Workdayとの協力関係を10年以上にわたって維持・発展させてきたアクセンチュアでは、お客様企業・組織がWorkday導入のメリットを最大化できるベストプラクティスを有しています。本論考では、現代の企業・組織に求められるHRトランスフォーメーションの実現に必要となるピープル・セントリックの考え方、およびピープル・プラットフォームのあり方を含め、Workdayがどのように日本企業の人材マネジメントをご支援するかを説明します。ポイントは次の4点です。

  • イノベーション創出を目指す企業・組織には、人材マネジメントを“社員中心”(ピープル・セントリック)のモデルへと転換するHRトランスフォーメーションが必要です。
  • 次世代型の人材マネジメントを実現するには、旧来の労務管理システムから脱却した「ピープル・プラットフォーム」の構築が重要です。その有力なツールとなるWorkdayは、タレント(社員)1人ひとりを軸とする思想で一貫している優れたクラウドソリューションです。
  • Fortune 500企業の多くが採用するWorkdayは、人事、財務、プランニング、支出等の情報やデータを単一のデータ基盤で統合し、強固な1つのセキュリティのもとで運用する「Power of One」をコンセプトとしています
  • Workday導入によるメリット享受を最大化するには、組織構造改革と両輪での実行が不可欠です。社員情報をどのように体系化すれば企業内で有効活用できるのか、などのベストプラクティスを有するアクセンチュアは、Workday導入のパートナーとして、お客様企業の人材・組織改革をご支援します。

企業が取り組むべき、“人が中心”のトランスフォーメーション

現代の日本では国内市場の縮小、業界の垣根を超えた異業種企業の参入、そしてデジタル化などにより、ビジネス環境の不確実性が日々増大しています。そうした閉塞感を打破するための喫緊の経営課題がイノベーションの創出です。

いかにしてイノベーションを実現するか。多くの経営者が認識している通り、従来型の人材(予定されたタスクを処理し、管理実行するジェネラリスト)のみによる画一的な取り組みではなく、多様な人材の受容と様々な考え方の融合による新たな価値創出が必須だといえます。そのためには、社員を中心(ピープル・セントリック)とするモデルへの転換が不可欠です。

一方で、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が企業のあり方や社員の働き方を一変させました。お互いの顔が見えない在宅勤務(リモートワーク)によって成果の評価方法が曖昧になり、労働時間や仕事の質のマネジメント、顧客への貢献度をどのように計測するかといった課題は深刻化し、働き方そのものへの発想の転換が必要となっています。

また、ジョブ型雇用も日本社会へ浸透しつつあるなど、日本企業は勤務体系の見直しや人材マネジメント全体の変革が不可避の状況にあるといえるでしょう。そうした人材・組織領域の変革の全体を指して「HRトランスフォーメーション」と呼びます。

HRトランスフォーメーションにおいて、戦略策定やプランニングは最初の一歩に過ぎません。目指すのは実効性・実行力を伴う制度改革と組織カルチャーの変革、およびその先にあるサステイナブルな事業成長への貢献です。経営トップから現場の社員の1人に至るまでを巻き込む全社横断の取り組みとして、今まさに本腰を入れてHRトランスフォーメーションに着手すべきタイミングが到来しているのです。

次世代型の人材マネジメントを担う「ピープル・プラットフォーム」

企業の人事部が担う業務範囲は幅広く、高い専門性が求められるものばかりです。しかしその根幹となるのは「労務管理」であり、その業務を支える「労務・人事給与システム」がツールとしてあらゆる企業で導入されています。

そうした労務管理や給与計算の必要性は不変であるものの、人材マネジメントのあり方が世界規模で大きく変化しつつあります。従来、人材や組織に関する情報は人事部や上位の経営層が独占的に管理・運用する機密情報でした。しかしイノベーション創出が求められている今日においては、そうした画一的な制度では柔軟かつクリエイティブなアイデアは生まれ難いと言わざるを得ません。

社員同士が互いに情報を共有したり、自身に関する情報を自由に閲覧・参照できたりする「ピープル・プラットフォーム」と呼ばれる考え方へ、人材マネジメントの考え方は進化しつつあります。つまり、オンプレミス環境で構築され、人事部の奥深くで厳重に保護されながら運用される人事システムではなく、クラウド基盤に構築された権限を柔軟に付与できる仕組みとWebブラウザベースでアクセスできる新しいプラットフォームへの移行が必要となっているのです。

