7月10日、アクセンチュアは東洋経済新報社と共催カンファレンス「「Mobility 3.0」時代の覇権シナリオ」を開催しました。

広義の自動車産業はいま、変革の時を迎えています。「モビリティ」は単なる移動手段から、社会全体の変容における中心事項の1つとなりました。本記事では、現在のビジネスの転換点を象徴するキーワード「CASE」を軸とする講演やパネルの模様を紹介します。

前半では、最新著書『Mobility 3.0: ディスラプターは誰だ?』を上梓したアクセンチュアの川原 英司(戦略コンサルティング本部 マネジング・ディレクター)と立教大学 ビジネススクール 教授 田中道昭氏の講演をご紹介します。

Keynote I
Mobility 3.0 〜モビリティのおける産業コンバージェンスとビジネスチャンスの広がり

アクセンチュア 戦略コンサルティング本部 マネジング・ディレクター 川原 英司

1つめのKeynoteセッションでは、アクセンチュア 戦略コンサルティング本部 マネジング・ディレクター 川原英司が講演を行いました。

川原はまず、これから世界および日本が迎える「Mobility 3.0」社会の概要を解説しました。

「前時代のモビリティすなわち『Mobility 2.0』はいわゆる「CASE」の変化の中で自動車産業の視点でクルマのつくり方やビジネスモデルの変革を意味していました。しかし『3.0』の時代になると、様々な産業が自動車業界に参入し、相互にビジネスモデルを組みながら、新しい市場が誕生します。つまり産業コンバージェンスが進む社会となります」(川原)

Mobility 3.0の社会では、人々の生活はどのように変化するのでしょうか。具体例を挙げると次のようになります。

  1. 交通事故の減少。都市部の交通は無人化し、運転免許を持たない人もクルマに乗れる、安心して移動できる社会。
  2. 渋滞からの解放。全体制御された交通流が生み出され、都市部は渋滞や駐車場の不安がなくなる。
  3. 移動の必要性自体が低下する。モノや情報の配達や様々な疑似体験によって移動そのものの需要が減る。
  4. 移動手段自体が他のサービスの一部に組み込まれる。クルマ自体は構成要素の1つに過ぎなくなる。
  5. モビリティが「動く不動産」化する。空間そのものに価値が生じ、モビリティアセットマネジメントなどの新ビジネスが誕生する。

Mobility 3.0を知るキーワード「CASE」

まず、このような社会の実現に向けた変化が2016年に提唱され、認知度を高めているキーワード「CASE」です。

Connected
従来のクルマの価値に加え、インターネット接続することで新しい価値がもたらされます。一部の機能はクラウドへ移され、新しいユーザー体験を提供するプラットフォームとなります。

Autonomous
クルマの価値は、運転する価値から、移動空間の価値に変わります。また、社会システム全体で自動運転を取り入れるには、最適に制御された交通システムが必要です。クルマは社会システムを構成する要素の1つとなります。

Electronics / Electric
従来のクルマはハードウェアとしての価値に重きが置かれていましたが、今後はソフトウェアで価値が定義されることになります。ハードウェアとしてのクルマは比較的汎用化され、ソフトウェアが差別化要因となります。また、EVにおいてはクルマの価値の多くの部分を電池が占めるようになり、クルマは「動く蓄電装置」として新しい価値を生みます。

Shared / Service
「利用者が保有し、自ら運転する」という従来のクルマ像から変わり、「移動手段としての利用価値」への転換が進みます。クルマは同時に、モビリティサービスを提供する「事業資産」としての価値が増大します。

上記のC、A、Eは「技術的イネーブラー」であり、Mobility 3.0社会そのものはSによって創り出されます。クルマをサービスの構成要素とするMaaSも、Sの1つの断面となります。

CASE 3.0時代の「3つの変化」

川原はこうした現在のCASEも、いわば「CASE 2.0」であり、今後はさらに発展した「CASE 3.0」に向かうと予測していると話します。その変化を「顧客」「商品」「ビジネスモデル」の3つの点で解説しました。

