Workdayがヒト(社員)を起点とする思想で貫かれたソリューションであることはご理解いただけたと思います。その革新性の要諦をさらに掘り下げていきましょう。
かつての企業経営において、社員とは画一的な労働力であり「Human Resource=人材」とする考えが支配的でした。しかし経済学分野で登場した用語の「Human Capital=人的資本」は、その訳語の「財産・資産」というニュアンスと、個人のスキルや知見、知識、経験といった移転不可能な資本と結びつき、昨今では「人財」と表記するケースも増えています。
Workdayは、まさに社員を経営資産の中心に据えたソリューションです。そして人が資産の形態の1つである以上は、数値や定性情報として統合されたデータベースに格納することで、横断的な利用や情報把握といったマネジメントが可能となります。
そうしたHRインフラシステムとしての機能は、従来型の人事管理システムがSystem of Record(SoR)であったのに対し、WorkdayではさらにSoE(System of Engagement)と組み合わせたSoI(System of Insight)を志向しています。
仕組みの上では、Workdayのユーザー(経営層から現場社員に至るまで)は共通のポータルサイトを利用し、裏側で動作する仕組みは単一のデータレイクを基盤とする統合的なシステムが動作しています。
これは従来からあるHCM(Human Capital Management)の進化系であるとも表現できますが、実態はそれを超越したモデルであるともいえます。Workdayでは統合された1つのセキュリティ、1つのデータモデル、さらには1のファイナンスも含む一体型のアーキテクチャとしてデザインされており、この設計理念を「Power of One」と呼んでいます。
なぜWorkdayでは、タレントマネジメントやファイナンス、経営管理領域も統合しているのか。それは社員とは投資対象であると同時に、主要なコストの1つであるためです。柔軟なデータ分析を可能とする統合データモデル、安全性を担保するセキュリティ、UIを統合したシングルプラットフォーム。それがWorkdayの全体像であるといえるでしょう。