調査レポート

概略

概略

  • 自動車業界大手の多くは、モビリティサービスへの大規模な投資と着実な成長にもかかわらず、そこから利益を生み出すための方法を依然として見いだすことができていません。
  • アクセンチュアは、「モビリティサービスで新たな価値を創出し、利益を創出するサービスを構築するためにはどうすればよいか」という重大な問いへの理解を深めるべく調査を行いました。
  • 調査結果からは、すべてのビジネスモデルに共通して見られる、利益の創出を阻む主な障壁が明らかになりました。それは、均衡のとれた市場の欠如です。
  • エコシステムに参画する各プレーヤーの協働によって、市民や都市、自動車業界、モビリティ業界のすべてにメリットが還元される、新たなモビリティ時代を迎えることができます。


新しいゲームのための新たなルール

利益を創出するモビリティサービスを構築し、維持していくためには、さまざまなサービスと輸送手段が公正に競争し、また効率的に協働することができる均衡のとれた市場が不可欠です。また、そのような市場では、個人、社会、環境、経済という4つの領域すべてに価値をもたらすサービスを提供できなければなりません。

均衡のとれた市場作りにおいては、都市と規制機関も大きな役割を担っています。両者はモビリティサービスの統合を図ったり、規制を通じてプロバイダーにインセンティブを提供したりすることができます。さらに、公共スペース(路上パーキングなど)やインフラ(道路や水路)の有料化を通じて、モビリティサービスの主なコスト要因に直接的な影響を与えることもできます。このようにインフラコストを内在化する手法は、事実上、他のあらゆる輸送手段で一般化しており、今後は都市部でも導入する事例が増えるとみられ、ロンドンをはじめとする都市がすでに実施しています。大切なのは、新たな規制が社会的ニーズに応えていること、そして、エコシステムのすべてのメンバーにとって公平であることです。

個々の車両のモビリティの最適化

モビリティサービスの収益性の根幹を担うのが、車両の稼働時間と効率的な利用です。この2点を同時に最大化するためには、サービスプロバイダーは車両を単一のシームレスなプラットフォームにプールする必要があります。現在、大部分のモビリティ企業は自社の車両で個別のサービス提供を行っていますが、各社のすべての車両を統合することで保有車両の稼働時間を高め、収益を最大化することが可能です。さらに、企業は人工知能(AI)やアナリティクスを活用することで、車両の利用効率を最適化することもできます。これらのテクノロジーは、予知保全や需要予測といったモビリティアプリケーションの基盤としても利用できます。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の最中にあって、サービスプロバイダーはサービスを多様化することで車両稼働時間の改善を図ってきました。たとえば、米ウーバー(Uber)や米リフト(Lyft)、中国のディディチューシン(DiDi Chuxing)は配車サービスの需要が減少する中で、新たな物流サービスを立ち上げて、ドライバーの業務をシフトしています。

コアプロダクトからの転換

サービスプロバイダーは、車両のオーナーシップやモビリティサービスの利用レベルに基づいて顧客をセグメント化するべきではありません。むしろ、顧客のニーズや価値観、マインドセットの変化に合わせてセグメント化を行う方がずっと効果的かもしれません。モビリティサービスへの変革プロセスをたどる顧客を適切に導くことができなければ、サービスプロバイダーはライバルに顧客を奪われる恐れがあるからです。モビリティ企業には既存のサービスを反映させた新たなオーナーシップモデル の構築、そして公共輸送機関には革新的なサービスの開発に焦点を当てることが、それぞれ求められます。

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