調査レポート

概略

概略

  • 新型コロナウイルス(COVID-19)がもたらしたパンデミックは、私たちがグローバルな環境の中でつながり合い、互いに協力しながら生きているという現実を浮き彫りにしました。
  • 持続可能な開発は、社会のレジリエンス(回復力)を向上させます。そのためステークホルダーは、企業に対して良い組織に生まれ変わるための取り組みを求めています。
  • ビジネスコミュニティ全体で積極的に取り組むことで、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に必要なインパクトをもたらすことができます。
  • 社会的責任を最優先に考える企業は、未来に向けた新たな価値を創造することができます。SDGsは私たちが目指すべき「北極星」であり、今こそ私たちは行動を起こさなければなりません。


社会的責任を果たし、サステナブルな価値を創造する

持続可能な開発は、社会のレジリエンス(回復力)を向上させます。そのため消費者、従業員、投資家などのステークホルダーが企業に対して、パンデミックにも適切に対処できる、高い理念を持ったより良い組織に生まれ変わるための取り組みを求めています。

こうした課題にビジネスコミュニティ全体で積極的に取り組むことで、私たちは2030年に向けた国連の持続可能な開発目標(SDGs)を達成し、パンデミックの余波が未来の経済に及ぼす影響を緩和することができます。

経営者は、「SDGアンビション」の指針を今後目指すべき「北極星」として、持続可能な開発目標と企業戦略およびシステムの統合を図り、企業と社会の双方が共有できる価値を生み出さなければなりません。これらの機会を追求することで、企業は競争優位性を高め、サプライチェーンのレジリエンスを向上させ、ブランドの信頼度を改善することができます。企業は今こそ、広く社会が共有できる新たな価値の創造に取り組むべきです。

国連の持続可能な開発目標(SDGs) 

リスト:持続可能な開発目標(SDGs)

企業に行動を期待するステークホルダー

アクセンチュア・ストラテジーは、SDGsの各ゴールの基礎となるターゲットおよび指標にパンデミックがどのような影響を及ぼすかを明らかにしました。パンデミックはSDGsの17のゴールすべてに関して、深刻な喫緊の課題を突き付けたほか、長期的にもその影響を及ぼすと考えられます。こうした中で、企業は多様なステークホルダーから、サステナブルかつ社会的責任を踏まえた具体的な行動を起こすよう求められています。

これらの課題はビジネスに新たな機会をもたらすきっかけともなります。企業はこれらの課題に真正面から向き合うことで、将来において予測される危機や高まる社会不安、さらなるビジネスディスラプションといった要素に自らの力で対応できるようになります。

自社のオペレーションと製品にサステナビリティを取り入れることで、新たな価値を創造している企業も既に存在しています。2013~2020年にかけて、一貫して高いESG(環境・社会・ガバナンス)パフォーマンスを達成してきた企業は、ライバルを上回る業績を上げてきました。具体的には、これらの企業は営業利益が競合の3.7倍、年間配当利回りが競合の2.6倍となっています。

「高いESG(環境・社会・ガバナンス)パフォーマンスを達成している企業は、競合を上回る業績を上げており、営業利益が競合の3.7倍、年間配当利回りが競合の2.6倍となっている」

各業界が果たすべき役割

こうした取り組みの成功の鍵を握るのは、協働です。各業界のリーダーはパートナーシップの機会を的確に捉えて、自社の力だけでは解決できない課題に取り組まなければなりません。アクセンチュア・ストラテジーは、12の業界がいかに独自のポジションを生かし、SDGsの各ゴールの達成を目指すべきかを分析しました。

各業界に期待される成果の評価は、バリューチェーン全体に関連するさまざまな要素(製品/サービス、従業員の構成、環境フットプリント 、事業を展開している国/地域)をもとに行いました。

調査レポートでは、12の業界別にサステナビリティの実現に向けた3つの経路、SDGsの各ゴールの達成に向けた成果、また取り組みがもたらす価値についてまとめました。3つの経路は、すべての可能性を網羅したものではなく、その一部を例として示しています。

プラスの変化を加速する

SDGs目標の達成に向けて目指すべきゴールは業界によって異なりますが、いずれの業界も以下の3つの投資戦略によって、ゴール実現のための能力を高めることが可能です。

1.ESGデータの活用

リアルタイムのESGデータを活用することで、ビジネス戦略を見直し、ビジネスモデルを変革して、持続可能な意思決定を下せるようになります。

2.ワークフォースでの新たなスキル開発

従業員の新たなスキル開発を推進することで、急速に変化し続ける労働環境の中で生まれるさまざまなニーズに対応できるようになります。

3.テクノロジーとイノベーションへの投資

イノベーションにつながる最新のテクノロジーを活用することで、景気回復を促進し、社会的な成果をもたらすことができます。

全て見る

私たちは今、歴史の重大な分岐点に立たされています。ステークホルダー資本主義へのシフトは今後、さらなる加速と拡大を続けていくはずです。また、サステナビリティへのフォーカスは、企業がこれからも競争力を高めながら、成長を維持していけるどうかの鍵を握ることになります。パーパス志向のリーダーは、将来にわたって新たな価値を創造し続けることができるはずです。新たな課題はすでに明らかですが、貴社はこの難局をうまく乗り切ることができるでしょうか。

著者について

海老原 城一

ビジネス コンサルティング本部 ストラテジーグループ 公共サービス・医療健康 プラクティス日本統括 兼 サステナビリティ プラクティス日本統括 兼 アクセンチュア・イノベーションセンター福島 センター共同統括 マネジング・ディレクター


Kathleen O’Reilly

Lead – Strategy


ピーター・レイシー

チーフ・レスポンシビリティ・オフィサー 兼 グローバル・サステナビリティ・サービス・リード


Karen O’Regan

Managing Director – Accenture Strategy, Ireland Lead


ミカイラ・ハート

アクセンチュア 北米、サステナビリティ&トラスト、マネジャー

寄稿者

Louise James

Managing Director, Accenture Development Partnerships


Emily Cole

Manager – Accenture Strategy


Sriram Varadarajan

Manager – Accenture Strategy


Manvi Arora

Consultant – Accenture Strategy


Gillian Mellor

Senior Analyst – Accenture Strategy

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よくある質問

サステナブルな企業価値は、責任あるビジネスによって生み出されます。持続可能な開発はレジリエンスを向上させるため、ステークホルダーは企業がより良い方向に再構築することを求めています。

持続可能な開発目標(SDGs)は、「すべての人にとってより良く、より持続可能な未来を実現するための青写真」として設計された、相互にリンクした17のグローバル目標の集合体です。SDGsは、2015年に国連総会で設定され、2030年までの達成を目指しています。

企業は、自社のオペレーションや製品にサステナビリティを組み込むことで価値を実現しています。2013年から2020年の間に、環境・社会・ガバナンス(ESG)のパフォーマンスが一貫して高い評価を受けている企業は、同業他社を凌駕し、ESGへの取り組みが低い企業に比べて3.7倍の営業利益率を達成し、2.6倍の年間総利益を株主にもたらしています。

持続可能な開発目標(SDGs)の達成能力を高める3つの投資とは、「リアルタイムのESGデータを活用してビジネス戦略に反映させ、ビジネスモデルを変革し、持続可能な意思決定を可能にする」、「急速に変化する労働環境の要求に対応するワークフォースのスキルを高める」、「テクノロジー&イノベーションを活用して経済回復と社会的成果を促進する」ことです。

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