東京ガス: カスタマーサポートにおけるヒトとAIの協業で生産性、顧客満足度を向上
東京ガスカスタマーサポート(TGCS)では、電話応対業務における課題として、コミュニケーターが参照する情報が適切に整備されていないという問題を抱えていました。AI Poweredナレッジシェアリングによる情報整備や検索性の改善により、生産性及びお客さま満足度の向上を図りました。
東京ガスカスタマーサポート(TGCS)では、電話応対業務における課題として、コミュニケーターが参照する情報が適切に整備されていないという問題を抱えていました。AI Poweredナレッジシェアリングによる情報整備や検索性の改善により、生産性及びお客さま満足度の向上を図りました。
TGCSでは、ガス・電気・サービスに関わるあらゆる問い合わせや要望に複数のチャネルで365日受付できる体制を整えています。お客さまへの最適対応を追及し、低コストで適切かつ正確な応対をすることで、将来的にはTGCS自身がグループ利益向上における重要な戦略ポジションを担うことを目指しています。
実現に向けて、受付領域における抜本的な業務プロセスの改革が求められました。現場では、サービスの拡大などに伴い応対の対象となる業務が複雑化している、顧客サポートに必要な情報が迅速に見つけづらいなどの課題が挙げられました。必要な参照情報が適切に整備されていないために、スタッフの経験値や業務の発生頻度によって、対応レベルのばらつきも見られました。
取組として、まずは、参照情報の適切な整備に着手をしました。参照する情報の一元管理やAIソリューションを活用した検索性の高いツール導入することで、
といった課題に対応すべく、取り組みが開始しました。また、この取り組みが将来的に、お客さまの自己解決促進による呼量削減や無人受付などの自動応答による応対コスト削減の達成に向けた基礎としての役割を果たす基盤となることも、視野に入れたうえで、検討が行われました。
実現をするうえで活用されたのがAI Poweredナレッジシェアリング。高度な検索と情報提供で、ユーザーの意思決定をサポートするソリューションです。業務のシチュエーションによって、情報を優先的に表示する等、検索性を継続的に学習・改善していくため、受付業務を担当するコミュニケーターの業務効率化や意思決定のサポートをすることができます。
情報の一括検索
従来は、情報が一か所に集約されていないために、必要な情報を検索するのに時間がかかっていましたが、情報をまとめて一括で検索できるようにデータベースを統合しました。
高度な検索性、高い操作性
情報の種類によって最適化された形式で情報が閲覧できるようにしています。
例えば、手順や操作方法の問い合わせがあった場合、対応手順をステップごとに構造化して表示し、項目ごとの操作に応じて必要な聴取項目が提示されます。
エスカレーションログ導入による最新データの蓄積
今まで、管理者のサポートが必要だった問い合わせについても、エスカレーションログを導入することで、一度回答した質問内容が迅速にデータベースに蓄積され、コミュニケーター自身で解決することが可能になりました。
音声認識との連携によるワンクリック検索
当初はコミュニケーターが顧客との会話内容を基に、手入力で検索をしていました。音声認識との連携により、会話内容をAIに判断させ、自動的に適切な検索文字列を検索ボックスに提示、コミュニケーターがワンクリックで検索できるようにしました。
この「AI Poweredナレッジシェアリング」によって、必要な情報を素早く確実に確認できるようになり、コミュニケーターの回答サポートや意思決定がスムーズに行われています。具体的な結果として、以下のような効果創出を実現しています。
「エスカレーションログという管理者の知識が集約された機能が実装されたことで、エスカレーションの削減に繋がりました。管理者の立場から見ても、過去の事例などを参照することができるので、問題解決の糸口になっています。」
「従来は、知らない業務に取り組む際はマンツーマンのOJTや教育の時間が必要でしたが、確認項目リストの導入により、知らない業務でも電話応対の基礎さえ学んでいれば、受付ができそうな気がします。」
「オペレーションガイドラインやFAQなど、リアルタイムで簡単に情報を更新することができるようになりました。」
「今後、独自のアレンジ機能を追加したり、検索精度を更に向上させることで、より進化させていきたい。」
日々、現場の意見を取り入れながら情報が更新されていくという形で、検索精度の向上を目指しています。企業が持つデータの価値を最大化し、最新のデータを現場の最前線で活用することができるようになりました。
(写真:上段 左から)
(写真:下段 左から)
チャットボットや更なるAIの活用により、お客さまからの定型業務のお問い合わせには完全無人受付が完了できるよう取り組みを進めていく予定です。
14%
オペレーターから管理者へのエスカレーション率を14%削減(全体のコールにおけるエスカレーション割合を8.1%から7%に減少)
10秒
オペレーター応答時間は情報を探す作業を中心に平均10秒短縮