概略

概略

  • ポスト・デジタル時代をけん引するには、“ひと”とテクノロジーとの関わり方を再定義する必要があります。
  • “ひと”がかつてないほど多くのテクノロジーを自らの働き方や暮らしに組み込んでいる一方で、企業は今なお、従来型のモデルを踏襲して、製品やサービスを提供しています。
  • 企業は、こうした“ひと”のニーズや期待と、それらにそぐわないビジネスモデルやテクノロジー活用方法の不一致(テック・クラッシュ)を解決し、テクノロジーを活用してより良い世の中を構築しなければなりません。


今日のビジネス環境が「テクノロジーに対する反発(テック・ラッシュ)」と表現されることがありますが、この表現には、社会がテクノロジーの恩恵を受けているという事実が反映されていません。アクセンチュアの調査によると、52%の消費者が、テクノロジーは重要な役割を果たしている、もしくは日常生活のほぼ全ての側面に深く根付いていると回答しています。さらに、19%の消費者が、テクノロジーは日常生活と密接に結びついており、切っても切り離せない存在だと述べています。また、世界の人口の過半数に相当する45億人もの人が、1日に平均6.4時間をインターネットの閲覧に費やしており、デジタルテクノロジーが社会の至る所に偏在していることは明らかです。

テック・ラッシュという表現は、「“ひと”のニーズや期待と、それらにそぐわないビジネスモデルやテクノロジー活用方法の不一致(テック・クラッシュ)」と表現するほうが適切です。“ひと”の日常生活のなかでテクノロジーが果たす重要な役割を考えると、“ひと”がテクノロジーにより多くの期待を寄せるのも当然といえるでしょう。しかし、企業は今なお、従来型のモデルを踏襲して、製品やサービスを提供しており、これらの企業が採用しているアプローチに対する疑念が生じています。

テック・クラッシュをいかに乗り切るかは、次の10年で経営層が直面する最大の課題です。これまで企業は、従来の成功事例と同様に、テクノロジー導入のロードマップに従うことで大きな利益を得てきました。しかし、デジタルテクノロジーが偏在する時代において、企業が生き残るためには、従来のビジネスモデルを見直し、“ひと”に寄り添ったモデルへと再構築する必要があります。

これからの時代をけん引するには、従来までの企業の在り方を見直し、“ひと”とテクノロジーとの関わり方を再定義する必要があります。

2020年のテクノロジートレンド

社会全体でテクノロジーの影響力がこれまで以上に高まるなか、次の10年間において企業が成功するためには、企業が、顧客、従業員、パートナーと共に未来を描くことのできる新たなモデルを構築することが不可欠です。以下に今年の5つのテクノロジートレンドを紹介しています。

  • 体験の中の「私」(The I in Experience)
    企業は、個人の選択肢の幅が広がるように、一人ひとりに合わせた体験を設計することが必要になります。「自分でコントロールできず、蚊帳の外に置かれている」といった感覚を与えてしまう一方通行の体験を、双方向性を持った体験に変えることで、 “ひと”に積極性をもたらすことが可能になります。
  • AIと私(AI and Me)
    企業は、人工知能(AI)を自動化のための手段ではなく、業務に付加価値をもたらすものとして活用することが不可欠です。AIが日々進化する中、企業は信頼性と透明性を担保しながら、業務にAIを組み込んでいくために、業務のあり方を再考する必要があります。
  • スマート・シングスのジレンマ(The Dilemma of Smart Things)
    製品は常にベータ版であるという時代に突入し、製品を所有することの基本概念が揺らぎ始めています。企業がデジタル体験を起点にした新たな製品を模索する中、こうした新たな時代の到来に備えることは不可欠です。
  • 解き放たれるロボット(Robots in the Wild)
    ロボティクスが活躍する場はもはや、倉庫や工場だけではありません。5Gの登場によりロボティクスの活用がさらに加速していく中、あらゆる企業はこうした傾向を踏まえて、自社の未来を考え直す必要に迫られます。
  • イノベーションのDNA(Innovation DNA)
    企業は、分散型台帳、AI、拡張現実、量子コンピューティングをはじめとした、かつてないほど多様な破壊的テクノロジーを活用できる環境に置かれています。企業がこれらをすべて管理し、市場が求める速さで進化するためには、自社独自のイノベーションのDNAを構築する必要があります。

英語版テクノロジービジョンはこちら

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