事業そのもののデジタルシフトと働き方改革というかねてよりの潮流にコロナ禍も加わり、労働生産性の向上が待ったなしとなり、その確実な実現手段としてBPOに対する問い合わせが近年急増しています。

日本企業にとってBPRが難しい4つの理由

BPOが注目されるその背景には、日本企業独特の文化に起因するBPRの難しさがあります。BPRを困難にさせる理由は次の4点に整理できます。

  1. 変えることへの抵抗感(慣性の法則)
  2. イレギュラー業務の多さ
  3. BPR効果の消失(パーキンソンの法則)
  4. コスト先行性・効果不確実性
BPRを困難にさせる4つの理由

4つの理由を1つずつ見ていきましょう。

  1. 変えることへの抵抗感(慣性の法則)
    多くの業務は自部署だけで完結するわけではなく、後続の業務を担当する部署へと受け渡していくことで成立します。業務変革の実行においては現状の業務プロセスの変更が伴うため、自部署の業務の効率化による「改善の期待」よりも、後続部署に迷惑を掛けてしまうのではないかという「改悪への恐れ」が日本企業では大きくなりがちです。結果として「現状を維持しよう(今まで通りのやり方できっちり仕事をしていこう)」という考えに落ち着いてしまうことが多々あります。これはいわば現状維持の慣性の法則が働いている状態です。

    この現象は、日本企業の伝統的な良い面である「勝手な判断で変えない」「維持と継続を大切にする」という文化の裏返しでもあります。変えたくないという消極性というよりも、変わることへの恐れというマインドに基づく抵抗感であるともいえるでしょう。この法則は、改革を現場に委ねるだけでは打破できません。
  2. イレギュラー業務の多さ
    例えば経理部門の経費処理業務を例に取れば、当然締め日や証票には規定があるのですが、実際に業務の棚卸をすると、部署や個人別に様々なイレギュラールール・業務が出てきます。

    なぜそうなったのかの経緯を尋ねると、過去の一時点で「今回だけお願いします」と頼まれた際に、四角四面に断らずに融通を利かせて対応した結果、それが「今回もお願いします」になり、いつしか常態化しているのです。これも、「要望に対して柔軟・臨機応変に対応する」日本企業の良さの裏側で起こっている問題なのが厄介な点です。
  3. BPR効果の消失(パーキンソンの法則)
    RPAなどのテクノロジーを活用したり、業務プロセスのリーン化などを実施したりすることで、それまで1日100%の時間をかけていた業務が80%で完了できるようになった場合、BPR効果は20%と一般的には見做されます。

    ではこの「浮いた20%の時間」はどこへ消えてしまうのでしょうか。これこそがBPRの持つ最大の罠なのです。

    リアリティとしてこの20%はどうなるかというと消えてなくなります。悪く言えば休憩に行ってしまうし、よく言えば残された仕事を丁寧にやる。20世紀イギリスの歴史政治学者シリル・N・パーキンソンの提唱した「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」、いわゆる「パーキンソンの法則」に従い、削減された効率化効果をそのまま現場の個々の担当者に置いたままにしておけば、蜃気楼のように消失します。「RPA導入により年50万時間削減」のような話をよく聞きますが、その削減された時間が本当に効果として刈り取れているのかが極めて重要なポイントです。
BPRを行う際に業務効率化だけに焦点が当たりがちだが、効率化が実現されたとしても創出余力の保全措置を取らなければ効果は消失する。
  1. コスト先行性・効果不確実性
    これまでお話してきた現場レベルの難しさに加えて、BPRは経営判断の難しさも存在します。BPR活動を行う場合、RPA投資であれ、システム投資であれ、プロセス見直しのための人員投下であれ、まず先行してコストが発生します。そしてそのコストが回収できるほどのBPR効果が創出できるかどうかはやってみなければ分かりません。コストは確実に先行発生するが、効果が出るかは不確実である、という問題は、自社でBPRを進める場合に不可避であり、大きな投資を伴う踏み込んだBPRの実施判断を困難にさせています。
業務効率化を阻む難しさ ~コスト先行性・不確実性~

BPRを成功させるための4つのステップとBPO活用の有効性

BPRの目的がコスト削減にせよ、事業成長のための人的リソース創出にせよ、BPRによりヘッドカウント(HC)を浮かせて人員再配置を行わなければPL効果に結実する成果は実現されません。より具体的にいうとBPRは、(1)業務の効率化を実現した上で、(2)創出された余力を可視化し、(3)HC単位で浮かせて、(4)人員再配置を行う、4ステップを踏む必要があります。

