“クラウド“はインダストリー・リインベンションのカタリスト(触媒)

クラウドは、業界や産業構造、社会構造をも変え得る力を持っているテクノロジーです。企業が業界激変を主導して自社の成長軌道を改めて確立するためにも、クラウドを梃子にした戦略の立案と実行が不可欠です。

企業の多くはクラウドを「データセンターの代替」として捉える傾向が強く、「データセンターをそのまま利用し続けた場合と比べ、クラウド化を進めることで得られるコスト削減効果がどれほどか」といった議論がよく交わされます。そのために、移行コストの回収可能性が具体的に描けるアプリケーションだけをクラウドへ移行し、全社的なコスト効率性やアジリティ向上などの恩恵を十分に得られないばかりか、データがオンプレミス、クラウドに分断することによりデータ活用のハードルがかえって上がってしまうようなケースが見受けられるなど、クラウドがもたらしうる潜在価値を十分に享受できない結果にとどまってしますリスクがあります。

2020年代に入り、クラウドの意味するものは大きく様変わりしました。社会へのデジタルの浸透が進むなかで、これまでのITインフラにとどまらず、IoT、エッジコンピューティング、AI・機械学習、データプラットフォームなども含めて、“クラウド”を大きなパラダイムシフトの動きとして大きくとらえるべき時代になっています。

アクセンチュアが「ハイパースケーラー」と総称している、世界的シェアを持つクラウドプロバイダー各社は、顧客のイノベーションに利する領域へ年間数千億~数兆円もの投資を継続しています。こうしたプレイヤーは近年、エッジコンピューティングや、AI・機械学習といった産業のイノベーションのキーになり得る技術を圧倒的なスピードで開発し続けています。また、各業界・産業に特化したデータを掌握する、バーティカルSaaSプレイヤーも大きな勢いをもって来ています。

各業界の先進企業は、こうしたクラウド事業者をエコシステムパートナーと位置付け、外部リソースとして活用することで自社のビジネスイノベーションや、それらを通じた社会改革・産業構造変革を実現しています。

いまやクラウドは、ビジネスアジリティ獲得に加えて新しい社会価値創出をもたらす強力なドライバーです。データやAIとクラウドを活用することで社会・産業変革を起こせるかどうか、その変革を自社が次の成長軌道を描くための幹として取り組めるかが問われています。

これまでのITインフラにとどまらず、IoT、エッジコンピューティング、AI・機械学習、データプラットフォームなども含めて、“クラウド”を大きなパラダイムシフトの動きとして大きくとらえるべき時代になっています。

経営戦略から技術導入、運用まで一貫して支援

例えば、データ/AIとクラウドの利用による価値の具体例として、各業界・産業で標準化されたデータをクラウド上で共有することで生産・在庫情報を組み合わせて余剰在庫・廃棄率を改善するといったようにバリューチェーンを横断して業務の圧倒的な効率化を実現することができます。

IoTやデジタルツイン、低遅延・高セキュリティな5G・MEC(Multi-access Edge Computing)と呼ばれる先進技術を組み合わせて業界変革を仕掛けることで、業界・産業変革の中心に自らを位置づけ、その結果を社会やエコシステムプレイヤーに利益として分け合えるようになります。

こうした戦略的なクラウド活用を実現するには、次の2つの「壁」が経営者の前に立ち塞がります。

  1. 短期的な採算を度外視してクラウドへシフトするというコスト面の壁。
  2. これまで競争優位の源泉とされてきた業務領域において、オープン戦略を採用しクラウド事業者や周辺プレイヤーと連携したエコシステムにより戦うというソーシング戦略面の壁。

こうした壁を乗り越え、クラウドをはじめとした先進テクノロジーを、単なるインフラ技術としてではなく経営の武器として能動的に活用する経営者のリーダーシップの発揮が欠かせません。

アクセンチュアは業界別の知見とクラウドに関する経験を掛け合わせた「クラウド・インダストリー・ソリューション」

アクセンチュアは業界別の知見とクラウドに関する経験を掛け合わせた「クラウド・インダストリー・ソリューション」によって、日本企業が上記のような壁を乗り越え、クラウドの戦略的活用を実現できるようご支援します。

コンサルティング企業であるアクセンチュアはお客様企業の経営改革に対し、最適かつ最良のソリューションのご提案や選択のお手伝いが可能なパートナーです。

製薬や素材メーカーに見るクラウドを梃子とした変革事例

昨今、業界や産業、業務の領域に最適化されたクラウドのサービスは、幅広い企業に多様な価値を提供しています。各業界の中でも先進企業は、そうしたクラウドの力を推進力としてバリューチェーンの変革を進め、機能強化に取り組んでいます。

たとえば、製薬業界や化学業界などで始まりつつある、データドリブンなR&Dを実現するためには、社内外データの圧倒的な蓄積、AI/機械学習のスキル獲得に加えて、クラウドゆえの拡張性・接続柔軟性、パフォーマンスが不可欠です。

IT基盤としてクラウドへの転換を進める過程においては、社内データのサイロ化やセキュリティ起因でのデータ活用の制限の壁を再整備して、データ基盤整備とプロセスの再構築の推進を同時並行で実施します。効率的な研究開発体制への刷新、定型業務の負荷の解消などが可能となり、プロジェクトを有機的に高速回転させる仕組みへのシフトが実現します。

加えて、生産系や基幹システムのトランスフォーメーション、R&D統合データベースやデータアナリティクスの基盤をクラウド上に構築するなど、全社的な業務変革・IT変革を共に行うことで、自社データの流動性を高めることも重要です。

一気にクラウドを前提とした業務モデルへシフトすることで、圧倒的なスピードでの新薬・素材等を開発することで、他社に対する競争優位を再構築することができるのです。

アクセンチュアとハイパースケーラー各社とのアライアンスや協業体制は強固ですが、各社のサービスや機能を第3者の視点で客観的に評価する公平性も有しています。しかしアクセンチュアがご提供する価値の本質は、エコシステムパートナーとして、より大きな価値をクラウドから引き出し、お客様へご提供できる点にあります。例えば、世界初となる楽天モバイルの完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークの立ち上げを支援した事例など、提供実績は国内外に豊富にあります。

以上のように、クラウド・インダストリー・ソリューションは、お客様企業がクラウドを活用して業務改革に取り組み、イノベーションの実現をご支援するエンド・ツー・エンドのサービスとして、世界中の先端企業へ価値をご提供しています。

村上 隆文

ビジネス コンサルティング本部 テクノロジーストラテジー&アドバイザリーグループ日本統括 マネジング・ディレクター

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