調査レポート

概略

概略

  • 新世代の顧客は、これまでとは大きく異なる購入行動をとるようになっています。そのため、自動車販売に対する期待のレベルも従来とは変わってきています。
  • AmazonやNetflixといったデジタル大手のサービスに慣れ親しんでいる現代の顧客は、価格設定に対する透明性やオンラインでも購入できる自由な選択肢を求めています。
  • 新たなプレーヤーは顧客の購入行動や変化する期待に巧みに応えることで、まったく新しい販売戦略を策定しています。


自動車市場は今、コンパクトカーからSUVまで、かつてないほど多種多様な自動車を提供しています。動力についても、ディーゼルエンジンをはじめ、ガソリンエンジン、天然ガスエンジン、電気、ハイブリッドなどさまざまです。さらに何種類もの車体の色やタイヤ、内装デザインから自由な組み合わせを選ぶことができるため、コンフィギュレーションはまさに無限と言えます。.

こうした多様性はハードウェアに限った話ではありません。メーカーは今、コネクティビティサービスやアプリといったソフト面にも多額の投資を行っています。つまり、消費者は自分だけのオリジナルの自動車を設計することができるのです。

ここまででご紹介したカスタマイゼーションの高度化や新たなコネクテッドテクノロジーの進化にもかかわらず、世界の自動車販売台数は減少傾向にあります。世界最大の自動車市場である中国ですら、2018年には販売台数は前年を下回りました。

何が変わったのか?

現代の顧客の多くは、他の業界のさまざまな体験や革新的な技術に触発された結果、次世代の新しい自動車販売ジャーニーを求めるようになっています。特に若い顧客層では、現在の販売方法に不満を覚える人が増えています。



顧客のタイプによって異なるニーズ

自動車の買い手は、4つの基準(年齢、居住地、年収、車種)をベースに3つのタイプ(チェンジャー、ブーマー、トラディショナリスト)に分類することができます。現在の主な買い手はブーマー(30~50歳の顧客)と、トラディショナリスト(51歳以上の顧客)です。しかし、未来の顧客は30歳未満で、従来の買い手とは異なるニーズを抱いています。アクセンチュアでは、この層をチェンジャーと呼んでいます。

チェンジャーは、自動車に対する考え方が他の顧客グループとは著しく異なります。

自動車購入に対する不満

顧客は製品そのものにはおおむね満足していますが、チェンジャーの5人に1人は現在の販売方法に大きな不満を抱いています。ドイツ、英国、フランスの自動車の買い手を対象に私たちが行った調査では、価格交渉の必要性、オンラインで購入できないこと、決済方法の複雑さ、納車の遅さが、不満の大きな要因として挙げられました。自動車の買い手のニーズは以下の通りです。

47%

次の自動車はオンラインで買いたい

69%

自宅への納車サービスに関心がある

73%

定価で購入したい

77%

VR(仮想現実)技術に関心がある

9%

コンフィギュレーションのオプションが多過ぎる

自動車業界に対するチェンジャーの期待は、すでに彼らが他業界で享受しているメリットとほぼ一致しています。サブスクリプションモデルが一般化され、フィンテック系のスタートアップが製品やサービスのオンライン決済に変化をもたらしたことを受けて、従来の自動車の購入/決済方法は時代遅れに見えるようです。

オンラインvsオフライン

私たちの調査では、チェンジャーとトラディショナリストでは自動車購入に対する考えに大きな違いがあることが分かりました。

チェンジャーはデジタルメディアを多用し、ディーラーをめったに訪問しません。一方、トラディショナリストは依然としてディーラーを訪問し、セールスマンと対面でコミュニケーションするなど、個人的な体験を好む傾向があります。調査では、チェンジャーの半数以上が購入の意思決定を下す前に価格をオンライン上で比較するのに対し、トラディショナリストでオンラインツールを利用する割合は25%にとどまりました。

メーカーは、これらの事実から何を読み取るべきなのでしょうか?それは、かなり多くの顧客がディーラーを訪れたり、セールスマンと交渉したりするよりもだいぶ前から、どの自動車をどこで買うかをすでに決めているということです。

新しい世代の顧客は、まったく新しい販売プロセスを自動車メーカーに期待しています。彼らが製品の購入に至る意思決定は、その多くが情報に基づいています。

結局のところ、新車の購入を決断するのは顧客です。現在、オンラインでオファーの内容や車種について自ら調べる顧客は増えてはいますが、実際の購入はオフラインで行う状況は依然として変わっていません。ただし、若い顧客が増えてきたこと、顧客の行動が変化していることを背景に、この購入プロセスも変わりつつあります。自動車メーカーは従来の販売戦略を見直し、未来の顧客のニーズに応えることによって、市場シェアを維持していかなければなりません。

その方法を、貴社はご存じでしょうか?

Axel Schmidt

Senior Managing Director, Lead – Global Automotive


​Johannes Trenka

Managing Director – Accenture Strategy, Customer Insights & Growth Strategy

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