FSアーキテクト
2022/07/11
2022/07/11
拝啓、猛暑の候、貴社におかれましてはますますご清栄のことと、お慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
金融業界は異業種が参入する“攻められる業界”になってきました。
金融機関の中には、「国内ビジネスは収益性が高くないし、規制も厳しい業界なのに、なぜ異業種は参入するのか?」と疑問に思われる方も多いと思いますが、異業種もそれだけ本業の収益性に期待を持っていないという事です。まさに業界間でシェアの奪い合いが激しくなる構造になってきました。金融を本業とする金融機関は、新規顧客獲得(特に個人ビジネス)では苦戦すると考えます。異業種が本業を活かして顧客を新規獲得できる可能性があるからです。
だからこそ、異業種と連携して顧客獲得を推進しようとする取り組みは重要です。では、異業種との連携にフォーカスしていればいいのでしょうか?そうは思えません。金融機関は、長年ビジネスを展開してきて蓄積してきた既存顧客という先行者メリットを持っています。この既存顧客との関係を見直し、どうビジネス拡大をしていくかは、国内ビジネスを再構築する上で再検証する必要があると思います。
① 既存顧客による新規顧客の紹介
② 既存顧客へのクロスセル・アップセル
③ 既存顧客への新商品・サービスの展開
といった取組を、規模を持って実行できるのは先行者のみです。
既存顧客をどう活かすか、関係強化をどう実現するか、に関してもデジタル活用は必須と考えます。先行者メリットを最大化する取組にも、ぜひ貢献したいと考えておりますので、引き続き宜しくお願い致します。
今後ともご愛顧のほど宜しくお願い申し上げます。
敬具
2022年7月吉日
アクセンチュア株式会社
常務執行役員
金融サービス本部 統括本部長
中野 将志
Vol.41 2016年春号
Vol.39 2015年秋号
Vol.38 2015年夏号