調査レポート

概略

概略

  • 試供品の配布やオンライン調査など、店頭での最適な商品配置を見極めるための従来の調査方法には、改善の余地があります。
  • 視標追跡機能を搭載したモバイルVRヘッドセットを活用し、仮想現実(Virtual Reality/VR)マーチャンダイジング(商品の販売価格や販売形態を戦略的に設定するプロセス)を導入することで、よりスピーディーで低コストにデータを取得することができます。
  • アクセンチュアは、米国の通信会社Qualcommと米国の食品会社Kellogg’sと共同で、ブランドや小売業者が実施していた従来の市場調査を変革するVRを活用したソリューションを試験的に導入しました。
  • この画期的なソリューションによって、従来の市場調査と比較して、より示唆に富んだ結果が得られ、ブランドの売上総額は18%増加しました。


VRマーチャンダイジングとは

自社製品を店舗の陳列棚のどこに置くのが最適なのか。どのような品揃えにすべきなのか。消費者向けのブランドと小売業者は、両者が合意する最適な商品配置を導き出すために、多くの時間とコストを費やしています。

このような市場調査には、例えば、コストのかさむ実店舗環境を構築し、ターゲットとなる顧客層を招待して陳列棚を見てもらい、アンケートに答えてもらうといった手法があります。あるいは、コンピュータの画面上に仮想店舗を構築し、買い物体験を再現したり、消費者に商品を郵送し、自宅で試してもらった感想をオンライン調査に回答してもらったりといった手法もあります。しかし、このような従来のアプローチには限界があります。

VRと視標追跡機能を活用することで、これまでの限界を超えて、最適な方法でより有益な調査を行うことが可能になります。Kellogg’sは新商品Pop Tarts Bitesの発売に向けて、店頭での商品配置、品揃え、プロモーションを決めるための市場データを収集していました。オンライン調査や試供品の提供といった従来の調査結果を見る限り、消費者は陳列棚の上の方に新商品が置かれているはずだと認識しているということが分かりました。

アクセンチュアは、Kellogg’sとQualcommと共同で、視標追跡機能を搭載したVRソリューションを開発し、これを使って調査したところ、従来の調査結果とは異なる結果が得られました。この結果は、ブランド、小売業者にとって新たな示唆を提供しています。

視標追跡機能を搭載したモバイルVRは、調査対象を広範囲に設定することができるため、より大規模な調査を低コストで、スピーディーに実施でき、また従来の調査に比べて示唆に富んだ結果を得ることが可能です。

視標追跡機能を搭載したVRマーチャンダイジング・ソリューション

トランスクリプトを読む

VRマーチャンダイジングの4つの利点

調査対象の拡大

モバイルVRヘッドセットを活用することで、消費者の自宅や店頭、展示会など、場所によらず、より広範囲に調査を実施できます。

ブランド体験の向上

本物そっくりの仮想店舗を構築することで、従来の調査と比較して、より優れたブランド体験(実際に店舗を歩く/陳列棚を見る/商品を手に取り吟味する/選んだ商品を買い物かごに入れるなどの体験)を提供できます。

示唆に富んだデータの取得

モバイルVRヘッドセットに搭載された視標追跡機能により、消費者の買い物体験を邪魔することなく、より示唆に富んだデータを取得できます。

コストを削減しつつ、調査の柔軟性を向上

VRを活用したソリューションにより、低コストで迅速かつ容易にプラノグラム(店内の商品配置)の組み合わせを調査することができます。これにより、効率よく最適な商品配置を導き出すことができます。

全て見る

Kellogg’sの事例

アクセンチュアは、Kellogg’sとQualcommと共同で、Kellogg’sブランドのニーズに合わせて没入型のブランド体験をデザインし、Pop Tarts Bitesの発売に向けて、商品配置、品揃え、価格戦略の調査を実施しました。

VRを活用した調査結果の最大の特長は、視標追跡分析によって、より深い洞察が得られることです。試供品の提供やオンライン調査といった従来の調査に比べ、買い物客の行動について、より示唆に富んだデータを得ることができます。

従来の調査結果から、消費者の大半は、新商品は高めの位置に陳列されているものだと認識していることが分かっています。そこで、VRを活用した調査で新しいPop Tarts Bitesを陳列棚の低めの位置に置いてみたところ、近くにある他のPop Tarts商品にも調査参加者の関心が集まることが判明しました。その結果、他のPop Tarts商品の販売が促進され、テスト期間中、ブランド全体の売上が18%増加することにつながりました。

つまり、視標追跡機能を搭載したモバイルVRによって、従来の調査結果とは異なる、よりデータに基づいた結果がもたらされたことになります。

VRマーチャンダイジングを導入するために

視標追跡機能を搭載した、使いやすいモバイルVRヘッドセットを活用し、大規模なVRマーチャンダイジングを導入することで、企業はより示唆に富んだデータが取得できます。それにより、1つの商品だけでなく、カテゴリー全体を考慮した、最適な商品配置と品揃えが可能になります。

ブランド、小売業者、および消費者向けパッケージ商品を取り扱う企業は、仮想店舗を構築し、必要に応じてそこに陳列する仮想商品を変更することで、有益な消費者調査をより広範囲で容易に実施することができるようになります。その結果、収益創出の可能性が高まります。

VRマーチャンダイジングを最大限有効に活用するために、以下の手順を踏むことをお勧めします。

  1. VRマーチャンダイジングを個別に検討するのではなく、マーチャンダイジングのプロセス全体にうまく適合させるようにする。
  2. VRで作成した店舗レイアウトを実店舗に適用するメリットを理解した上で、移行/運用方法を明確に定義する。
  3. モバイルVRを用いた調査は、従来の調査に比べ、要する時間が少ないため、削減された時間をより戦略的な業務に充てることができるようになることを訴求することで、ソリューション導入を促進する。
  4. エクスペリエンス・ビルダーや、アナリティクス、3Dアセット・パイプラインなどの機能を含むプラットフォーム・アプローチを採用する。
  5. コスト効率がよく、より広範囲の消費者に容易に調査に参加してもらうことができるようなモバイルVRの導入計画を立てる。
Subscription Center
ニュースレターを読む ニュースレターを読む