商品登録と商品属性登録の自動化

リテール企業が事業を構築/運営する上で、基盤となるのが商品マスタデータです。そして、このマスタデータを構築するマーチャンダイジングプロセスで重要な役割を果たすのが、「商品登録」と「商品属性登録」であり、価値あるインサイトを引き出し意思決定を最適化するための原動力となります。とはいえ、これら2つのプロセスは手作業で行われていることが多く、労力と時間がかかるだけでなく、ミスも発生しがちです。

たとえば、商品登録と商品属性登録のプロセス(または要素)を週単位ではなく分単位で、しかも95%の精度で実行できる未来のモデルを想像してみてください。そのモデルでは生産性も25~50%以上改善され、バイヤーの最大25%の時間を、より戦略的なイニシアチブを推進するための高度なタスクにシフトできるとしたらどうでしょう?それだけではありません。これらのプロセスを自動化できれば、販売・一般管理費の節約も実現できるのです。

こうした優れた環境であれば、バイヤーはスプレッドシートに並ぶ何百もの列を確認しながら、ベンダーからの入力データの標準化や何十種類ものシステムへのアクセス、レビューと承認作業などを繰り返す必要がなくなります。こうした面倒な作業を行わずとも、高度な専門知識を持ったチームがプロセスを管理し、消費者との関連性の高い複雑なアトリビューション、商品のグルーピングなどを行ってくれます。

バイヤーのルーチンワークを減らし、より大きな価値を創造

テクノロジーが進化し、利用可能なデータが急増した結果、リテール企業は反復的なトランザクション業務を自動化して、専門家チームにデータ管理を任せられるようになりました。オートメーションを活用すれば、バイヤーはルーチンワークから解放され、クリエイティブなストラテジストとして、消費者が今まさに必要としている製品・サービスを提供できるようになります。

また、リテール企業はオートメーションによる飛躍的な効率改善に加え、より明快かつ高精度・高粒度なアトリビューションを実行したマスタデータを整備できるようになり、結果的にビジネスアウトカムの改善にもつながります。

顧客の期待は急速に変化し続けています。バイヤーは戦略的、かつより高い価値を生み出せる業務に時間をシフトしなければなりません。

オートメーションプロセス

直感的かつ自動的な商品登録・商品属性登録によって、顧客の嗜好やニーズがダイレクトに反映されたマスタデータを整備します。

ステップ1:バイヤーとベンダーをシームレスにつなぐ
最初のステップは、ベンダーからリテール企業へのデータ転送プロセスをデジタル化することです。これにはベンダーポータル、スマートテンプレート、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)のいずれかを利用できます。ベンダーポータルでは、ベンダーがデータ標準に準じた規定のフォーマットで商品データを送信します。その際、ベンダーのデータが不完全な場合には、自動的に修正がリクエストされます。スマートテンプレートでは、サードパーティのソリューションがベンダーのカタログや仕様書を取り込み、ベンダーのデータを統合/標準化してリテール企業に提供します。このアプローチでは、ベンダーとリテール企業の双方がワークロードを大幅に軽減することが可能で、品目登録の一部の項目(カテゴリ情報など)は自動入力されます。さらに、RPAの場合はRPAが商品登録のリクエストを追跡し、マスタデータ/ERPシステムに反映します。

ステップ2:不足データの追加
既定のビジネスルールやトレンドに基づき、追加の項目の入力が行われます。このプロセスは最大80~90%を自動化できるので、その分の工数を例外の特定作業に注力できるようになります。ただし、ライフスタイルや顧客のタイプ、その他のリテール企業独自の属性については手作業で処理する必要があります。

ステップ3:ダイナミックなデータ活用
機械学習や画像認識といった技術を用いることで、製品属性の自動入力や製品名称・コピーの作成、有益な情報提供が可能になり、顧客を特定のアイテムに効果的に誘導してエンゲージメントを構築できるようになります。また、製品の画像(タイプや数)は、顧客の嗜好やインタラクション、コンバージョンに合わせて定義されます。

ステップ4:顧客の習慣を学習し、調整する
顧客と製品のインタラクションが増えるほど、システムは継続的にデータを拡張してスマートになっていきます。継続的に学習することで、顧客にとって重要な属性の優先順位が見直され、必要に応じて新しい属性が追加されることもあります。商品のマスタデータは、現時点の顧客にとって関連性の高い商品属性が追加されるたびに(ライフスタイルに合った使い方など)、自動的に拡張することが可能です。コグニティブコンピューティングを活用すれば、バイヤーは消費者の属性、イベントの認知度、選好といった情報を抽出することができます。さらに、消費パターンを割り出して、行動属性に関するデータも拡張します。これらのデータは製品に関する顧客の声に基づいて、継続的に更新されます。

オートメーションのポテンシャルを引き出す

世界中のますます多くのリテール企業が今、オートメーションがもたらすメリットを享受し始めています。彼らの中には高度なテクノロジーを誇るスタートアップと協働するケースもあれば、リテール企業の独自のニーズに合わせたプロセスを設計/提供する業界大手と連携することもあります。

未来のあり方が急速に進化するリテール業界のリーダーを目指すなら、自動化されたインテリジェントなプロセスのポテンシャルを存分に引き出し、効率的な事業運営を実践していくことが重要です。

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