調査レポート

概要

概要

  • 日本を含む世界12カ国16の業界にわたる企業の経営幹部1,500人への調査を基にアクセンチュア作成したレポート「AI: Built to Scale(ビジネス全体でAIを活用する)」では、日本企業の経営幹部の77%が「人工知能(AI)をビジネス全体に積極的に導入しなければ2025年までに著しく業績が低下するリスクがある」と考えていることが明らかになりました。
  • しかしAI技術の「実用」に向けて確立された道のりはなく、多くの企業がAI技術の概念実証(PoC)段階から実用段階に進むことができず、AI機能を本格的に備えた組織の構築を実現している企業はわずか16%に留まっています。そして、この16%のトップ企業は、その他の企業と比べてAI投資から3倍近い投資対効果を得ていることも明らかになりました。
  • 組織がAIをビジネス全体に効果的に取り込むためには、少なくとも、明確なAI戦略、多様性を備えたチーム、AIに組み込むべき倫理的なフレームワークが必要です。
  • 本レポートでは、AI導入の成功要因を明らかにするために、「視点」「準備」「体制」「スコープ」といった要素について掘り下げて検討するとともに、AIを業務運用で本格稼働させて、価値を具現化するまでのAIロードマップについて詳しく紹介します。


企業は未だにAIをイノベーションの源泉として捉えており、ビジネス価値においても重要な源泉となることを完全に理解していないのが現状です。実証実験を終えた後の実用化までのAIのビジョンをイメージすることができていません。その理由として、まだビジネス全体でのAIの本格導入における実績に基づいた青写真(設計図)が存在しないために、企業が次の2つのトラップに陥っている可能性が考えられます。1つ目は、AI導入プロジェクトを概念実証(PoC)から実用へと効果的かつ適切に段階を踏んで推進するための「実用化ルート」であるAIロードマップを企業が有していないということです。従来のソフトウェア導入プロジェクトとは異なり、AIの本格導入には、俊敏性、新しい働き方への柔軟性、そして、アイデアを具現化すべきか破棄すべきかを判断する能力が必要になります。

1.5倍

日本の戦略的スケーラー(AIの本格導入に成功している企業)は非戦略的スケーラーに比べ、およそ1.5倍ものAI投資利益を達成しています。

2つ目は、まったく新しい技術であるAIの導入においても従来のシステム構築手法を採用し、自社用のAI機能をゼロから開発するという選択をしていることです。これはもちろん大きな間違いです。すでに実績があり、短納期かつ低コストで利用できるAIエンジンは多数存在しています。ビジネス全体にわたる本格導入を成功させるための最初のスモールステップとして、既製のAI機能を自社の用途に応じてカスタマイズして素早く部分活用し、AIの真価をいち早く実証することが最も重要です。

もちろん、テクノロジーばかりにとらわれていてはいけません。AIを活用する方法も他の施策と同様に、ビジネスのビジョンと戦略に基づいて決定されるべきです。AIの本格導入を成功に導くためには、データサイエンティストだけではなく専門スキルを持つ多様な人材が協働できる適切な方法を見つけることにも注力する必要があります。常に求める成果をイメージし、プロジェクトの初期段階から、適切なガバナンスアプローチを採用しましょう。これらの重要な成功要因に取り組み、AIをビジネス全体に最適に組み込むことで、AIによる新しい爆発的な価値を引き出せるようになります。

概念実証(PoC)段階の企業とAIの本格導入に成功している企業とのAI投資収益率(ROI)の差は平均1.1億USドルに相当します。

アシーナ・カニョーラ

アプライド・インテリジェンス最高アナリティクス責任者 兼 グローバル・リード 博士​


保科 学世

ビジネス コンサルティング本部
AIグループ日本統括 マネジング・ディレクター 博士(理学)

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