調査レポート

概略

概略

  • 世界中の消費者が、この18カ月の間に価値観や目的意識を大きく変化させました。
  • この「消費者のパラダイムシフト」は、健康や安全、製品が作られた背景などへの自らの新たな価値観に対して、企業が最大限配慮することを期待しています。
  • 消費者は今後、自分にとって重要な価値観に寄り添うブランドに対してはより多くの出費もいとわなくなる一方、そうではないブランドからは離反していくと考えられます。


新たな価値観、新たな期待

新型コロナウイルス(COVID-19)がもたらしたパンデミックを背景に、消費者のブランドに対する期待は過去に類を見ないほど急速かつ劇的に変化を遂げました。

アクセンチュアは世界22カ国で2万5,000人以上の消費者を対象にした最新の調査に加えて、フォローアップとして5か国でのフォーカスグループインタビューを実施しました。消費者の50%は、パンデミックを機に自らの目的意識を見直し、人生で何が重要かを考え直したと回答しています。そして、これらの「消費者のパラダイムシフト」の購買習慣は、調査対象とした14業界全てにおいて確実な変化を見せつつあります。

消費者のパンデミックに対するリアクションは個々それぞれでしたが、共通した変化が1つあります。それは、購入の意思決定です。つまり、かつてはステレオタイプ化されていた購入の意思決定を皆が見直したのです。

価格と品質は昔も今も消費者にとっての購入の意思決定における重要なモチベーションです。しかしながら、消費者のパラダイムシフトにとって、価格と品質が意思決定に及ぼす影響は小さくなりつつあります。

新たなモチベーションとは

アクセンチュアの調査を通じて、消費者のパラダイムシフトにおける5つの購入に対する共通するモチベーションが明らかになりました。この5つのモチベーションはいずれも、より快適に過ごしたい、製品やサービスまたそれを提供する企業を信頼したい、という考え方に基づいています。よって、消費者は製品やサービス、それを提供する企業を選ぶ際、以下のポイントを重視します。

「自分そして周辺環境の安全に配慮しているか」「また、その企業で働く従業員の安全にも配慮しているか」

マスクを常に着用し、ソーシャルディスタンスを意識する生活が1年以上続く社会環境を背景に、消費者は、健康と安全に非常に敏感になっています。いわば消費者は、安全でいたいという強迫観念にとりつかれているのです。

「私のことを覚えてくれているか」「可能な限りパーソナルな体験を提供してくれるか」「私が本当に必要とする時にサービスを利用できるか」

オンラインショッピングの拡大に伴い、消費者はカスタマーサービスに、これまで以上のことを期待するようになっています。スピーディーな対応はもちろんのこと、個人のニーズをこれまで以上に尊重し、配慮するよう求めています。

「デジタルの世界でも、リアルな世界でも、また双方が混在した世界でもニーズに応えてくれるか」「私が必要とするものを、私が必要とする時に、どのチャネルでも提供してくれるか」

パンデミック後の世界でも、手軽さと利便性に対する消費者の期待が低下することはありません。むしろ消費者は"Everywhere Commerce" を望んでおり、購入の始めと終わりが同じ場所や同じ手段である必要がない環境を求めています。

「地球環境や社会に対する責任、また企業としての責任を果たしているか」「サステナブルな選択肢を与えてくれるか」「地域社会をサポートしてくれるか」

フォーカスグループインタビューの結果からも、製品の原料、生産方法、輸送距離といった情報を求める消費者が増えていることが分かっています。

「自社のためだけではなく、すべての消費者のために正しい行動を実践する企業として信頼できるか」「掲げているパーパス(理念や目標)にふさわしい活動を実践する企業として信頼できるか」

消費者のパラダイムシフトは、パンデミック禍においても、一貫したパーパスに基づいて行動し、社会に貢献していることを明らかにできる企業、そして従業員を大切にする企業を求めています。

Life Reimagined: How our values have changed

Life Reimagined: How our motivations are evolving

Life Reimagined: How our expectations are expanding

新たな環境に対し、企業はいかにして適応すべきか

以下の「Stay/Go, Pay/No」 の2軸のマトリクスを用いることで、企業は既存の製品やサービスがとるべき方針をリスクとメリットに基づき評価することができます。

企業が既存の製品やサービスがとるべき方針をリスクとメリットに基づき評価する「Stay/Go, Pay/No」の2軸のマトリクス

Stay/Go, Pay/No: 消費者の継続利用、追加の出費が期待できる製品やサービスの評価

(各事例は調査対象の業界を基に想定)

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消費者のニーズに応えるために、企業はパンデミック禍においても持続不可能なレベルの多額のコストを投じてきました。企業は今後、パンデミックの中で提供を開始した新たなサービスや、消費者の希望を叶えるために行ってきた譲歩について、そのまま提供し続けるべきかどうかを評価する必要があります。消費者は、パンデミックを通じて学んだことを簡単には忘れないはずです。1つないし複数の製品やサービスを理由とした消費者の乗り換え、継続利用、追加出費の意向について理解を深めることで、企業は各々の製品やサービスがとるべき方針がもたらし得るリスクとメリットを計ることができるでしょう。

著者について

木原 久明

ビジネス コンサルティング本部 カスタマー&セールス プラクティス 日本統括 マネジング・ディレクター


Mark Curtis

Managing Director – Interactive, Head of Innovation and Thought Leadership


Kevin Quiring

Managing Director, Global Lead – Customer Insight & Growth Strategy


Bill Theofilou

Senior Managing Director – Accenture Strategy, CEO & Enterprise Strategy Global Lead


Agneta Björnsjö

Principal Director – Accenture Research

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