調査レポート

概略

概略

  • アクセンチュアの最新調査と分析により、学習者は学習に対する心構えや、目標、感情に基づいて、6つのセグメントに分けられることが分かりました。
  • また、学習者の満足度に関して各セグメント内およびセグメント間で一定の共通する傾向が見られ、セグメントごとにプログラムやサービスへの嗜好があることが明らかになりました。
  • 今回の調査は、教育機関が学生の生涯にわたる学習ニーズに応えていくためにはこれまでの発想を大きく転換する必要があることを示しています。
  • 本調査結果を踏まえ、教育機関が提供するサービスと学生ニーズとのギャップを正確に把握することで、新しい学習者セグメントへのアプローチを効果的に推進することが可能です。


高等教育における加速する変化

新型コロナウイルスによるパンデミックは、既に兆しの見えていた高等教育の変化をさらに加速させました。具体的には「一般学生」層の減少、生涯にわたり活用可能な資格・スキル取得に対する社会的ニーズの高まり、民間企業を始めとする新しい教育サービス提供者の台頭等に加え、教育機関に対する学生ニーズの変化が発生しています。

多くの大学にとってこのような環境で成功するには、在学生に対するサービス向上はもちろんのこと、新しい学習者の形となり得る生涯学習に焦点を置いたサービスの提供が必要となります。そのためには、学生が保有する多様な学習体験や動機を理解する必要があります。

上記の課題解決に向けて、アクセンチュアでは、各大学が生涯学習を行う学生を対象として、授業内外における学生満足度、学習体験・成果、教育の公平性を高めるためにどのような独自のアプローチをとりえるかについて調査を行いました。

2021年夏、16~65歳以上の米国の中等教育を修了した学習者6,500人以上を対象としてアンケート調査を行いました。今回の調査は、通常の学生調査の枠を超え、学位または専門職資格の取得を目指す学生・入学希望者、中等教育課程後のプログラムを受講しているまたは受講を検討している方々を含む「すべての学習者」を対象としています。

学習者は年齢や教育機関の種類に関係なく、学習への意欲や目標に基づく6つのグループに分類されます。

新しい学習者セグメント

学究心の高い学生(7%)

学術研究領域に留まることに強い関心を持ち、幅広い分野を探求し、研究に取り組む、知的好奇心が旺盛なフルタイムの学生。

例:専攻を決めておらず、研究を通じて教授との関係を深め、大学院進学を検討している、小規模なリベラルアーツカレッジの学生。

キャンパスライフを謳歌する学生(16%)

授業内外の活動に積極的に参加し、卒業後に就職を予定している寄宿生。

例:大学のグリークライフ(日本でいうサークルのようなもの)や学生クラブ、スポーツチーム、ジム等を含めて大学を評価のうえ入学を決めた、大規模な州立大学の学生。

専門職予備軍 (31%)

特定分野で仕事を得るために、資格取得に注力する学習者。

例: 専攻を早期に決め、明確なキャリア目標を持ち、パートタイムで働きながら通学する学生。

専門性向上を目指すプロフェッショナル (23%)

知的好奇心を満たすとともに、特定業界における知見を広げようとする、成功している若手の社会人。

例:MBA取得のために大学に戻り、ファイナンスの理論と実践を重視したプログラムに興味のある若手のプロフェッショナル。

キャリアアップを図る中間管理職(14%)

特定分野のスキル(雇用主から評価される領域)を伸ばし、資格を取得することでキャリアアップを目指すフルタイムの社会人。

例:翌年の昇格査定の前に、エグゼクティブリーダーシップ資格コースを会社の奨学金制度を利用して受講することを上司に推薦された多忙な中間管理職。

キャリアチェンジを目指す社会人(9%)

資格取得については懐疑的であるものの、特定のスキル伸ばすことでキャリアチェンジが可能な短期集中プログラムを希望するフルタイムの社会人。

例:現在の分野では雇用が不安定であるため、継続的に高い成果を得られるプログラミングの短期集中プログラムを希望するフルタイム社員。

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各セグメントの満足度

今回の調査により、学生の学習満足度に関して各セグメント内およびセグメント間において一定の共通する傾向が見られました。大学の学術プログラムに関する説明や、学習を修了するための学術的なアドバイスやサポートに対しては、学生は高い満足度を感じています。一方で学費に関するカウンセリング、メンタルや身体の障害に対するサポートなどの授業以外の分野に対する学生の満足度は低くなっています。また、すべてのセグメントにおいて「授業形態(オンライン、対面、ハイブリッド形式)の柔軟さ」が、学習者から強く望まれています。

96%の学生は、学習満足度を高める重要な要素として質の高いデジタル体験を挙げています。

学習者セグメントとサービスに対する嗜好

また、今回の調査により教育機関が提供するプログラム・サービスに対するセグメント別の学生の嗜好が明らかになりました。すべてのセグメントにおいて、対面授業を希望する学生とオンライン授業を希望する学生がどちらも混在しています。これは、大学が様々な様式・形態でのあらゆるサービスを提供する必要があることを意味しており、提供できなければターゲットとする学生を多く失うリスクがあると言えるでしょう。

すべてのセグメントに共通して学生が好むアクティビティがあります。例えば、学生は卒業やインターンシップ、クラブ・組織の活動など、他者との関係性が強く求められる経験においては、対面形式での提供を重視しています。一方で、大半の事務的な手続きやサービス(プログラム内容の確認、授業の申し込み・登録、学費の支払い、ITサポートなど)においては、学生は基本的に対面形式を求めていません。

また、一部のアクティビティにおいては学習者セグメント毎に嗜好の異なりが見えます。例えば、一部の学習者セグメントでは他のセグメントに比べ、特定の活動において対面形式での実施を強く求める傾向がありました。これらの違いは、ターゲットのセグメントの学習者が求めるサービスを提供するうえで非常に重要な要素となります。



学生体験の再編

今回の調査により、教育機関が学生の生涯にわたる学習ニーズに応えていくためには、従来の発想を変えて取り組むことが必要不可欠であることが分かっています。これらを踏まえ、教育機関が提供するサービスと学生ニーズとのギャップを正確に把握することで、新しい学習者セグメントへのアプローチを効果的に推進することが可能となります。上記を実現するにあたっては、アクセンチュアが提供するツールを活用することも可能です。

1.対象の学習者セグメントを特定する

まず、大学を取り巻く状況を明らかにしたうえで、6つの学習者セグメントを設定しましょう。そしてターゲットとするセグメントを特定し、対象セグメントのニーズに応える方法を定義しましょう。

2.学習者の生涯にわたり、関係を維持する

学生の生涯にわたり変化していく学習ニーズを把握し、60年に渡って寄り添える関係性を構築するという発想に切り替えましょう。

3.ゼロベースの発想でリソースを配分する

支出と組織構造を俯瞰し、現在および将来の目標を達成するためにより適切な方法を検討しましょう。

4.最新のクラウドベースのERP 、SISを導入する

学生の学習体験を中心とした視点で、すべてのセグメントの学習者にとってのFrictionless Futureを実現するために、最適なテクノロジーアーキテクチャを設計しましょう。

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Samantha Fisher

Managing Director – Consulting, Public Service, Education


Jenny Brodie

Senior Manager – Health & Public Service, Research


Phillip Pollman

Specialist – Health & Public Service, Research, North America

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