顧客の変化
従来の自動車産業の顧客は「クルマの免許を持つ人」が対象であり、全世界で10億人と言われます。しかしCASEの先の時代には、全人類70億人すべてが顧客となりえます。クルマはこれまで個人資産でしたが、モビリティサービスプロバイダーが保有し、サービスとして提供する社会となります。

商品としての変化
クルマをどう売り、どう動かすかはソフトウェアやサービスで価値が高まります。クラウドまで拡張されてモビリティサービスを支えるインフラとなるほか、モビリティアセットマネジメントのようなサービス商品も拡大します。

ビジネスモデルの変化
S(Shared / Service)によってビジネスモデルが「As a Service型」となり、ユーザーはクルマの利用量に応じて支払う課金モデルへと変化します。この変化はBtoBのビジネスにおいても同様に起こるでしょう。

このようなパラダイムシフトが重層的に発生すると川原は予測しています。つまりMobility 2.0の時代がある日突然に終わりを告げてMobility 3.0時代が始まるのではなく、Mobility 2.0の変革と3.0の変革が同時並行的に進行するのです。

クルマの未来

クルマの製造など、車両そのものにも今後は変化が起こります。垂直統合による従来の製造モデルは「すり合わせ」によって良い製品(クルマ)を世に出す仕組みでした。しかしまず電子デバイスが加わることで、自動車メーカーがどこであれ、特定のデバイスを搭載しさえすれば特定の機能を提供できることになります。クルマ側のアーキテクチャが変化することで、IoTとクラウドによって外部からクルマをコントロールできる構造が実現します。

クラウドのプラットフォームに多種多様なサービスを乗せると同時に、コネクテッドカーとして電子デバイスを「クルマのOS」の下で動作させるようになります。車両に対して上方向(サービスとクラウド)、下方向(コネクテッドカーと自動運転車およびその構成デバイス)において、産業コンバージェンスが進むと川原は指摘します。

「このエコシステムの先にあるのは中央制御DLC(ドライバーレスカー)の実現です。企業はどのようにプロフィットを取るのか。この大きな構想の中でビジネスを考えていかなければいけません」(川原)

ITジャイアントの動向――プラットフォーマーとして

一方で、動向が注視されているのが「ITジャイアント」と呼ばれる企業群です。GoogleやAmazonはモビリティ分野に積極的に投資しており、今後彼らがモビリティ市場の拡大を牽引するキープレイヤーになると予測されています。

クルマは今後、車両とサービスに分けられます。PCやスマートフォンなど他の業界の製品が歩んだ道と同じ展開を自動車もたどると予測できます。自動車OSには、サービスを支えるOSとクルマを動かすためのOSという2つの面があります。このOS上でサービス・アプリケーションやデバイスの開発が加速します。「このような開発環境の提供により、極論すれば、今後はだれでもモビリティ関連サービスを開発可能になります。勝ち残ったサービスが市場を席巻し、ソフトウェアとデータがビジネスの基盤を握ります」と川原は説明します。

Googleは車載OSとして「Android Automotive OS」を展開しており、インフォテインメント領域から徐々に制御系へと拡大させ、最終的にはクルマとクラウドが接続された状態を前提にクルマを全体制御するOSへと進化することを狙っているのではないかと見られています。

自動車OEM側もアライアンス締結が活発になっており、ソフトバンクとトヨタの共同事業など、サービスプラットフォーマーへの機能提供としてコネクティッドカーやメンテナンスなどのインフラを整備するなど、デジタルとアナログを組み合わせたフィジカルでの強みを発揮しながらビジネスモデルを構築していくという戦略が考えられます。

Mobility3.0を取り巻く各業界の最新状況

産業コンバージェンスが進んでいる現在、各産業とMobility 3.0はどのような関係にあるのでしょうか。通信、ハイテク、金融、電力業界を例にとり、川原は次のように説明しました。

通信業界
通信業界は、高速大容量・低遅延・多接続を特徴とする5G商用化を控えています。これらの特徴を生かしたユースケース(遠隔操作、自動隊列走行など)は続々と登場しつつあり、モビリティに取り込んでいくことが重要です。

