調査レポート

概略

概略

  • 製造業のデジタル化であるインダストリー4.0(第4次産業革命)のビジョンが大々的に発表されてから約10年が経ちました。
  • この節目に、製造業におけるオペレーションDX(デジタル変革)の進捗状況の評価を目的として世界各国の約600社を対象に調査を実施しました。
  • 製造業におけるオペレーション全体の成熟度は、平均39% (すべてのデジタル機能が適用、展開された状態を100%とした場合)にとどまっています。
  • しかし、調査対象の17%を占める「バリューメーカー」 (成熟したオペレーションDXによって大きな価値を生み出している企業)と呼べる少数の企業は、デジタルテクノロジーとソリューションを通じて実践的で持続可能な価値を生み出しています。


よりコネクテッドでインテリジェントな企業の強み

インダストリー4.0のビジョンが発表されてから約10年が経ちました。しかし多くの企業は、製造業のデジタル化を実現するために苦戦を続けています。調査対象のほとんどの企業が、PoC(概念実証)を終えています。しかしながら、適切な注力と投資がなければ、これらの企業はデジタル化の成熟という目標を実現することはできないでしょう。

デジタル成熟度は業界分野ごとに大きくばらついています。一般に、デジタルソリューションやデータ駆動型のソリューションが企業のパフォーマンスに大きく影響する、または生産性を大幅に向上させる可能性がある業界でデジタル機能の成熟度が高い傾向にあります。一方で、すでに無駄のないオペレーションが実現されており生産性の改善の余地がほとんどない場合や、デジタル化より優先度の高い課題を抱えている場合にはデジタル成熟度は低くなります。



今回の調査では、デジタル化を正しく実行している少数の企業群を特定しました。これらの企業は調査対象の600社のうち17%を占めており、非常に成熟したオペレーションDXによって大きな価値(収益と生産性で評価)を生み出しています。「バリューメーカー」と名付けたこの企業群では、デジタルプラットフォームやインフラストラクチャに多額の投資を行っています。また、高度なデジタル機能を備えたソリューションに特に注目しています。その結果、バリューメーカーは営業利益に大きな恩恵を受けています。

オペレーションDXの実現には財務的にも大きなコミットメントが必要であり、一部の企業が望むほど簡単ではありません。バリューメーカーが成功を収めているのは、オペレーションDXを大規模に推進しているからです。大規模なオペレーションDXを成功させるためには、デジタル化に貢献する主要な成功要因である、スキル、リーダーシップ、ガバナンスについて理解し、意識的に取り組む必要があります。

製造業におけるオペレーションDX(デジタル変革)とは、先進のデジタル技術を導入して組織と働き方を変革することで、エンジニアリング、製造、サプライチェーンの効率化、顧客体験および持続可能性を、これまでにない高い水準に引き上げることを意味します。

開始から10年近くが経過しているにもかかわらず、ほとんどの企業でインダストリー4.0のビジョンに向けた取り組みは遅々として進んでいません。ごく一部のバリューメーカー企業だけが意欲的に前進しており、今後何年にもわたりそれぞれの業界をリードしていく絶好のポジションを独占している状況にあります。バリューメーカーはオペレーションのデジタル化で勝利を収め、他の企業がまだ基本的なデジタル機能の実装に苦戦しているのに対し、より高度なデジタル機能の展開に着手しています。

バリューメーカーと伝統主義者*の間のギャップは非常に大きく、大規模な対策と投資を今すぐ実行しなければ追いつくことはできないでしょう。
* 調査対象の39%を占め、投資額が比較的少なくデジタル機能が弱い。営業利益もわずかな伸びにとどまっている。

本調査について

本調査は、製造業におけるオペレーションDXの進捗状況の評価を目的として世界各国の約600社を対象に実施しました。調査対象のデジタル成熟度の平均は39%(デジタル機能が完全に展開された状態を100%とした場合)で、大部分の企業がPoC(概念実証)フェーズを終え、スケールアップフェーズに移行している段階です。

本調査では製造業の中でも他の企業とは異なる特徴を持つ企業群を特定しています。「バリューメーカー」と名付けたこれらの企業は、デジタル技術とソリューションに対する深いコミットメント、多額の投資、主要な成功要因に注力した取り組みが実践的で持続可能な価値をいかに生み出すことができるかを示しています。

成功しているこれらの企業の取り組みからは、製造業全体のDXを加速し、デジタル化による価値を引き出すための多くのヒントを得ることができます。

河野 真一郎

ビジネス コンサルティング本部 インダストリーXグループ日本統括 アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京共同統括 マネジング・ディレクター


Max Blanchet

Managing Director – Strategy, Industry X, and Supply Chain, Europe Lead


Jeff McKinney

Managing Director – Strategy, Industry X, North America Lead


Russ Rasmus

Managing Director – Strategy, Industry X Lead

寄稿者

Mario F. Diaz

Director – Offering Development, Industry X


Nicolas Moreau

Director – Strategy, Industry X


Jeff Wheless

Principal Director – Global Industry X Research

関連コンテンツはこちら

デジタル変革の投資を最大化する5つの指針
デジタルを活用したSCMの真髄

ニュースレター
最新コラム・調査をニュースレターで 最新コラム・調査をニュースレターで