EV革命の到来

  • モビリティ業界は長年にわたり、サステナビリティの向上という世界的なニーズに応えるべく、さまざまな取り組みを進めてきました。その答えの1つが、EV(電気自動車)です。
  • EV生産の拡大に向けた動きは、自動車業界に思いもよらない変化をもたらしつつあります。
  • この変化に対するメーカーのアプローチは、業界に数十年ぶりの革命をもたらす可能性を秘めています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行の最中にあってもEVの売上は成長を続けており、街を走るEVの台数は2021年中に約1,000万台に上る見通しです1。また、コロナ禍にもかかわらず、EVの販売台数が自動車市場全体に占める割合は2020年に記録的な数字に達する見込みです2

自動車メーカーは、自動車業界と消費者市場の劇的な変化への対応という、かつてない大きなプレッシャーにさらされています。

  • サステナビリティに対するニーズは成熟と拡大を続けており、とりわけ若い世代やモビリティの分野でその傾向が顕著です。
  • 都市部に住み、マルチモーダルな都市交通の利用頻度が高い新たな消費者層は、デジタルチャネルを通じてテクノロジーの進化に関する最新情報を積極的に収集しています。
  • サーキュラーエコノミー(循環型経済)を背景に、自動車業界はライフサイクル全体で環境に優しい製品生産へのシフトを迫られています。ここでは、再生可能エネルギーを利用した「グリーンプロダクション」や、バッテリーの適切な廃棄、化学物質のリサイクルの実現などが求められます。
  • テクノロジーは急速な進化を遂げており、「CASE(Connectivity/コネクティビティ、Autonomous/自動化、Sharing/シェアリング、Electrification/電動化)」と総称される技術革新が乗用車市場を一新しつつあります。

EVは、こうした「E革命」を後押しする一方で、製品としての洗練性もますます高まりつつあります。たとえば米テスラ(Tesla Inc.)は、ワイヤレスアップデートが可能なEVの販売というコンセプトを打ち出し、スマートフォンに新しいソフトウェアをダウンロードするのと同じ方法で、自動車にもアップデートや新機能をダウンロードできることを証明してみせました。現在では、他の既存自動車メーカーもテスラに追随しています。

未来のモデルとしてのEV

2025年までにすべての新車はコネクティビティを備え、さらに2030年までには全車両に占めるEVの割合は30%になる。

カーシェアリングの電動化

ヨーロッパではカーシェアリングプロバイダーの45%が、完全にEV化している3

二酸化炭素の排出削減

厳格なCO2排出削減目標を背景に、ヨーロッパの各国政府と自動車業界各社はEVとバッテリーに総額600億ユーロを投じている。

収益減のリスク

2040年までには、バッテリー駆動のEVの普及によって自動車メーカーの整備事業に変化が現れ、アフターサービスの収益が現在の10~15%減となる。

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新たなエッセンシャルエコシステムの誕生

E革命は、公益事業者や充電インフラ開発会社、新たなモビリティサービスプロバイダー、バッテリーメーカーといった多くの重要な分野を巻き込み、常に成長し続ける新たなエコシステムを形成します。自動車メーカーはこうした新たなプレーヤーと協働してエコシステムを運営し、車体と各種サービス、新たな充電体験を組み合わせた、一貫性のあるオファーを提供しなければなりません。

たとえば独ダイムラー(Daimler)は、第三世代のEV向けのバッテリーストレージプラント、「ライブ・リプレースメント・パーツスストア」を構築しました。これはエネルギー市場への調整力電源の供給を目的としたプラントで、モジュラーデザインにより、調整力電源を使って継続的かつ自動的に電力需給を安定化することが可能です。このようなソリューションを開発することで、自動車メーカーはバッテリーを収益源へと変えながら、公益事業者や送配電事業者との支援/協働体制を実現できます。

サステナビリティ革命はすでに進行しつつあります。「EVは世界の自動車市場の主流になり得るのか」という当初の疑問はすでに払拭されました。ただ1つ答えが出ていない疑問は、「この革命において、自動車メーカーが果たすべき役割は何か」です。既存のメーカーが今後も業界をリードしようとするなら、今こそ戦略の強化に取り組まなければなりません。

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1 2020年のEV(電気自動車)売上、世界市場への新型コロナの影響を打破

2 コロナ禍に直面する自動車業界において、EV(電気自動車)が明るい材料に

3 ヨーロッパのトレンド:拡大するカーシェアリングの電動化

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