調査レポート

概略

概略

  • アクセンチュアの最新レポートでは、エネルギーシステムの脱炭素化、デジタル化、需要主導化が進む中で、創造的破壊がいかに石油・ガス業界に変化を及ぼしているかを検証します。
  • 石油企業が自社の存在意義「パーパス」を再構築・再定義することで、現状にどう対処し、自社と利害関係者が望む変化を推進するかを明らかにします。
  • 新たな機会を活用し、将来のエネルギー環境で成功する上で必要な、新しいテクノロジー、戦略、モデルについて学びます。


変化の激しい業界に立ち向かう

石油・ガス業界は、様々な局面で大規模な混乱に直面しています。急速な変化に直面するエネルギーの分野では、石油市況価格の変動性が高まるにつれて業界全体の複雑性が増す一方、デジタル技術の進化、グリーン・エネルギーの推進、消費者中心サービスへの需要の高まりにより、国内での安定供給や株主への利益貢献が危険にさらされており、将来のコモディティ取引価格とエネルギーバリューチェーン構造の変化に対し、大幅な再評価が実施されています。

アクセンチュアでは、エネルギー業界には4つの大きなゲーム・チェンジャー(業界構造を変革する要素)が存在すると考えています。

1. 脱炭素エネルギーシステム

成熟市場の多くで炭化水素の使用量が一定量に留まっており、経済成長は炭化水素の需要増から切り離されつつあります。

2. エネルギー効率

エネルギー効率への投資はエネルギー需要の抑制に有用であり、エネルギーシステムの脱炭素化の基礎となります。

3. 新たなエネルギー消費者

環境への配慮から新たな働き方に至るまで、消費者はエネルギー供給業者に対し、シームレスでつながりのある、パーソナライズされた体験を求めています。

4. デジタル・リアリティ

デジタル化は、エネルギーバリューチェーンのあらゆる側面を再構築します。新たなデジタルプレーヤー、プラットフォーム、事業形態により、競争環境に創造的破壊が生じています。

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石油企業は、この創造的破壊が将来の成長に及ぼす影響と、ゲームチェンジングな潮流をよく理解することで、大規模なイノベーションを起こし、自らのパーパスを再定義し、新興エネルギー経済における競争力を得ることができます。

エネルギー新時代に向けた石油・ガス業界の変革

アクセンチュアの最新レポートでは、創造的破壊がいかに石油・ガス業界に変化を及ぼしているかを検証します。

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変化の理由は明らか

石油企業が現代社会との関連性を保ち、オペレーションを継続するためには、パーパスを刷新しなければなりません。より俊敏で、適応性が高く、つながりがあり、協調性のある企業になるためには、次の2つの重要な側面に焦点を当てビジネスモデルを迅速に再構築する必要があります。

  1. どこでプレイするか ビジネスの本質は何か、バリューチェーンにおける役割や、生み出す価値は何か
  2. どのようにして勝つのか どのようにしてオペレーティングモデルを再考し、新しいテクノロジーを導入し、新しい人材戦略を採用するのか

石油企業は、自社のパーパスを念頭に置きつつ、世界的なエネルギー問題に新たな戦略で取り組むことができます。まず、「現在の中核事業を変革」し、同時に「新しいビジネスを成長・拡大させるため」の投資をします。一部の企業はすでに、「石油」から「エネルギー」へと移行する過程にあり、そのパーパスを再定義し、新規事業に注力しています。しかし、破壊者(ディスラプター)が競争市場に参入し、価値が次第に川下にシフトする状況を考慮すると、既存の企業には迅速な行動が不可欠です。

石油・ガス業界で生じている創造的破壊を前に、行く末を見守り続けることはできません。今こそ、脱炭素化、デジタル化、需要主導型の未来を新たに構築するときです。すぐに行動を起こしましょう。

変革における3つの重要課題

では、石油・ガス企業がこの新たなゲームチェンジングな機会を活用するため、新たな変革ともとれる方向転換(Pivot)をどのように加速させることができるでしょうか。同レポートでは3つの重要な優先事項に注目しています。

