民間企業によって提供される非常にシームレスなデジタルサービスは、今日では消費者の生活に欠かせない機能の一部となりつつあります。そのような中で公共機関は、民間企業と同等あるいはそれ以上のデジタル化を推進すべき、というプレッシャーにさらされ続けています。しかし、アクセンチュアが2022年に10か国における5,500人の消費者および3,000人の公共機関職員を対象に実施した調査では、公共機関および公共サービスに対する特有の体験（エクスペリエンス）ニーズがあることが明らかになりました。

言うまでもなく、公共機関ではサービス利用者の新規獲得と維持ではなく、コンプライアンスと成果に重点を置いています。また、市民が支援を必要としているときに、最適なサービスを公平に提供するという使命があります。今回の調査の結果には、新たな視点から公共サービス体験にアプローチするためのさまざまな可能性が示されています。デジタル技術と人間の創意工夫を組み合わせることで、公共機関は市民の公共サービスに対する基本的な期待である「シンプルさ」「人間らしさ」「セキュリティ」を備えたサービスを提供できるようになります。その結果、市民と公共機関の間の信頼関係が構築され、市民は必要なときにより適切な支援を、確実に受けることができるようになります。