言い換えるならば、人事部門が社員オペレーション改善のために使う人事システムではなく、社員中心(ピープル・セントリック)の思想に基づいて設計されたピープル・プラットフォームこそが、イノベーションを求められる時代のタレントマネジメントの姿なのです。

タレントマネジメントシステム導入

図:HRトランスフォーメーションの全体イメージ

タレントを主軸とする思想で設計されている「Workday

人を中心とする社員のためのプラットフォーム、それは経営層や人事部門だけが使う情報システムではなく、より現場に近いマネジャー(管理者)や社員自身など幅広いユーザーを受け入れる全社向けシステムであるといえます。

この前提においてHRトランスフォーメーションを実行するには、部や課といった組織構造に基づく日本型人事運営のモデルを維持しながら、ツールだけを入れ替えるということは不可能です。「個人」の単位(粒度)で可視化するシステムとして設計され、予算やコストといった財務上の要素、組織の神経系といえる上司部下の関係を表すレポートラインの再定義、個々人のスキルや職能といった業務に関する情報の定義も見直す必要があります。

Workdayは、そのようなタレント(社員)1人ひとりを主軸とする、まったく新しい設計思想でデザインされているピープル・セントリックのプラットフォームであるとアクセンチュアでは考えています。

企業・組織の主要な資産である「ヒト」と「カネ」を統合的に管理し、従来であればセンシティブ情報であるという理由で一部の組織が占有してきた情報も適切な粒度や権限で共有し、組織全体のワークフォースの最適化を実現する。そのためのソリューションであることがWorkdayの根幹にある思想です。

言い換えるならば、人材の多様性とイノベーション創出の基盤となる、社員マネジメントのデジタルプラットフォームがWorkdayの特徴です。これは従来の人材管理ソリューションには無かった考え方であり、またツールの仕様や仕組みのうえでも実現が容易ではなかったトランスフォーメーションです。このことからも、WorkdayHRトランスフォーメーションを力強く支援する存在であるといえるでしょう。

人、財務、経営までを統合するPower of Oneの思想

Workdayがヒト(社員)を起点とする思想で貫かれたソリューションであることはご理解いただけたと思います。その革新性の要諦をさらに掘り下げていきましょう。

かつての企業経営において、社員とは画一的な労働力であり「Human Resource=人材」とする考えが支配的でした。しかし経済学分野で登場した用語の「Human Capital=人的資本」は、その訳語の「財産・資産」というニュアンスと、個人のスキルや知見、知識、経験といった移転不可能な資本と結びつき、昨今では「人財」と表記するケースも増えています。

Workdayは、まさに社員を経営資産の中心に据えたソリューションです。そして人が資産の形態の1つである以上は、数値や定性情報として統合されたデータベースに格納することで、横断的な利用や情報把握といったマネジメントが可能となります。

そうしたHRインフラシステムとしての機能は、従来型の人事管理システムがSystem of Record(SoR)であったのに対し、WorkdayではさらにSoE(System of Engagement)と組み合わせたSoI(System of Insight)を志向しています。

仕組みの上では、Workdayのユーザー(経営層から現場社員に至るまで)は共通のポータルサイトを利用し、裏側で動作する仕組みは単一のデータレイクを基盤とする統合的なシステムが動作しています。

これは従来からあるHCM(Human Capital Management)の進化系であるとも表現できますが、実態はそれを超越したモデルであるともいえます。Workdayでは統合された1つのセキュリティ、1つのデータモデル、さらには1のファイナンスも含む一体型のアーキテクチャとしてデザインされており、この設計理念を「Power of One」と呼んでいます。

なぜWorkdayでは、タレントマネジメントやファイナンス、経営管理領域も統合しているのか。それは社員とは投資対象であると同時に、主要なコストの1つであるためです。柔軟なデータ分析を可能とする統合データモデル、安全性を担保するセキュリティ、UIを統合したシングルプラットフォーム。それがWorkdayの全体像であるといえるでしょう。

Workdayの差別化要因

図:Workdayの強み

Fortune 500企業の採用で蓄積されてきた「ベストプラクティス」

統合されたデータを1度投入すれば多種多様な切り口でのデータ分析が実現するほか、複雑なモジュールを接続する必要がないこと、SaaSであるがために“常に最新バージョンを利用できる”といった点もWorkdayの強みの1つです。

一方で、そうした恩恵を最大化し、導入メリットを確実に享受するには組織構造やジョブ、ポジション、職務を明確に再定義しなくてはなりません。このデータ定義プロセスを適切に行うことでWorkdayは本領を発揮できる設計となっています。