ハイテク業界
電子製品によるADAS(先進運転支援システム)や自動運転の開発環境を提供するなど、ハイテク業界はプラットフォーマーの立ち位置に近い存在です。今後、サービス領域のビジネスチャンスは拡大し、社会インフラとの連携やデータ自体のマネタイズなどを商機と捉えているプレイヤーも出てきています。

その例の1つがサーキュラーエコノミーの考え方を活用したEVバッテリーの利活用最大化です。車載バッテリーを寝かせておくのはもったいないという発想のもと、バッテリーのライフタイムバリューを高めるアプローチが進んでいます。

金融
クルマには「移動手段」「空間」「サービスのツール」「センサー」「大型の個人デバイス」といった様々な位置付けがあります。これらの特徴を使った金融ビジネスが模索されています。

ダイムラーがグループ企業を再編し、旧来のダイムラーファイナンスをベースとして「ダイムラーモビリティ」を設立することを発表しました。今後はモビリティに向かって各種サービスの融合が進みます。たとえば銀行では自動運転における新しい保険サービス、証券においては新しいモビリティアセットマネジメントのサービスが拡大するでしょう。

電力
脱炭素化を導入促進として、再生可能エネルギーの拡大とエネルギーの電気化が求められます。EV(電気自動車)はまさに「動く蓄電池」「電力グリッドの不安定性に対する調整力」としてその両方に有効な機能を発揮します。

ディスラプション時代の事業転換

Mobility 3.0の時代において、日本企業は従来の「連続的変化」とはまったく性質の異なる「ディスラプション(創造的破壊)」に対応していかなければいけません。アクセンチュアもお客様と対話しているのは、まさにディスラプション時代に適応するための事業転換です。

「既存ビジネスもリスク管理しながら効率化する」と同時に「新しいビジネスを構想し立ち上げる」。この転換(ピボット)をスマートに実現させる「ワイズピボット(賢明な事業転換)」が、アクセンチュアの提唱している「今、企業が取るべき事業転換のモデル」といえるでしょう。

「今後の日本企業では、デジタル活用を推進するにあたり、『どうやるのか』というHowの部分の議論を深め、ロードマップを描き、実行へと移していくことが重要です」と川原は講演を締めくくりました。

Keynote II
「CASE」の最新動向 - GAFA×BATHの大戦略 -

立教大学 ビジネススクール 教授 田中 道昭 氏

続く講演では、立教大学 ビジネススクール 教授 田中 道昭 氏が登壇しました。CASEの最新動向について、田中氏は実際に米中の現地訪問でご覧になってきたGAFAとBATHの戦略について解説するとともに、来場者の日本企業関係者を奮い立たせる熱いスピーチが行われました。

「正しい論点」を立てたNokiaが復活

田中氏は開口一番、「端的に申し上げて、我々日本企業はCASEの動向やスピードにおいて出遅れています。私は企業、産業、日本の競争力を高めることに貢献したいと思っています」と来場者へ投げかけました。

田中氏は2000年前後に携帯電話業界の覇者として君臨したNokiaが現在、復活を遂げていることを紹介しました。携帯電話事業そのものはすでにMicrosoftに売却されましたが、通信基地事業者としてすでに世界でHuaweiに次ぐ地位に戻っているNokia。同社はかつて、Appleのスティーブ・ジョブスから「あなたの会社(Nokia)はもはや競合ではない」と言い放たれたと田中氏は話します。

Appleはプラットフォーマーであり、Nokiaはデバイスメーカーであるというのがその真意ですが、当時のNokiaの社長は全社員へ向けて「競合他社はデバイスで私たちの市場シェアを奪っているのではありません。エコシステム全体で私たちの市場シェアを奪っているのです」と書き送りました。こうした事例はすでに自動車業界でも起きていると田中氏は強く警鐘を鳴らします。

「なぜNokiaは復活できたのでしょうか。それは彼らが『正しい論点』を立てたからです。現在、自社あるいは自社の属する産業について、どのようにして正しい論点を立てたら良いのかという問題意識を持っていただきたいと思います」(田中氏)

