推進するための重要なポイントについてご紹介します。
著者について