  1. 次世代のデジタル技術を採用する
    石油・ガス業界が、エコシステムを活用しながらデータ駆動型の意思決定を迅速かつ大規模に行う際に、最新のテクノロジーが企業の潜在的な能力を解き放つ鍵を握ります。特に重要なのは、分散型元帳/ブロックチェーン、人工知能(AI)、拡張現実(XR)、量子コンピューティングで、これらは総称して「DARQ技術」と呼ばれます。これらは個別技術としても強力ですが、組み合わせることでエネルギー業界全体の状況や仕組みを変えていくと考えられます。
    • DARQの技術を組み合わせることで、石油・ガス企業は時価総額を44%増加させることができます。
    • アップストリーム企業の経営幹部の42%、ダウンストリーム企業の経営幹部の30%が、短期的にビジネスに最大の影響を与えるのはAIだと予測しています。
  2. 将来を担う人材を育成する
    石油・ガス分野はエンジニアリング技術に大きく依存する成熟した業界であり、従業員の平均年齢が高い傾向があります。さらに、時代に即した採用を推進する採用担当者にとって、環境問題への配慮はますます重要なテーマになっています。将来の石油企業を改革するには、労働者の熟練度を高め、生産性を最適化するための新たなデータケイパビリティとデジタルケイパビリティが必要です。
  3. ステークホルダーと投資家の関心に対応する
    リターンとキャッシュフローの確実性を求める投資家の圧力は、新たなフロンティアを開拓するのではなく、既存の資産から生産を最大化することへの要請を高めます。一方で、石油企業にとって、天然ガスや電力、バイオ燃料、炭素回収プロジェクトを包括してポートフォリオを変更することは、温室効果ガスの排出量の削減と相殺(オフセット)に有用で、これらはマーケットで高く評価される傾向にあります。また循環型経済の効率性を高めることで、二酸化炭素排出量をさらに削減できます。

ハイパーレリバンスのための変革

同レポートでは、エネルギーの世界がますます相互につながり、非線形になる中で、石油企業がオペレーティングモデルを再構築し、今後、俊敏性やハイパーレリバンスを備えていくための施策について検討します。すなわち、企業のパーパスと結びついた戦略に従い、市場の変化に適切に対応し、消費者の期待の高まりに適応し、ステークホルダーの要求を満たし、新たな世代の優秀な才能を引き寄せることが求められます。前述を念頭に、次の3つの重要な要素を考慮する必要があります。

アセットのスペシャリストとして、スマートに競争する

リアルタイム・データに基づく予知・知見を活用してスマートに競争し、バリューチェーンの中で最も優位性を高めうる領域を最適化します。

エネルギー・ライフサイクルを通じて価値を最適化する

専業を続けるか、他のバリューチェーンに選択的に投資するか、新たにデータの相互利用を強化しバリューチェーン横断的な統合を目指すべきかを決定します。

消費者との結び付きとイノベーションを重視する

物理的なアセットだけでなく、デジタルなアセットにも投資し、迅速かつデータ主導型の適応力をもって、消費者体験を最適化します。

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燃料変革の次のステップ

すべての石油・ガス企業がユニークであるように、すべての変革の道のりもそれぞれの企業ごとにユニークです。石油業界の再構築には、石油企業が適切なタイミングでポートフォリオを刷新する必要があります。つまり、現在のポートフォリオの収益性と俊敏性を維持しながら、新規事業の成長も欠かせません。そのためには、次の要素のバランスを取ることが重要です。

  • 集中化と分散化
  • 定額制と従量制
  • 標準とカスタマイズ
  • 運営者と経営者
  • 人間の力と機械の力

開発(アップストリーム)、精製、トレーディング、リテールといった従来の事業セグメントから脱却し、エネルギー業界の変革への道筋を再考するため、アクセンチュアは新たな業界のアーキタイプ(原型)とビジネスモデルを開発しました。詳細は同レポートの本編で説明しています。

また、業界の事例を幅広く取り上げることで、デジタル技術を活用しながら、規律的なアプローチで石油企業が成長と価値の新たな源泉を解き放ち、可能性と現実のギャップを埋める変革を加速させる手法を明らかにしています。

新たなエネルギーの未来を加速させる

石油・ガス企業は、急速に変化する時代の中で、依然としていくつもの課題に直面しています。しかし、創造的破壊はリスクを増大させる一方で、成長を促す機会も創出し、投資家や消費者、従業員に対して環境に配慮した企業であるという評判を高めることもできます。関連する複雑な要因やそれがビジネスに及ぼす影響を深く理解することで、将来の状況がいかに変化した場合でも、新しいエネルギー業界で成功を収めることができます。

今こそ、新たな世界に向けて変革を推し進める時です。準備は整っていますか?

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アンドリュー・スマート

アクセンチュア エネルギー業界リード、シニア・マネジング・ディレクター


リチャード・ホルスマン

アクセンチュア 素材・エネルギー グローバルデジタルリード、マネジングディレクター


ジュリー・アダムス

アクセンチュア リサーチ エネルギー業界リード

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