概要

新型コロナウイルス感染症のパンデミックとロックダウン含む対策の数々により生活の基盤を形作っていた様々なリチュアル(儀式や習慣)が失われ、その多くに伴っていた(当たり前だと思っていた)強い感情的なつながりが分断されてしまいました。企業は、人々がそれらの感情と再びつながれる方法を構築する必要があります。

私たちの多くはこれまで当たり前のように享受していた人生における数々のリチュアルを思い出しては悲しみに暮れています。2020年には非常に多くの変化があったため、人々は様々なことを見直し新たな意味を捜しはじめています。

いま起きていること

私たちの多くはこれまで当たり前のように享受していた人生における数々のリチュアルを思い出しては悲しみに暮れています。私たちは冠婚葬祭やその他の式典、日課を共に経験し、それに伴う感情体験を共有することで家族、友達グループ、職場、地域社会、そしてより広範な社会においてつながりを感じてきたからです。

非常に多くの変化があったため、人々は様々なことを見直し新たな意味を捜しはじめました。そこからインスピレーションを得た人々は、新しい日課の中で喜びと快適さをもたらす新たな行動を生み出しました。私たちの多くが、家族や友人とバーチャルでつながる機会を増やしたり、セルフケアやメンタルヘルスの向上に費やす時間を増やしたりと、新しい行動様式を確立しています。

マインドフルネスがこれまで文化的にあまり根付いていなかった社会でも、日常生活の一部として組み込まれるようになりました。瞑想アプリの利用はパンデミックの間に急増し、マインドフルネスアプリCalmのプレミアムメンバーシップは現在American Expressカードのメンバー特典にもなっています6。一方で、スピリチュアリティ(精神性)は商業的になり、拡大しつつある一連のスピリチュアルネットワークに支えられて活気づいています。アメリカでは星占いアプリCo-Starがシードラウンド(創業間もない企業)で5,200万米ドルの資金を調達しました7

2020年12月時点においてパンデミックは収束していません。歓迎されざる新しい環境で生きるために、役立つ新たなリチュアルや習慣、対処法を人々が求め、必要としていることに疑いの余地はありません。

次に起こること

ブランドはリチュアルが失われたことでできた空白を理解し、それを埋められる適切な体験をデザインするよう努める必要があります。私たちはブランドが関与できることの多いリチュアルの4つの役割を特定しました。

切り替えとしてのリチュアル:リチュアルは複数の自分を切り替えるポイントになり得ます。例えば、「日常の私」から荷造りをすることで「休暇を楽しむ私」に。特に美容やファッションのブランドがこのリチュアルに関与することができるでしょう。

帰属意識としてのリチュアル:金曜の夜の飲み会や日曜の朝に集まって行うスポーツは、多くの製品・サービスを介して交流として行われる帰属意識を高めるためのリチュアルの例です。ブランドにとっては、物理的な交流環境を前提とせず、なおかつ従来と同じつながりを感じさせる体験を創出することが課題となります。

快適さとしてのリチュアル:ソーシャルディスタンスを確保したストリートダンスパーティーやカクテルアワーなどは快適さを与えてくれるリチュアルの新たな形です。このリチュアルがもたらす快適さをいかに高めるかというところにブランドにとっての機会があるでしょう。

アンカー(つなぐもの)としてのリチュアル:大勢で集まることが難しい時に、ブランドは人々が別の形で節目を迎える手助けすることができます。後払い型フィンテックのKlarnaは中止になった夏を祝う恒例のライブイベントの穴埋めとして、オンライン音楽フェスティバルKlarnivalを開催しました。

ブランドが創造するいかなるリチュアルもそのパーパスを体現し本質的に関連付けられていなければなりません。リチュアルとパーパスのバランスをうまくとることができれば、顧客にとって重要な大義に本人が積極的に関わることを可能にし、変化に一層大きな規模で貢献できるという満足感を与えることができるでしょう。

人々はより健康的で、持続可能で、地域社会を重視した活動といった形で新しいリチュアルを行うようになっており、ブランドにはそんな人々を支援する大きなチャンスがあります。

Mark Curtis

Managing Director – Interactive, Head of Innovation and Thought Leadership


Martha Cotton

Managing Director – Interactive, Fjord Co-Lead, Global

Fjordからの提案

考えるべきこと

リチュアルの仕組みを分解し、人々がどのように感じているかだけではなく、何を行っているかについての理解を深めましょう。おそらく市場ごとに様相は異なり、リチュアルがどこで行われるか(オンライン/オフライン)のバランスはパンデミックが収束するにつれて徐々に変わっていくでしょう。

言うべきこと

ブランドには今、様々な問題に対して意見を表明することが求められています(「共感への挑戦」参照)。変化に対峙する顧客を手助けする際に、どのようにブランドの「声」を使うかについては慎重になりましょう。顧客に対して、「変化を共に乗り越え一緒にニューノーマルを見つける」という姿勢を真摯に伝えましょう。

するべきこと

リチュアルの再構築を促進しましょう。人々が周囲や社会とのつながりを感じられることが重要です。精神的な安定性をどのようにサポートできるでしょうか?メンタルヘルスへの配慮を自社の製品・サービスにどのように取り入れることができるでしょうか?一緒に変化を乗り越えるにせよ、その経験は個人によって様々です。新たな喜びの源泉を受け入れる人がいる一方で、悲しみに暮れながら対処している人がいることも忘れないようにしましょう。

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関連資料

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