データ定義を効果的に行うためにこそ必要な取り組みが、本論考の冒頭でも触れたHRトランスフォーメーションです。

その際、人中心の企業カルチャーへ転換するには、人をマネジメントの対象と見る考え方から、イネーブルメントする相手という発想への転換が大切です。また同時に、ビジネスパートナーからピープルパートナーへと脱却する考え方も重要であるといえます。

長い伝統を持つ大企業であるほど、人事データに独自のこだわりや管理手法を取り入れているケースが多く見られます。しかし、そうした独自性の強いデータベースに固執してしまうと、Workdayの活用は急激にその難易度を高めてしまいます。つまり、過去からの脱却こそが、前進のために必要なマインドチェンジです。

ではWorkdayのデータ構造の妥当性はどこにあるのでしょうか。それはWorkdayを採用するFortune 500の多くの企業が理解し、取り入れている事実から容易に想像できます。世界の主要企業・組織が自社の成長のプラットフォームとして利用している実績に基づくベストプラクティスをいち早く利用するには、膨大な人事データの再定義とマネジメント手法の刷新に臆さず取り組むことが重要な成功要因であるといえます。

以上のようなWorkdayの特徴を改めて整理します。

  • 人事、財務、プランニング、支出等の情報やデータを統合する「Power of One」の設計思想による一貫性のあるシステム
  • 「社員個人」を起点とする設計で、人材の可視化と能力・才能の発揮を支援するピープル・プラットフォームとしての効果
  • 計画、実行、分析を1つのプラットフォームで利用できる、カバー範囲の広さと運用における柔軟性
  • Fortune 500企業の45%以上、Fortune 500企業の上位50社においては70%が採用していることによるベストプラクティス *1
  • SaaSであるため、常に最新バージョンを利用でき、アップデート等に関わる負荷が小さい
真のクラウド スムーズなシステム基盤 • 継続的なイノベーション

図:全社横断の組織改革を支援するクラウドソリューション

Workday導入におけるベストパートナー、アクセンチュア

すでにお分かりの通り、Workdayの導入においてはデータ構造に合わせた社内の組織階層等の再定義と、自社の構造改革やHRトランスフォーメーションを一体化したプロジェクトとして遂行しなければなりません。

データを改めて体系化するには、経営トップのリーダーシップのもとテクノロジーとビジネスの組織の壁を超えた協働が不可欠ですが、伝統ある大企業ほど組織間のしがらみといった高いハードルに直面する傾向があります。よって、Workday導入には、テクノロジーの癖とキーとなるビジネスの両方に深い知見と経験を有し、かつWorkday導入の経験が豊富な専門コンサルタントの起用がポイントとなります。

Workdayのアライアンスパートナーであるアクセンチュアは、グローバル規模で数々の導入プロジェクトをご支援してきた実績があり、第三者機関にもリーダー企業として位置づけられているなど、お客様にとって最適な伴走者です。*2

すでに国内でもアクセンチュアが導入をご支援した事例は増え始めており、世界的に見て独特な習慣を持つ日本企業にとってもWorkdayは適したソリューションであるとの評価が定着しつつあります。

アクセンチュアもグローバル50万人以上の社員 をWorkdayのプラットフォーム上でマネジメントし、専門スキルを持つ人材の参照や発見、評価といったタレント情報の可視化と運用に取り組んでいます。いわばアクセンチュア自身が世界最大級規模のWorkday導入ユーザーであり、この知見をお客様へ提供できる立場にあります。

Workdayに関する知見・経験と、幅広い業界・業務や企業カルチャーを深く知るアクセンチュアは、お客様がピープル・セントリックの考え方によって社内組織を刷新し、ピープル・プラットフォームとしてのWorkdayの活用、およびイノベーション創出の実現とその先にあるビジネスのサステイナブルな成長をエンド・ツー・エンドでご支援してまいります。

お客様のWorkday活用がどのように実現可能か、またどのような組織構造改革が必要か、といったディスカッションが導入と成功への第一歩です。ぜひお問い合わせください。

References

*1 Global Impact Report - Who We Are | Workday 2021年5月1日閲覧

*2 Accenture Positioned as a Leader in Workday Services Market by Everest Group | Accenture Newsroom, 2019年8月7日発表



内田 典子

テクノロジーコンサルティング本部 クラウドファーストアプリケーションズグループ Workday Business Group Japan/AAPACリード マネジング・ディレクター


堆 俊介

ビジネス コンサルティング本部 コンサルティンググループ 人材・組織 プラクティス マネジング・ディレクター

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