調査レポート

概略

概略

  • レスポンシブル・リテールが当たり前の時代となった現在、企業には顧客やワークフォース、ステークホルダー、そして私たちが生活を営む地球環境に対する社会的責任を踏まえた「エシカルビジネス」が求められるようになっています。
  • リテール企業が私たちを取り巻く環境と社会に対してどのような責任を果たしているかは、消費者の購入の意思決定にますます大きな影響を与えるようになっています。
  • 消費者はサーキュラーエコノミー(循環型経済)において大きな役割を担っています。特にアパレル業界の廃棄物は大きな懸念事項であり、また食品関連の企業にも責任ある対応を求める消費者が増えています。
  • こうした新しい時代に適応するために、リテール企業は顧客分析にフォーカスして、顧客の求める企業の社会的責任に呼応した事業目標を掲げていかなければなりません。


アクセンチュアが米国の1,500人の消費者を対象に実施した「第13回ホリデーシーズンのショッピングに関する調査(13th Annual Holiday Shopping Survey)」では、消費者の期待が驚くべきスピードで変化し続けていること、またレスポンシブル・リテールが今年最大のトレンドであることが明らかになりました。さらに調査では、多くの消費者がホリデーシーズンの支出に前向きな考え(消費者の7人に6人は昨年と同程度以上の支出を計画)を示している一方、CO2排出量への懸念と社会問題への関心が高まっていること、そしてリテール企業にも同様の認識を期待していることが分かりました。こうした変化は、消費者の購入の意思決定にますます大きな影響を与えるようになっています。

消費者は環境や社会に責任を持って事業を運営するリテール企業から、製品・サービスを購入したいと考えています。

50%

環境への悪影響を減らすためにスピード配送を避ける、店頭での受け取りを利用すると回答した消費者の割合。

53%

リテール企業は事業運営および職場環境の改善を通じて、より広い視点で社会問題に責任を持って対処すべきと回答した消費者の割合。

47%

どのリテール企業の製品を購入するかを決めるにあたり、その企業の環境問題への対処を大いに/最も重視すると回答した消費者の割合。

53%

「簡易包装の製品や配送を選べると良い」と回答した消費者の割合。

出典:2019年の米国のホリデーシーズンのショッピングに関するアクセンチュアの調査

さらに調査では、実店舗の数を縮小するという安易な判断の妥当性にも疑問が呈されました。消費者は依然として店頭での商品選びを大切だと考えており、特にホリデーシーズンは店頭でのショッピングを選択する傾向が強く見られます。

リテール企業には、企業の社会的責任を考慮した上で店舗や製品、事業の設計を行うことが求められています。これを実践できる企業は今年のホリデーシーズンにも、さらにシーズン終了後においても成功を収められるはずです。

ただし、消費者が実店舗を利用する目的にも変化が現れつつあります。今や消費者にとっての実店舗は、ショッピングはもとよりブランドの倫理観や事業目的を体験できる場所であると同時に、カーボンフットプリントを減らすためにオンラインで購入した商品の受け取りに利用する場所でもあるのです。

消費者を1つのチャネルと捉える

こうした消費者行動の微妙な変化に対応していかなければ、ホリデーシーズンでの売上増を通年で維持することはできないことを、賢明なリテール企業は認識しています。

また、ブランドの目的を明確に掲げ、顧客中心のオペレーションを実践することが、ホリデーシーズンの終了後においても、生涯価値の高い消費者を獲得するための最善の方法であることを知っています。

しかし、それを実践することはもちろん容易ではありません。リテール企業の多くは依然として、消費者の詳細かつ適切なインサイトを引き出し、それらを正しく解釈しながら事業目標に沿った戦略を策定して、利益あるオペレーションを実現することに苦戦を余儀なくされています。

では、リテール企業はどうすればよいのでしょうか?その答えは、オンラインと実店舗というチャネルを区別しないことです。むしろ消費者を1つのチャネルと捉え、あらゆる瞬間において個々の消費者ニーズに応えることが大切なのです。

顧客データを賢く活用する

そのためには、リテール企業は顧客データをよりスマートに活用できるようにならなければなりません。具体的には、マイクロセグメンテーションを行い、ビジネスに最大の価値をもたらす顧客のニーズと期待に基づいて、オンラインと実店舗の統合型のリテール戦略を策定する必要があります。

また、従来のロイヤルティプログラムを見直すとともに、各種のデータを組み合わせてエンゲージメントが極めて高い顧客、つまりブランドにお金や時間を喜んで費やしてくれる顧客である「スーパーファン」を特定することも重要です。

レスポンシブル・リテールを中核に据え、明確なブランドの目標を掲げることより、リテール企業はホリデーシーズンだけでなく、シーズン終了後も顧客のニーズと期待に確実に応えられるようになるはずです。

​Jill Standish

Senior Managing Director – Global Retail Consulting Practice

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