概要

イノベーションは長年テクノロジーとデバイスに牽引されてきましたが、パンデミックによる困難な状況下において生活者のクリエイティビティも新たなイノベーションの原動力になりつつあります。企業はこれに対し、自社のイノベーション創造について見直す必要に迫られています。つまり、企業から生活者に一方的にソリューションを提供するのではなく、生活者自身がそれぞれの創造性を発揮し自身の暮らしをよりよくできるようなツールを提供するということです。

パンデミックをキャリア転換の契機とする人々も多く、過去10余年で最も急速に様々なビジネスが立ち上がっています。

いま起きていること

人々はこれまでも生活に役立つ「ライフハック」を考案してきましたが、その傾向は2020年に一層強化されたと言えます。人々は生活空間を見直し、家にあるものを自分たちの変化するニーズに適応させようと改良を加え、生活で新たに生じた課題に対応するためにそれぞれがクリエイティビティを駆使し多種多様な新しい手段を編み出しています。

パンデミックをキャリア転換の契機とする人々も多く、起業家精神も高まっています。例えば、熱心なサイクリストによる自転車調整を請け負うポップアップショップBackyard Bicycleの創業やフィットネススタジオの元広報担当によるオンラインワークアウトプラットフォームのローンチなど、個人発で様々なサービスが生まれています。

さらに、既存のプラットフォームがクリエイティブな方法で別の用途に転用され、生活の差し迫った課題を解決する例も見られます。ライブイベントの中止を受け、オンラインゲームのFortniteとラッパーのTravis Scottがコラボし、1,200万人を超えるファンのためにゲーム内でパフォーマンスを行いました4。同時に、様々なプラットフォームは人々のクリエイティビティをマネタイズする場所として急速に活用されつつあります。

アーティストは活動の幅を広げる機会をソーシャルプラットフォームに見出し、自分の歌やチャレンジ企画を一気に拡散させ一夜にして成功する夢をTikTokに見るようになりました。この可能性に価値を見出したのはアーティストだけではありません。医療従事者もまた、情報を多くの人々に届ける手段として活用しはじめています。

これらのプラットフォームは小規模なビジネスにとって大変重要で、コンテンツの制作やサービスを多くの潜在的な顧客に伝えるための容易な手段を提供しています。

次に起こること

企業はイノベーションとクリエーション、クリエイターと顧客の境界が曖昧になっていることを認識しつつ、この「DIY革命」に参加する方法を見つけなければなりません。私たちデザイン業界は長らく人々との共創を通じてより良い製品・サービスを生み出すことの価値を伝えてきました。企業は今こそ、人々が自分のためにソリューションを創作できるようなツールやプラットフォームをその共創の成果としてデザインしなければなりません。

従ってクリエイティブを担うチームは、自社で完結しないエコシステム的なアプローチをとり、第三者が製品・サービスを生み出せるようなプラットフォームをデザイン・構築するべきです。プラットフォームは様々な形で提供できます。分かりやすい例として、小規模から中規模ビジネスのデジタルコマースを支援するShopifyやプレイヤーがデザインしたデジタルファッションアイテムの売買を可能にするソーシャルゲームプラットフォームRobloxなどが挙げられます。

企業のイノベーションはアイデアだけでは実現しません。新しいイノベーションを生み出すには、長期にわたって試行錯誤を重ね、実現できるまであきらめない根気や勇気、協調性、そしてリーダーシップが必要です。イノベーションに対する次のような問いかけ「スマートフォンの次に来るものは?」はもはや古く、これからすべての企業が自社のイノベーションプロセスを通して問うべきは「これを使うことで他に何ができるだろうか?」です。

<クリエイターエコノミー>

個々のクリエイターの情熱や魅力がそのまま経済価値に転換される時代は、目前まで迫っています。その社会実装に取り組んでいる国内のスタートアップ、そしてスタートアップと大企業、官公庁のハブとして後方支援するアクセンチュア・ベンチャーズが、「WIRED STARTUP LOUNGE -The Art of Innovation-」でクリエイターエコノミーの現在地と未来について語りました。

「情熱と経済を両立させる「クリエイターエコノミー」はいかにして可能か?」WIRED掲載)

これからすべての企業が自社のイノベーションプロセスを通して問うべきは「これを使うことで他に何ができるだろうか?」です。

Mark Curtis

Managing Director – Interactive, Head of Innovation and Thought Leadership


Martha Cotton

Managing Director – Interactive, Fjord Co-Lead, Global

Fjordからの提案

考えるべきこと

顧客を共同制作者として捉えなおしましょう。製品・サービスを「未完成品」としたとき、体験のどの要素を顧客と共創できるのか、また、その要素は第三者を巻き込むことで自社のビジネスモデルのエコシステム化を向上させることができるのか考えてみましょう。

言うべきこと

イノベーションは長期戦です。真剣に取り組み、イノベーションを促す習慣と行動を素早く組織全体に浸透させましょう。イノベーションには根気が必要です。

するべきこと

プラットフォームを作り、顧客が自社のデータを活用し、自社の製品・サービスのみならず、他社のものも使って色々と試し、開発できるようにしましょう。それにより得られる副次的なデータは非常に価値あるものになります。

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