アクセンチュア・ストラテジー 調査レポート

レポートの概要

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  • テクノロジーが進化しソーシャルメディアが普及したことで、誰でも自分の意見や信念を世界中に発信できる時代になりました。
  • 現代の消費者は、商品の品質や価格だけではなく、ブランドの持つ価値観や言動を評価して購買行動を決定します。
  • ブランドは、企業が作り上げた収益化の手段というだけではなく、ブランド・コミュニティによって認められ成長する社会的な資産へと変化しつつあります。


世界35カ国、およそ3万人の消費者を対象に、アクセンチュア・ストラテジーが実施した最新のグローバル調査の結果、日本では消費者の70%が、企業に対して「サステナビリティや透明性、公正な雇用など自分が関心を持つ問題についての態度を明確にしてほしい」と考えていることがわかりました。この傾向は若い世代ほど強く、24歳以下における同回答者の割合は80%に達しています。

消費者の期待に応えることができない企業は、高い代償を支払うことになります。

53%

グローバルでは、消費者の半数以上(53%)が企業ブランドの社会問題に関する言動に失望を感じています。日本でも若い世代を中心に同様の傾向が見られ、24歳以下では40%もの消費者が不満を抱いています。

31%

企業ブランドに失望した際、日本の消費者の31%が製品やサービスの購入をやめており、更にその4分の1の消費者がそのブランドを今後決して利用しないと回答しています。

企業ブランドの価値観が自分と同じであってほしいという消費者の期待は、企業にとって大変難しい課題です。しかし、その期待に応えることができれば、忠実で購買意欲の高い優良顧客とのより良い関係を築くことができ、企業のコンペティティブ・アジリティ(市場競争における敏捷性)を社会に証明する機会にもなり得ます。

ブランドの持つ存在意義が消費者の購買意思や企業競争力を決定づける

日本における詳細な数値を見てみましょう。

Japan Local Stats

ブランドは誰のものか?

ごく最近まで、ブランドはそれを作り出して育成した企業だけの収益源でした。しかし現在は、株主や従業員、消費者によって形成されるブランド・コミュニティの財産でもあると考えられつつあります。

活発なブランド・コミュニティでは、経営幹部や投資家、従業員によってブランドのアイデンティティやケイパビリティが形作られ、消費者の言動を通じてもたらされるインサイトによって、市場競争力の高いパーパス・ドリブン・ブランドが確立されます。

日本の消費者の60%以上が、ソーシャルメディアのコメントや商品のボイコットなどによる個人の言動が、企業ブランドにおける不祥事の際の対応や社会問題に関する姿勢に、大きな影響を与えるものであると確信しています。

「親近感」を超える結びつきへ

企業にとって消費者はビジネスにおけるステークホルダーであり重要な存在です。消費者は、経営や製造・調達方法の透明性や有意義なサービスの提供、社会的信用に対するコミットメントを企業ブランドに求めています。消費者に信頼される企業ブランドは強力な味方を得ることになりますが、信頼されない場合には容赦のない批判にさらされることになります。

企業の商品やサービスにおける価格、品質、CX(カスタマー・エクスペリエンス)は多くの企業が熱心に研究している重要な属性です。しかし、市場競争力の向上を目指す企業がさらに飛躍するためには、新しい手法と概念を獲得する必要があります。

多くの消費者の期待に応え、差別化された商品やサービスを提供するためには「ブランド・パーパス」(ブランドの持つ存在意義)の確立が不可欠です。ブランド・パーパスは、事業における基盤であり、ブランドが消費者にとって有意義で欠くことのできない存在となるための核です。企業は、消費者の価値観に寄り添いながら、企業の文化、透明性、倫理観などにおいて他社を圧倒するブランド・パーパスを確立する必要があります。



同じブランドは存在しない

アクセンチュア・ストラテジーは今回の調査から、ブランド・パーパスの形成に影響を及ぼす可能性のある要素と、ブランド・パーパスが企業の競争力に与える影響を明らかにしました。

地域性

成熟度の高い市場における企業は、消費者の個人的なエクスペリエンスとともに、コミュニティによる集合的価値や経験の共有がもたらす影響にも注目しています。

製品カテゴリー

洗濯用洗剤などの日用品を販売する企業では、サービスとしてエクスペリエンスを提供する企業に比べ、ブランド・パーパスが企業の競争力に与える影響が低くなります。

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ブランドの成熟度

新興の未成熟なブランドでは、市場で長い歴史と高い品質を誇る老舗ブランドに対抗するために、ブランド・パーパスを戦略的に利用しています。

世代特性

ブランド・パーパスを検討する際には、ブランドがターゲットとする消費者の世代特性を理解する必要があります。

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エコシステムの確立

ブランド・エコシステムを通じて、ブランド・パーパスがグループ規模のコミュニティに浸透することで、企業活動がより有効に機能しやすくなります。

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目的を有効化する

3つの基本方針がパーパス・ドリブン・ブランディングを成功に導きます。

人間らしくあること 消費者、従業員、エコシステムをはじめとするあらゆるステークホルダーとのつながりを強化することで、共通する価値観を特定して差別化を図るべき事業領域が明確になります。ここでカギとなるのがコミュニケーションです。日本の消費者の70%が、企業は商品の調達における透明性を高めて安全な労働環境を確立し、動物実験などの重要な問題に対する姿勢を明確に示すべきだと考えています。

わかりやすく、確かであること口先だけのブランド・パーパスが消費者の心を動かすことはありません。真の信頼と強力なリーダーシップ、率直な言動を消費者に示すことが大切です。今回の調査では、日本の消費者の65%が、企業のトップの言動や価値観、信念が、商品やサービス購入時のブランドの選択に影響していると回答しています。

クリエイティブであること 企業は消費者を単なる購買者としてではなく、コンペティティブ・アジリティを実現するための重要なパートナーであることを認識してブランド・エコシステムにおける活動に注力すべきです。さまざまなチャネルを通じて売上に貢献するインフルエンサーとして、クラウドソーシングに参加して新たなイノベーションに積極的に投資する投資家として、消費者が企業のビジネスパートナーとして担う役割は無限に広がります。

特別な存在であるために行動を開始する

ただモノを売るだけではなく消費者の声に耳を傾け、社会問題に対して明確な姿勢を示す企業ほど、消費者とより深くつながった新たな関係を構築する傾向が強くなっています。

パーパス・ドリブン・ブランディングが機能すると、「消費者=モノを買うだけの人」という従来の概念は消滅します。企業は、企業活動への参加意欲が高く忠実な消費者や投資家を含むすべてのステークホルダーと連携するブランド・コミュニティをいち早く確立することで、強固なエンゲージメントと高度な市場競争力を持つ新領域をリードする特別な存在となるでしょう。

パーパス・ドリブン・ブランディングについての詳細はレポート全文をご覧ください。

レイチェル・バートン(Rachel Barton)

アクセンチュア・ストラテジー マネジング・ディレクター


石川雅崇(Masataka Ishikawa)

アクセンチュア・ストラテジー マネジング・ディレクター


ケビン・クウィリング(Kevin Quiring)

アクセンチュア・ストラテジー マネジング・ディレクター


ビル・テオフィル(Bill Theofilou

アクセンチュア・ストラテジー シニア・マネジング・ディレクター

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基本情報

(所要時間:約20分)

レポート全文を読む(英語)

最も競争力の高い企業は、ただ売ること以上の「何か」を確立しています。

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インフォグラフィック

消費者は企業ブランドが商売の枠を超えて明瞭な存在目的を確立することを期待しています。

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(所要時間:約5分)

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