医療資源の負荷分散、患者の受診行動の変化とともに、医療サービスの提供場所の分散・連携がスタンダードになっていきます。この環境変化は「医療サービスの結果・成果重視」へのシフトを一層加速させます。診断・診療のあり方が多様化する中で、増大し続ける医療費を抑えながら患者にとっての価値を維持・向上するためには、これからの医療は成果を起点とした医療サービスをトータルで捉えることが重要です。
成果を起点とした医療サービス、すなわち「医療アウトカム」の最大化に向けて、医療機関に医療機器やサービスを提供する医療機器メーカーが考えるべき点は2つのポイントがあります。
- 顧客の顧客である「患者にとっての価値提供」をいかに最大化していくか。
「患者にとっての価値提供の最大化」にあたっては、「点」から「線」へのアプローチが求められます。疾患の予防・認識から予後に至るまでの患者の行動・思考・感情などの体験プロセスを表す"ペイシェント・ジャーニー"に注目し、患者体験の連続性を「線」として捉えることで、診断・診療といった個別の医療サービスを「点」で支援する医療機器・ソリューションでは解決が難しかった課題にフォーカスすることができます。
例えば、LINEヘルスケアが提供するオンライン健康相談では、2020年2月の問い合わせが前月比の40倍にまで増加しました。このとき、オンラインでのコミュニケーションを用いて適切な医療サービスの提供者・従事者へとつなぎ、いかにして診断・診療の質を担保するかが課題となりました。連続性・一貫性のあるペイシェント・ジャーニーの実現には「患者データ」の活用が必須となります。健康管理データを外部に提供し、活用していくことの重要性について理解が深まりつつある今が、医療機器メーカーがサービス提供を行うチャンスです。
- 医療サービスを提供する医療機関・医療従事者の業務を効率化し、医療サービスの提供コストを削減 ~中国やフランスの事例~
「医療機関・医療従者の業務効率化」でも、医療サービスにおける一連の業務をエンド・ツー・エンドで捉え直す必要があります。業務と業務をつなぐ課題解決にも、病院業務のデジタル化とデータの活用がポイントとなります。医療サービスの提供におけるAIやオンライン/リモートの有効性・必要性が強く認識された今では、より早いスピードで新しいテクノロジーの受け入れが進むことでしょう。
「患者にとっての価値提供の最大化」にあたっては、「点」から「線」へのアプローチが求められます。疾患の予防・認識から予後に至るまでの患者の行動・思考・感情などの体験プロセスを表す"ペイシェント・ジャーニー"に注目し、患者体験の連続性を「線」として捉えることで、診断・診療といった個別の医療サービスを「点」で支援する医療機器・ソリューションでは解決が難しかった課題にフォーカスすることができます。
例えば、LINEヘルスケアが提供するオンライン健康相談では、2020年2月の問い合わせが前月比の40倍にまで増加しました。このとき、オンラインでのコミュニケーションを用いて適切な医療サービスの提供者・従事者へとつなぎ、いかにして診断・診療の質を担保するかが課題となりました。連続性・一貫性のあるペイシェント・ジャーニーの実現には「患者データ」の活用が必須となります。健康管理データを外部に提供し、活用していくことの重要性について理解が深まりつつある今が、医療機器メーカーがサービス提供を行うチャンスです。
「医療機関・医療従者の業務効率化」でも、医療サービスにおける一連の業務をエンド・ツー・エンドで捉え直す必要があります。業務と業務をつなぐ課題解決にも、病院業務のデジタル化とデータの活用がポイントとなります。医療サービスの提供におけるAIやオンライン/リモートの有効性・必要性が強く認識された今では、より早いスピードで新しいテクノロジーの受け入れが進むことでしょう。
実際に、中国の工業情報化部では、数百を超える病院に対してCT画像診断のためのAIソフトウェアの導入が進められています。フランスにおいては、医師からの遠隔医療体制の整備に向けた需要が急増したことで、遠隔医療ソフトウェア導入の問い合わせが40%増加しました。医療サービスの一部がデジタル化されることで、そこで生まれるデータに対してAIを活用していく余地が生まれます。このデータを活用することで、医療機関・医療従事者の業務効率を改善することが可能になります。
医療のステークホルダーである医療従事者・患者の体験を「点」ではなく「線」で捉えることで、提供価値を最大化し、医療サービスのデジタル化を通じて生まれる「データ」を積極的に活用することで体験をシームレスにつないでいく。これらが、医療アウトカムの最大化に向けた重要なポイントとなります。