ユーティリティ業界におけるデジタル顧客体験(カスタマーエクスペリエンス:CX)は、他業界と比べてどのように評価されているのでしょうか? 「J.D. Power 2019 Utility Digital Experience Study」では、「依然として後れを取っている状況」と評価されています。

2019年2月にリリースされた本レポートによると、ユーティリティ企業は前年に比べて全体的な満足度は改善しているものの、デジタル顧客体験(CX)については他業界に大きく後れを取っており、ユーティリティ企業はデジタルオファリングの拡大と向上にさらに注力すべき、と報告されています。
このレポートは十分に価値のある資料です。しかし、本レポートがエネルギープロバイダーの取り組む急速な進化を必ずしも捉えているとは限らないことを、アクセンチュアは示唆しています。アクセンチュアは世界中の多くのエネルギープロバイダーがテクノロジーの業界トレンドを飛躍的に進化させている姿を見ており、消費者により良いサービスを提供するための幅広い革新的なデジタルソリューションを探求し、実際に導入していることを確認しています。
英国、欧州、オーストラリアのように競争の激しい市場では、エネルギープロバイダーはすでに大規模なイノベーションを推進しています。一方、規制市場である北米では、デジタル化により消費者を魅了する新たなアプローチを模索し試用段階にまであります。
その素晴らしい事例の一つがEnel X社の「Energy as a Service(EaaS)」で、ますます複雑化するエネルギーシステムの運用モデルの構築と推進を支援するために設計された企業向けのデジタル化ソリューションです。EaaSを利用することで、エネルギー管理に関する専門技術の訓練や社内専門家を保持する業務を軽減できます。エネルギー資産と契約の動的な管理をEnel X社に任せることにより、企業はコアビジネスに注力できるようになります。
こうしたオファリングはエネルギーリスクとコストの削減に役立つだけでなく、企業が新たなソリューションとテクノロジーを融合しさらなる収益源を生み出すために役立ちます。
Enel X社のEaaSは、ユーティリティ企業がデジタルを活用してデジタル顧客体験(CX)を革新的な極みへと高め、エネルギー消費者がエネルギーを購入して管理する方法の新たな枠組みを積極的に推進するものです。

北米におけるデジタルCXイノベーションに関するもう一つの事例にPuget Sound Energy(PSE)社のケースがあります。PSE社は新たなコネクテッドCXを積極的に構築しています。一体どのような方法で実現しているのでしょうか? PSE社では、既存サービスを強化するデジタルチャネルを作成して新サービスを導入することで、消費者ニーズをより効果的に予測して期待に応える革新的なソリューションを提供しています。

PSE社が最近発表したビジュアルIVR(V-IVR)サービスはモバイル端末でガイド付きCXを提供するソリューションで、顧客はより簡単で素早いセルフサービスを利用できます。このサービスによってPSE社は顧客の囲い込みに成功し、高い顧客満足度を実現しています。モバイルにまで拡大されたV-IVRのエクスペリエンスを通して、PSE社は顧客とより多くのコミュニケーションを迅速に取ることができるようになりました。このデジタルイノベーションでは、顧客が利用するチャネルを自由に選択できるため、通話料の削減にも貢献しています。

Subscription Center
最新コラム・調査をニュースレターで 最新コラム・調査をニュースレターで