調査レポート

概略

概略

  • メディア企業はメディアテック企業への変革の時を迎えています。そこで重要な役割を担うのがクラウドです。
  • クラウドテクノロジーを利用すれば、拡張性、スピード、信頼性、コスト効率に優れた、連携・統合されたワークフローを作成することができます。
  • また、既存のアセットを最大限に活用して、重要なワークフローを統一したり、コンテンツ制作チームのリモートクリエイティブをサポートしたりすることができます。
  • このレポートでは、メディア企業がクラウドへの移行を推進する際の重要なステップと事業の成長機会について検討します。


長年にわたり、テクノロジーを駆使した企業が新たに業界に参入し、革新的な新しいビジネスモデルや消費者に受け入れられる、魅了するコンテンツを展開する様子について、従来のメディア企業は目の当たりにしてきました。さらに、このような新規参入企業は、広告マネーを呼び込み、メディア企業の主な収益源を取り込んでしまいました。現在、多くのメディア企業は、生きるか死ぬかの岐路に立たされています。

解決策はどこにあるのでしょうか?

メディア業界は、コンテンツを第一に考えた事業から、テクノロジーを土台とした事業への変革の時を迎えています。

これは、メディア企業から「メディアテック」企業への生まれ変わりであり、今そしてこれから成功をつかみたいメディア企業が目指すべき未来の姿です。

メディアテックへ移行する上で重要な役割を担うのがクラウドです。クラウドは、メディアテック企業が低レバレッジのコスト構造でイノベーションを起こし、拡大するために役立ちます。メディアテック企業は、クラウドとクラウドネイティブテクノロジーを活用することで、拡大と縮小の両方に対応できる新たなレベルの幾何学的な拡張性と、利用に応じて料金が発生する柔軟で管理しやすいコストモデルを実現することができます。

この時代にクラウドがもたらす価値

他のすべての業界と同様に、コロナ危機はメディア業界にも大きな影響を与え、メディア企業のサプライチェーンと事業運営に課題をもたらしましたが、これは同時に大きなチャンスでもあります。例えば、外出制限期間中、メディア消費が急増しましたが、一方でメディア企業はプロダクション業務やポストプロダクション業務を一時的に停止しなければなりませんでした。その結果、新しいプログラムの供給が著しく減少しました。さらに、新型コロナウイルスの流行はたくさんの業界に大きな影響を与えてドミノ効果を生み出しており、プレミアム広告の販売を危機に陥れ、メディア企業の収益の土台に打撃を与えました。

新型コロナウイルスに起因する一部の課題によって、クラウドとクラウドネイティブテクノロジーに適応する必要性がさらに高まり、メディア業界に広がるトレンドの数も増加しました。それと同時に、クラウドを活用して以下のことを実現しなければならないという危機感も高まりました。

リモートでの制作業務

コロナ危機が始まる前からリモート制作機能に投資していたメディア企業は、完全なリモートワークに簡単に移行し、制作活動を継続することができました。このような機能は、今後も制作とブロードキャスト業務のリモートワークを実現するために重要です。

バーチャルでの制作と配信

この数年で、メディア業界では、簡易的な制作セットを使用した従来とは異なる収録コンテンツやライブストリーミングコンテンツが登場し、ソーシャルメディアやD2Cなどの配信チャネルが拡大しました。

分散型チームのコラボレーション

仕事がますます分散化していることに伴い、メディア企業はバーチャルでのコミュニケーションの促進とリモートチームが参加する創作活動のワークフローの合理化を迫られています。そうすることで、その場でフィードバックを受け、新しいアイディアをすぐに試作に移すことができ、生産性も高まります。

エコシステムの活用

デジタルテクノロジーを活用した変更可能で柔軟なエコシステムは、消費者の需要に寄り添い、コンテンツの制作、調達、配信業務にイノベーションを起こすために役立ちます。メディア企業は、その中で新しい役割を担い、価値を発揮しています。さらに、「オープンAPIエコノミー」を実現することで、メディア企業は新たに大きな収益化の機会を生み出すことができます。

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クラウド中心

クラウドを中心に据えることで、メディア企業は事業体制を改革し、迅速で継続的な改善と「規模の適正化」を追求できます。またテクノロジーに関する意思決定を行い、企業文化を豊かにすることも可能です。さらに、メディア企業はコンテンツの供給と制作活動をリモートワークで管理する必要に迫られていますが、これにも対応できます。クラウドベースのワークフローでは、最先端のコラボレーション環境をプロジェクトに適したコストで利用でき、クリエイティブで高品質なコスト効率の良いコンテンツ制作が可能になります。

メディア業界全体のコンテンツサプライチェーンを総合的に一つのまとまりとして見ることで、メディア企業はクラウドベースのワークフローをますます活用できるようになります。これにより、拡張性、スピード、信頼性、コストの透明性がもたらされ、制作チームや配信チームがシームレスで高度なコラボレーション体験を提供できます。

現在は競争の舞台はコンテンツですが、クラウドは現代の競争力のあるメディア・テクノロジー企業の未来であり、コンテンツの獲得、コンテンツの発見、パーソナライゼーションを劇的に向上させることができるAIコンテンツのディープタギングなどのネイティブクラウド技術を活用することができるのです。メディア企業は、クラウドをいち早く取り入れることで、創造的破壊(ディスラプター)企業に追いつき、さらには自らも創造的破壊を起こすために必要な能力をスピーディーに取り込むことができるのです。

著者について

福島 太一

ビジネス コンサルティング本部
コンサルティンググループ
マネジング・ディレクター​


坂梨 邦弘

ビジネス コンサルティング本部 テクノロジーストラテジー&アドバイザリーグループ テクノロジーアドバイザリー プラクティス マネジング・ディレクター


Mathangi Sandilya

Managing Director – Communications and Media


Mark Peters

Managing Director – Strategy and Consulting, Media Practice


Srikanth G. Rao

Director – Technology, Media Industry, Advanced Technology Center – India

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