責任あるAI:AI倫理とガバナンス

「責任あるAI(レスポンシブルAI)」とは、顧客や社会に対してAIの公平性・透明性を担保する方法論です。これに基づいてAIを設計・構築・展開することで、真に人間中心のAI活用を実現します。

AIのビジネス活用に責任を持つ

AIは、ビジネスにかつてない機会をもたらすと同時に、大きな責任をもたらします。AIシステムからの出力は、人々の生活に実際に影響を与えるため、AIの倫理、データガバナンス、信頼、および合法性に関する考慮すべき観点が存在します。企業がより多くの意思決定をAIの手に委ねるほど、風評被害、雇用・人事、データプライバシー、健康・安全問題などの重大なリスクにさらされることになります。しかし、アクセンチュアのグローバル調査によると、回答者の88%がAIによる意思決定に信頼を置いていません。

では、どうすればAIを信頼できるようになるのでしょうか。

責任あるAIとは、従業員や企業に力を与え、顧客や社会に公正な影響を与えるために、善意を持ってAIを設計、開発、展開することであり、企業が信頼を得て自信を持ってAIをビジネス活用できるようにすることです。

自身の組織のニーズに合ったガバナンス戦略を作成できるよう、責任あるAIの実践に役立つ知見をまとめています。確かな信頼のもとにAIをビジネス全体で活用・運用できるようご参照ください。

責任あるAIの実現のために担保すべきこと

責任あるAIの実現により、AIを活用したビジネス目標に対して、適切にガバナンスを効かせたうえで、AIと人間の両者の長所を生かしたビジネス上最適な仕組みを構築することができます。

意図しないバイアスの最小化

AIに責任を持たせ、アルゴリズムや学習データが可能な限り偏りなく代表的なものであることを保証します。

AIの透明性を確保する

従業員や顧客の信頼を築くために、様々なプロセスや機能を横断して透明性のある説明可能なAIを開発します。

従業員に機会を与える

ビジネスの中で個人がAIシステムに対する疑問や懸念を提起する権限を与え、イノベーションを阻害することなく、テクノロジーを効果的に管理します。

データプライバシーとセキュリティを守る

プライバシーとセキュリティを第一に考えたアプローチを活用し、個人情報や機密データが非倫理的に使用されることがないようにします。

顧客と市場に利益をもたらす

AIに倫理的な裏付けをもたせることで、リスクを軽減し、株主や従業員、社会全体に利益をもたらすシステムを構築することができます。

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信頼性の高いAIの実現

多様な観点でイノベーションに適したアプローチをとることで、最初からAIに責任ある設計をすることができます。

運用面:AIの高度化を可能にするガバナンスとシステムを設定します。

技術面:AIを実装したシステムやプラットフォームが信頼でき、説明可能な設計になっていることを確認します。

組織面:AIを活用した新しい業務プロセスを民主化し、人間とAIのコラボレーションを促進します。

風評面:責任あるAIの使命を明確にし、それが企業の価値観、倫理的な基準、説明責任のプロセスに支えられていることを確認します。

リスクを軽減するための協力体制

アクセンチュアは、責任あるAIを確立するための各領域で、お客様のビジネスニーズに合わせたワークショップを提供可能です。

運用ワークショップ

企業の特徴に応じて責任あるAIの原則を活用し、ガバナンス戦略を確立することで、AIを活用したビジネス目標の達成に必要なプランを提示します。

技術ワークショップ

信頼できて説明可能なAIモデル、システム、プラットフォームを構築・展開するために必要な技術要素を提示します。

組織ワークショップ

新しい役割と変化する役割を特定し、新しい働き方に対応するために、どこでスキルアップ、リスキル、または新たな従業員を雇用する必要があるかを確認します。

風評対応に関するワークショップ

自社が重視する企業価値に基づいて、ブランドや公共性を考慮したリスクの評価方法・ガイダンスを活用することで、責任あるビジネス(レスポンシブルビジネス)のミッションを明確にします。

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スケールアップする前に、
AIのバイアスを特定する

アルゴリズム・アセスメントは、AIシステムの潜在的なリスクや意図しない結果をビジネス全体で特定し、対処するための技術的な評価であり、AIの意思決定をめぐる信頼感を醸成し、サポート体制を構築するためのものです。

ユースケースにはまず優先順位がつけられ、最も高いリスクと影響のあるケースを評価し、改善することができます。

優先順位が定義されると、AI開発の進度に応じて、質的・量的の両面からアルゴリズム・アセスメントでの評価がおこなわれます。評価は4つの主要なステップで構成されています。

  1. エンドユーザーを考慮して、システムの公正な目的に沿った目標を設定する。
  2. 潜在的な結果の格差や様々なユーザーやグループにおける偏りの原因を測定し、発見する。
  3. 提案された修正戦略を用いて、意図しない結果を軽減する。
  4. AIシステムの進化に合わせて、将来的な格差や不平等にフラグを立て、解決するプロセスを備えたシステムを監視・管理する。

外部メディア掲載記事

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AI(人工知能)の活用が広まる一方で、AIが「悪さ」をする事例が問題となっている。なぜ、今、「AI倫理」が問われるのか。AIの暴走を防ぎ、トラブルが発生したときにも迅速に対応できる備えとしての「責任あるAI」について解説する。(2021年8月20日/東洋経済掲載)

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デジタル化は多様多量のデータの蓄積を促し、その活用のためのAIの導入も加速。「AIの信用と信頼をいかに担保するか」という課題が注目されている。「責任あるAI」を実現することは、積極的な企業価値向上のためにも重要だ。(2021年5月19日/ハーバード・ビジネス・レビュー掲載)

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