BPRをPL効果に結実させるための4ステップ

前述のBPRを困難にする4つの理由に阻まれてスタックしてしまうステップ1、2を、確実に実現するための強力なソリューションがアクセンチュアBPOです。

アクセンチュアBPOは単なる「業務のアウトソーシング」ではなく、業務受託後にお客様企業に代わってDigital BPRも駆使した業務効率化を実現する「業務効率化のアウトソーシング」である点が大きな特徴となっています。加えてその業務効率化効果を契約締結時点でコミットしてBPO費用をプライシングするため、お客様企業はBPRの「コスト先行性・効果不確実性」問題を解消しDay1から効果を享受することができます。

BPOによるコミット型での業務効率化実現

またアクセンチュアBPOは、各部署・各従業員の業務全体像を可視化した上で、BPO対象業務に現在どれだけの工数をかけているか実態を把握しながら、BPOにより各部署の業務工数がいつどれだけ浮くのか、即ちステップ2の「創出余力の確定」も明確に行うことができます。

アクセンチュアBPOが業務効率化(ステップ1、2)を確実・明確に実施し、お客様企業の各部署及び人事部門は人員再配置(ステップ3、4)に注力する。この分業モデルでBPRを実現してゆくアプローチが極めて有効と考えています。

アクセンチュアBPOの特徴

前述の「業務効率化効果へのコミット」に加えて、アクセンチュアBPOは2つの特徴があります。

グローバルの知見を総動員した効率化・高度化の推進

世界で約1,000社に対して十数万人分の業務のBPOサービスを提供するアクセンチュアは、その業務受託の実践の中で培われた業務効率化/高度化のためのノウハウ・アセットとDXエキスパートを豊富に保有しています。

新たなお客様企業から受託する業務の多くは、過去に受託した業務の中に類似した業務があり、その業務にどのようなBPRDXのメスを入れると有効なのかを熟知しているため、アクセンチュアBPOにおいてはより早く、より大きな効果の創出が可能となります。

受託業務の間口の広さ

あらゆる部署のあらゆる業務は、その性質から「成果追求業務」と「効率追求業務」の2つに分類できます。成果追及業務とは一定のリソースで最大の成果を実現することをミッションとする業務です。効率追求業務とは一定のアウトプットを最小のリソースで実現することをミッションとする業務で、一般的な定型業務を指しています。

通常のBPO事業者が受託するBPOの対象は、人事・総務・経理といったバックオフィス部門における効率追求業務(定型業務)ですが、アクセンチュアBPOでは業務領域の点でもバック・フロントを問わず、業務分類の点でも成果追及業務・効率追求業務を問わずにBPO受託の対象としています。世界最大の総合コンサルティング会社として豊富にビジネスコンサルタントを擁しているため、各企業の各部署の業務をビジネス目的レベルから正確に丁寧に把握でき、効率化/高度化したあるべきプロセスをデザインできるからこそ実現可能な受託業務の間口の広さです。これによりお客様企業の個々の経営課題・変革ニーズに合わせてカスタムメードしたBPOソリューションの提供が可能となっています。

業務領域と業務分類

なお、アクセンチュアでご提供している業務領域別のBPOケイパビリティは以下の通りです。

  1. 経理・会計・経営管理
  2. タレントマネジメント&人事
  3. 調達
  4. サプライチェーン
  5. マーケティング
  6. カスタマーサービス&セールス
  7. ライフサイエンス
  8. バンキング
  9. 保険

「ノンコア業務のコア化」による飛躍的な生産性向上

BPOの本質的な意味は「ノンコアのコア化」による生産性の飛躍的向上だと捉えています。「あなたのやっている業務はノンコアです」と言われてモチベーションが上がる人はいないと思います。生産性向上の源泉は、煎じ詰めるとその業務に従事する人材のモチベーションです。

アクセンチュアBPOは、社内でノンコアとされてきた業務を徹底的に効率化し、高度化させながら進化させる組織でもあります。BPOにノンコア業務を託したお客様企業の従業員はコア業務に注力する。ノンコア業務を託されたBPOはそれらをコア業務として向き合う。結果、お客様企業のすべての業務はコア業務として取り組まれ、高いモチベーションのなかで飛躍的生産性向上を実現してゆく。これがBPOの持つ本質的な意味だと考えています。

コロナ禍がもたらす変化にどう対応するかという視点とともに、コロナ禍がもたらす変化をどう利用するかという視点も非常に重要です。いつかやらなければならなかった構造改革を一気に進める契機とも言える今、ぜひBPOを活用したトランスフォーメーションを検討いただき、企業価値向上を実現していただければと考えています。

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