課題―求める変化

東京電力エナジーパートナー株式会社は、関東を中心に全国規模でお客さまを抱えている日本最大の電気・ガス小売事業者です。電力・ガス業界は、2016年の電力小売全面自由化、2017年のガス小売全面自由化に伴い、一般家庭でも電力・ガスの供給契約を自由に選べるようになりました。市場が活性化する中、継続してご契約いただくためには、これまで以上にお客さま接点サービスが重要となります。

一方で、自由化に伴う事業環境の変化やサービスの多様化などによって、主なお客さまとの接点であるカスタマーセンターの業務運営も複雑化しました。それによって発生した、電話がつながりにくい状況や運営コストの増加は、抜本的な業務改革が必要な課題でした。

取り組み―技術と人間の創意工夫

ヒトとAIの協働

本プロジェクトで目指したのは、ヒトとAIが協働でサービスを提供するAIコンタクトセンターです。

定型的な会話に対応できるAIを活用したボイスボット(自動音声対話)の導入により、オペレーターはヒトならではのきめ細やかな会話が必要となる詳細手続きに注力することができます。それにより、電話受付1件あたりのオペレーター対応時間が短くなるため、顧客の待ち時間削減も見込めます。

AI POWERED コンタクトセンターの活用

ボイスボットの実装には、アクセンチュアのソリューションであるAI POWERED コンタクトセンターを採用しました。それにより、オペレーターへのスムーズな連携を実現しています。実装環境においてもAI HUBプラットフォームを活用することで、複数のAIエンジンから最適な組み合わせを選定し、迅速にボイスボットの構築・育成を行えるようになっています。

デジタルオペレーションの実現

ボイスボットの動作状況、コールセンターの稼働状況を監視するモニタリングツールを構築し、AIコンタクトセンターの運用に必要となるKPI数値の可視化を実現しました。可視化した数値はコールセンター拠点に常時画面投影させており、管理者やSVが入電状況、オペレーターの稼働状況を確認することで、カスタマーセンター業務を滞りなく運営することができます。

成果―創出された価値

成果

2021年2月、顧客からの引越しに伴う電気・ガスの使用開始や停止の電話受付において、AIコンタクトセンターの導入を開始しました。AIがお客さまの契約名義や住所を聞いて本人確認に関する作業を一部省略するため、オペレーターは詳細手続きに関わる会話のみを実施することになります。

AIコンタクトセンターの導入

*1:自動音声ガイダンスでご案内した用件別の数字をご選択していただきます。 *2:お問い合わせ回線の状況に応じて、AIにつながる場合と、オペレーターにつながる場合があります。 *3:AIとの会話内容がテキスト化され、オペレーターはその内容を確認して、詳細手続きについて応対します。

これにより、電話受付1件あたり約3割のオペレーター応答時間削減につながります。

現場目線とアジャイル型開発で価値を実現

アクセンチュアと東京電力エナジーパートナー株式会社のプロジェクトメンバーは、現場の声を大切にしながらアジャイル型のアプローチで開発を推進しました。

クライアントの声:

「弊社で構築したオペレーション環境をベースに、柔軟かつスピーディにAIによるボイスボットの導入を実現できました。実際の業務の視点も取り入れながら、開発と修正を高サイクルで調整するアジャイル型で進められたことも実現の大きなポイントと感じています」

「アクセンチュアには、現場の生の声を大切にしていただきました。AIから受付者へのバトンパスがスムーズになり、受付者からも検索が早くできるようになった、聞き取りづらい住所や名前もAIがサポートしてくれることでお客さまに聞き直すことも少なくなり助かっている、など喜びの声が上がっています。お客さまにとっても、オペレーターが直接電話で聞き取りを行う工程の一部を省略でき、AIと人のコラボレーションの実現で、更なる可能性が広がったと実感しております」

(写真:上段 左から)

  • 村井 崇広(アクセンチュア株式会社 インタラクティブ本部)
  • 西森 千紗(アクセンチュア株式会社 ビジネス コンサルティング本部 コンサルティンググループ)
  • 小川 あゆみ 氏(東京電力エナジーパートナー株式会社 オペレーション本部サービスソリューション事業部 千葉カスタマーセンター総括グループ)
  • 河村 達也 氏(東京電力エナジーパートナー株式会社 オペレーション本部サービスソリューション事業部 東京カスタマーセンター総括グループ)
  • 矢島 沙弥佳 氏(東京電力エナジーパートナー株式会社 オペレーション本部サービスソリューション事業部 オペレーション企画グループ)
  • 川名 一平(アクセンチュア株式会社 ビジネス コンサルティング本部 AIグループ)
  • 飯澤 拓(アクセンチュア株式会社 ビジネス コンサルティング本部 AIグループ)

(写真:下段 左から)

  • 飯塚 孝高 氏(東京電力エナジーパートナー株式会社 DX推進室)
  • 今野 拓也 氏(東京電力エナジーパートナー株式会社 DX推進室)
  • 継 亜矢子 氏(東京電力エナジーパートナー株式会社 DX推進室)

※2021年5月現在​

今後の展望

今回AIで実現した自動応答は、既存カスタマーセンター業務の一部にすぎません。今後は導入済AIの精度を向上させながら、AIでカバーする業務範囲を拡大していくことで、東京電力エナジーパートナー株式会社の更なる改革を支援していきます。

ヒトとAIの協働で

3割削減

応答時間

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