COBOLベースのレガシーシステムをクラウドへ移行する方法とは?
清水: レガシーシステムのモダナイゼーション、メインフレームのマイグレーションについては、Amazon Web Services(AWS)でも長年にわたり注目してきました。そうした解決策として、2021年11月に開催された「AWS re:Invent」で」という新しいサービスを発表しました。
このサービスは、レガシーシステムで稼働するアプリケーション資産をクラウドへマイグレーションしていくために必要となる道具立て一式をそろえ、マネージドサービスとして提供します。メインフレームユーザー企業だけでなく、移行を支援するソリューションパッケージベンダーやシステムインテグレーターも利用することができます。さらに、アプリケーションのソースコード分析ツール、開発・テストツール、本番環境に使えるプラットフォームを用意しています。特にサービス提供にあたっては、2つの重要な機能を実装しました。
1つは、レガシーシステムのアプリケーションをそのまま保持し、既存のCOBOLやPL/Iのコードを最小限の変更で再利用しながら、AWSクラウド上にリプラットフォームする機能です。これは日本国内でも以前からビジネスを展開する英Micro Focus社のソリューションを採用したものです。最近ではCOBOLのままAPI経由でプログラムを呼び出したりマイクロサービス化したりする機能拡張が図られています。
もう1つは、2021年10月にAWSへ合流した仏Blu Age社が開発したツールを使った機能です。このツールはCOBOLやPL/I、RPGといったレガシーシステムのプログラムコードを解析し、ソースコードをリファクタリングした上でモダンなJavaに変換します。Blu AgeはこれまでにAWS Lambdaのサーバーレス環境でCOBOLシステムを稼働させる「Serverless COBOL for AWS」を提供してきましたが、このBlu AgeがAWS Mainframe Modernizationに含まれるようになりました。