調査レポート

概略

概略

  • 通信事業者(CSP)にとって、Telco(電気通信事業者)からTechco(テクノロジードリブンな通信事業者)への変革が急務の課題となっています。
  • 通信事業者は今後、従来のようなネットワーク接続サービスの枠を超えて、エコシステムの一員としてプラットフォームをベースとした製品やサービスを提供していく必要があります。
  • 通信事業者は、強固なパートナーシップの中で業界の標準規格を活用しながら、オープンかつ次世代のソフトウェアベースのアーキテクチャに移行しなければいけません。
  • アクセンチュアは通信業界の国際標準化団体であるTMフォーラム(TM Forum)と共同で調査を実施し、通信事業者の持続的な成長において相互運用性と標準化がいかに重要であるか、またそこからどのようなインパクトが生み出されるかを明らかにしました。


デジタル化は、個人、組織、業界、政府といったあらゆるレベルにおいて、とどまることのない大きな進展を見せています。この最大の推進力となっているのが、オンラインチャネルへのシフトをはじめとする消費者行動の不可逆的な変化です。これにより、電気通信業界とあらゆる規模の通信事業者は、デジタル化に向けた事業計画をさらに加速させる必要に迫られています。また、その先には経済と社会そのもののデジタル化という、より大きな転換が待ち受けています。通信事業者は今すぐ行動を起こし、新たに生み出される価値を手にしなければなりません。



通信事業者にとって、Telco(電気通信事業者)からTechco(テクノロジードリブンな通信事業者)への変革が急務の課題となっています。通信事業者は今後、従来のようなネットワーク接続サービスの枠を超えて、エコシステムの一員としてプラットフォームをベースとした製品やサービスを顧客(B2CおよびB2B2X)に提供していく必要があります。

Techcoは、産業用5GやB2B2X関連の機会を的確に捉え、オープンスタンダードや共通のインターフェースを活用することで、7,000億ドル以上の新たな収益を創出することができます。

RELATED: Finding new paths to growth in the disrupted communications landscape.

テクノロジードリブンな変革:変化を加速する推進力

通信事業者は、今すぐオープンかつ次世代のソフトウェアベースのアーキテクチャに移行しなければなりません。この新たなITアーキテクチャは、モジュール方式によって再利用が可能で、クラウドネイティブかつAIにも対応し、さらに標準化されたコンポーネントで構成されていることが重要な要件となります。このようなITアーキテクチャがなければ、通信事業者は新たな「Concept to Cash(コンセプトからキャッシュを生む)」のサイクルを実践できないだけでなく、パートナーとの連携を通じたイノベーションの実現や、市場が求める柔軟性を備えたコスト効率に優れた経営も実現することができません。

クラウドの活用は、レガシーなテクノロジーの刷新とIT/ネットワーク環境のソフトウェア化を後押しすると同時に、イノベーションの実現、新たな価値の共創、およびワークフォースのリスキルを促進します。通信事業者は、ソフトウェアを活用したプラットフォームベースの新たなエコシステムに参画し、5Gやエッジテクノロジーといった最新技術を活用することで超低遅延のサービスを実現するなど、企業に向けた新たなサービスの開発を通じて競争力を高めていくことができます。

今こそ行動すべき時

アクセンチュアとTMフォーラムの共同レポート「テクノロジードリブンな通信事業者:オープンデジタルアーキテクチャを構築し、ネットワークの接続性の枠を越えた成長の機会を探る」では、世界有数の通信事業者の経営陣が、次なる変化の波に乗るためにいくつかのアクションを提唱しています。

ネットワーク/IT環境を進化させて、新しいクラウドネイティブなテクノロジーを活用し、調達、管理、オペレーションを変革する。

AIを活用した自律的なオペレーションを展開し、ゼロタッチオペレーションを実現する。

ビジネスをさまざまなケイパビリティの複合体として再構築し、経営モデルを変革する。

マインドセットを一新し、新たな経営環境で求められるビジネスとテクノロジーのDNAを組み込む。

グローバルな通信業界のエコシステムの一員として協力し、コストを最適化しながら、大規模なオペレーションの中で競争力を高める。

ゼロタッチパートナーシップの実現に優先的に取り組む。

既存のワークフォースのリスキルとスキルアップに積極的に投資する。

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変革のためのブループリント:オープンデジタルアーキテクチャ(ODA)

通信業界の次なる変化の波においては、ソフトウェアが重要な意味を持ちます。通信事業者が収益を高めていくためには、従来のネットワークの接続性に加えて、俊敏性と拡張性を備えた新たなサービスを組み合わせたビジネスモデルを再構築し、適切な企業とのパートナーシップを通じてデジタルサービスの分野で重要な役割を担いながら、市場でのリーチを拡大していく必要があります。

TMフォーラムの「ODAコンポーネントアクセラレーター」プロジェクトの設立メンバーとして、アクセンチュアは通信業界におけるコラボレーション、相互運用性、および標準化の重要性を踏まえて、これらが通信事業者の成長にどのようなインパクトをもたらすかを注視しています。通信事業者は共通の枠組みとブループリントを基盤とすることで、顧客体験の向上やコスト効率に優れたオペレーション、新たなサービスの市場投入期間の短縮、ROIC(投下資本利益率)の改善といったマクロな目標を達成できますが、そのためにはODAが欠かせません。ODAは、モジュール方式、オープン、ソフトウェアベース、クラウドネイティブといった特長を備えた疎結合なITリファレンスモデルです。通信事業者はODAを採用することで、AIとデータを駆使したオペレーションを容易に実装できます。ODAは標準化されたコンポーネントで構成され、カスタマイズすることなく迅速に構築/展開することが可能です。また、コンポーネントを標準化し、各種ケイパビリティをオープンにすることで、ベンダーロックインを回避し、拡張性の向上と同時に将来的なイノベーションも促進されます。

ODAを採用した通信事業者は、中核的なテクノロジー戦略とGo-to-Market(GTM)戦略をまさに全方位的に変革し、新たなビジネスモデルを実践に移すことができます。さらに業界のオーケストレーターとして、次なるイノベーションの波を起こし、新たなソフトウェア市場を形成することもできます。

RELATED: The value of ODA

次なる変化の波

通信事業者の変革に向けたジャーニーに終わりはありません。常に進化を続けながら、市場のダイナミクスに適応していかなければなりません。すべての人の成功をもたらす万能の処方箋はなく、市場ごとに考慮するべき条件も異なります。とはいえ、次なる変化の波に備えるためのブループリントは存在します。このブループリントを活用することで、より強固で俊敏性に優れた革新的な組織を構築し、パートナーからの信頼を高めていくことで、柔軟な拡張が可能な新たなビジネスモデルを展開できます。これにより、通信事業者は収益の拡大を促進し、デジタル化されたライフスタイルと社会の中で重要なポジションを確立することができるでしょう。つまり、既存の経営モデルの抜本的に見直すことこそが、通信事業者の今後の成功を左右する鍵になるということです。

廣瀬 隆治

ビジネス コンサルティング本部 ストラテジーグループ 通信・メディア プラクティス日本統括 マネジング・ディレクター


Brian Smyth

Director – Communications & Media, Innovation


Adriano Poloni

Managing Director – Communications and Media


Boris Maurer

Managing Director – Strategy & Consulting, Communications & Media, Europe

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