世界のCASE最新動向――中国に引き離される日本

田中氏は今、世界でCASEがどれほど現実のものとなっているかを力説しました。

  1. 「A」オートノマスの最新動向
    すでに世界では、Googleは系列会社であるWaymo(ウェイモ)で自動運転の商業化を進めているほか、ダイムラーやGMも自動運転タクシーの商業化を推進しています。しかし2018年以降、自動車業界関係者の注目を集めているのが百度(バイドゥ)の「Apollo」です。

    百度は2018年内に自動運転バスの商業化を始めると発表。2019年1月には昨年中に中国国内21箇所で自動運転バスの運行を行っていると発表しています。さらに驚くことに、すでに昨年7月から量産化(ボリュームプロダクション)も行っています。ドイツでも日本でもなく、中国のテクノロジー企業が昨年からレベル4の自動運転バスの量産化に入っているというのが現実です。実際にこの自動運転バスに乗車した田中氏は、さらに驚きの説明をしました。

    「このバスは公園の中を走行しています。車道と歩道の区別がありません。バスの30cmほど横を人がすり抜けて歩いています。こうした局面までAIにディープラーニングさせ、高い水準の安全・安心の自動運転を実現しようとしています。そしてバスはApollo計画の序章に過ぎません。技術的には大したことないと軽視することも可能でしょう。でも、社会実装のスピードが問われているのです」(田中氏)

  2. 「E」EV車とエネルギーの最新動向
    2018年のCESにて、2016年創業の中国の新興ブランド「BYTON」がEVコンセプトカーを発表しました。1年経った2019年3月、田中氏が上海を訪問すると、世界最大のスターバックスの真向かいにBYTONは欧州高級車ブランドかと思うほどスタイリッシュなショールームをオープンしていました。

    そのショールームで年内発売の予定で展示しているのはレベル3の自動運転を搭載した、約410万円の車両です。こうした高級EV車が日本を素通りしています。日本にいては何も気づくことができないと田中氏は強調します。

    深圳のタクシーのEV化がスタートした当時、EVステーションは順番待ちの行列でしたが、現在は1回充電すると350km近く走行できるため、昼間にチャージすることがありません。したがって、EVステーションはガラガラという状態になっています。これほどバッテリーやEV車も進化しています。深圳では、19年1月時点で、タクシー2万3000台の99%がEV化されるなど電化が進行していることを「例外」と見るのか、ここで課題意識や危機感を一気に高めていくのかで数年後に明暗が分かれると田中氏は述べました。

    クリーンエネルギーの観点でも同様です。化石燃料を使って発電された電気で充電している限り、EV車はエコとは言えません。ソフトバンクやテスラは、太陽光発電で電力を作り、蓄電池に蓄え、その電気をEV車や家庭で使用する「作る×蓄える×使う」の三位一体型のモデルを描いています。

  3. 「S」シェアリングとサービス化
    「サステイナビリティやシェアリングはもはや価値観になっています」と田中氏が強調するのは、まだまだそれらを一過性のトレンドと考えている経営者や自動車業界関係者が多いためです。

    楽天が筆頭株主になったLyftは、時価総額2.4兆円。共同代表者のジョン・ジマーは「第3次トランスポーテーション革命」を掲げ、次のように宣言しています。
    「2025年までに、米国の主要都市で、クルマ所有が終わりを告げる」
    「近未来のトランスポーテーションは単に人がどのように移動するかに影響を与えるだけではない。それは街がどのようになり、都市に住む人たちがどのように暮らしているのかにまでインパクトを与えるものになる」

    こうした価値観の転換の背景にあるのが昨今の異常気象であると田中氏は言います。

    まず、2016年に話題を集めた本『ビッグピボッド』(アンドリュー・ウィンストン)は次の重要な3つの潮流を指摘しています。「①もっと暑くなる(環境問題)ゆえに、クリーンなビジネスが勝つ。②もはや隠せない(不正問題)ゆえに、隠さないもの(オープンネス)が勝つ。③もっと足りなくなる(資源問題)ゆえに、イノベーションが勝つ。」それを裏付けるように、2018年9月5日付の日経新聞は「脱化石燃料へ、株売り圧力。世界900超の投資家が表明。事業転換を促す」と報道しました。

