概要

人々が製品・サービスを体験し入手する方法もまた、歴史的転換によって2020年に変わりました。サプライチェーンは新たなニーズを満たすよう前例のないプレッシャーにさらされ、ビジネスモデルにもストレスがかかっています。企業は自社が保有する物理的資産を見直し、人々が製品・サービスを手にする直前にまで喜びを提供できるよう注力すべきです。

2020年、私たちが物を入手する方法は大きく変わりました。物を届ける最後の瞬間まで人々に喜びを感じてもらうことが一段と重要になりつつあります。

いま起きていること

「トレンド1:歴史的転換期」で示したように、都心の実店舗を訪れる買い物客が減少し、自宅が店舗の新たな最前線となりました。しかし、人々は実店舗においては当たり前である即座に手に入る喜びや満足感を、例えどこにいても望んでいます。このニーズは概して満たされていないため、大きなチャンスがあると言えます。

人々の購入パターンが変化したことにより、小売業者には臨時の、または、新たな経費負担がかかっています。人々は以前、果物と洗剤をひとつのスパーマーケットで買ったり、衣服と靴を同じモール内で買ったり、買い物体験をひとまとめにしていました。それはブランドにとっては、効率性を享受し、自社がデザインし作り上げたエコシステムに頼ることができたことを意味します。今、エコシステムは細分化され、マーケティング、梱包、配送、カスタマーサービス、返品・在庫補充などにかかる追加費用が発生しています。

人々の流動的な期待値により、重要で差し迫った課題が生じています。企業は、既存の資産からどのように価値を生み出すか、エコシステムにおいて他のB2Bプレイヤーとどう協力するか、また、自社が単独でコントロールしていない体験をどのように管理するか、さらには、レジリエンスを高め不確実性に備えるためのデザインをどのように実現するか、などの課題に対応しなければなりません。

次に起こること

企業は、サプライチェーンにおける自社のポジションを再考し、自社の資産やその活用方法についてより広い視野を持って考えなければりません。例えばアメリカでは、アスレチックアパレルブランドLululemon Athleticaが来店客にサービスを提供するためではなく、オンライン注文の受け取りを迅速化するために実店舗を再開しました。

既存の資産を最大限活用するため、新しい戦略的パートナーシップを進んで締結することもまた重要になります。アジアではECサービスを提供するJD.com(京東商城)が、メーカーがプラットフォームに無料で出店し、マーケティング・物流・配送サービスを利用できる「工場直送優良品計画」を開始しました。

企業は新しいビジネスモデルと自社が提供できる価値を探求する必要があります。サブスクリプションモデルは実体験の代替としてロックダウン時に人気が高まったばかりか、その後も成長し続けています。例えばファストフードチェーンのPret a Mangerは、消費を回復させるためにコーヒーのサブスクリプションサービスをはじめました。

企業はサプライチェーンを成長の推進力として見直す必要があります。パーソナライゼーションへのニーズはこの点で非常に重要な機会を示すと同時に、サプライチェーンに一段と高い柔軟性と対応スピードを(特に最後の数メートルで)要求します。

最後に、サプライチェーンを見直すということは同時に持続可能な代替策を検討するチャンスがあるということを意味します。

企業は変化に素早く適応できるように自社のサプライチェーン全体で俊敏性とレジリエンスを構築すべきです。これはパンデミックに起因する変化に対応するためだけではなく、むしろ、気候変動など必ず直面する変化に向けた未来のための対策でもあるのです。

自宅が店舗の新たな最前線となることでブランドが存在感を保ち続けることが難しくなっており、新しいサプライチェーンソリューションへのニーズの高まりとともに直ちに対処すべき重要な課題として立ちはだかっています。

Mark Curtis

Managing Director – Interactive, Head of Innovation and Thought Leadership


Martha Cotton

Managing Director – Interactive, Fjord Co-Lead, Global

Fjordからの提案

考えるべきこと

サプライチェーンと物理的資産は、効率性の観点のみならず、成長において重要な役割を果たすと考えましょう。あなたは何をどう変えますか?「店舗」のような資産が実際に何を提供しているのかを分析してみましょう。何がデジタルに属し、何が物理的領域に属するでしょうか?

言うべきこと

持続可能な未来へ向けて再設計し転換すると宣言しましょう。5年経たずに、持続可能性はサプライチェーンに関する決定に最も大きな影響を及ぼすことになります。今すぐにでも、持続可能性のためのデザインをどのように行うか計画を立てはじめましょう。

すべきこと

なかなか見えにくい「エクスペリエンスチェーン」の中で、まだ認識されていない価値を付加できる部分はないか考えてみましょう。例えば「待ち時間」は体験の一部を構成するものでしょうか?顧客に喜びを与えるために、あなたはそのような″未開拓地″をどのように使いますか?

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関連資料

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