    「こうした変化はSDGsなどがキレイごとではなく、現実の課題だと多くの人が認識したからこそ起きている潮流です。さらにその直接的な引き金が異常気象です。このままでは地球環境は危うい。より多くの人々が、もはや動物的レベルの直感によっても、脱化石燃料を決意するようになってきているのです」(田中氏)

    そうした価値観がアメリカでは拡大しつつあります。ガソリン車を買い、それを個人所有する時代は終わりを告げる可能性があります。日本では、たとえばどこかの大企業の経営層が「自社の社用車はすべてEV車にします」と宣言したら、多くの企業は右へ倣えとなるでしょうと田中氏は予測しています。

  4. 「C」コネクティッド化の最新動向
    コネクティッドは全産業において今後必須となるテーマです。この点でも中国は驚異的な進歩を見せています。中国政府は4つの特定企業にAI活用のテーマで大規模発注をしており、その内アリババは「AI×スマートシティ」を政府から受託しています。

    杭州アリババパーク内におけるスマートシティのホテルに実際に宿泊した田中氏は、宿泊やショッピング、エンターテイメント体験のあらゆるものがアプリで登録、顔認証で本人確認、決済はAlipayと紐づけられて処理される様子を報告しました。ホテルのレセプションは無人であり、室内の空調などはすべて音声認識で操作します。アメニティやルームサービスの運搬はロボットが行い、そもそも人が作業することが想定された設計になっていません。

    「Alipayを入り口として、すべてが連携しています。そして一連のサービスへと誘導される。ビジネスモデルとして、いろいろなものがつながっているという、現在の日本ではとうてい見られない近未来的な設計なのです」(田中氏)

日本企業がベンチマークするべきGAFA×BATH

続いて田中氏は、日本企業がベンチマークしなければならない対象としてGAFAとBATH(百度、アリババ、テンセント、ファーフェイ)を挙げます。彼らには「大胆なビジョンを掲げる×高速なPDCA」という、共通の特徴があります。

日本企業は持続的イノベーションにとどまっていますが、GAFAとBATHは「どのような社会課題を解決したいか」「どのようにして新しい価値を提供するか」といったビジョンを掲げ、それを超高速に実行しています。大企業でありながら、リーン・スタートアップのように振る舞う。「彼らはビジョンから逆算して、どのようなテクノロジーが必要かを抽出し、提供する。彼らのビジネスを分析すると、GoogleやAmazon、Appleが自動運転などの技術を活用して、何を実現したいのか、何をしたいのかを正確に読み解くことができます」(田中氏)。

最後に田中氏は来場者へ向けて、力強いメッセージを投げかけました。

「Amazonでは、社員がジェフ・ベゾスCEOから必ず聞かされる言葉あります。それは「It's Still Day 1」。Amazonが1997年の上場したその日、株主に送付したレターにも同じことが書かれていました。1999年以降、毎年の年次報告に添付してくる言葉になりました。これは、アマゾンにとって「今日が初日」あるいは「今日が設立された日だ」ということです。CEOが毎日社員へ向かって「今日はAmazonが始まったばかりの日です」と毎日言っているそうです。ベゾスは「Day 2」を恐れています。彼のいうDay2は「大企業病」のことです」(田中氏)

大前提として最も必要なことは、スタートアップ企業のような「スピーディを最優先とする企業DNA」がなければ、アクションやイノベーションが起こせないということです。それがわかっているからこそ、AmazonのベゾスCEOはそう言い続けていると田中氏は強調します。

「日本では、未来の話と思われている変化が、世界では現在進行形で起きている。これらをただの例外と考えるか、自分事ととらえるかは、あなた次第ですが、是非とも自分事に置き換えてください。i-Phoneが登場した時のノキアのように、その状況を軽視し、凋落のプロセスを辿っていくのか?それとも、将来的な存亡の危機であると認識して、スタートアップ企業のようなチャレンジャー精神でここから競争力を高めていくのか?今日の講演が貴社の使命感や競争力向上に貢献できれば幸いです」と田中氏はメッセージとともに講演を終えました。

次回予告
本記事の後編では、ゲスト登壇者によるショートスピーチ「CASEがもたらすビジネスチャンス」およびパネルディスカッションの模様をご紹介します。

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