電力業界における販売活動のデータ駆動型変革

これまで規制に守られてきた電力業界は、電力自由化や脱炭素などの潮流を受けて大きな転換点を迎えています。アクセンチュアのAIグループでは、電力業界におけるデータエコシステム構築によって高度な顧客理解に基づくビジネスモデルの変革を支援します。

電力業界をとりまく環境変化

近年、電力業界は人口減少、制度改革、脱炭素化、分散化、デジタル化という5つの大きな業界構造変化の渦中にあります。

なかでも、制度改革の影響を受けて電力会社は発電部門/送配電部門/小売部門に分離され、それぞれの事業で採算性が求められるようになりました。これらの部門のうち、特に大きな変化が起こっているのが小売部門です。

人口減少や分散電源化によって電気契約数は年々減少するなか、2016年に電力小売りの自由化がなされました。これによって新電力の参入が相次ぎ、今では700社以上(2021/4時点)の電力小売プレーヤーがひしめき合っています。これまで地域独占で事業運営を行っていた電力会社は、重要な収益基盤を新たなプレーヤーに奪われていくなか、顧客の繋ぎとめに苦戦しています。

データ駆動型販売モデルで実現できることは、データ収集・統合、データ分析からサービス開発まで多岐にわたる。

深い顧客理解で"電気売りからの脱却"を目指す

電力商材は差別化が難しいうえに、消費者にとって電気代は生活の基本支出として認識されています。このため、日常生活において消費者の"電気"への関心はあまり高くありません。

そこで、電力各社は契約獲得に向けて消費者を振り向かせようと、対面営業や訪問などの強い顧客接点を活用した値引きやポイント/キャッシュバック等による顧客獲得競争を繰り広げ、消耗戦の様相を呈しています。

こうした熾烈な競争から脱却しようと、近年の電力小売業界では"電気売りからの脱却"が進み始めています。電力各社は電力販売を軸にしつつ、様々な商材を取り揃え、"日々の暮らしを支える利便性の高い顧客体験"の提供によって顧客を囲い込むとともに、顧客単価を上げることで収益規模の拡大を図ろうとしています。

こうした顧客体験を提供するにはまず、顧客を正しく理解することが必要です。しかし近年、急速なデジタル化にCOVID-19の影響も相まって、消費者のライフスタイルは多様化しており、顧客理解の難易度は増す一方です。

これからのデジタル社会において、データ活用によって複雑化する顧客のニーズを捉えていくことが重要になっています。

社内データを超えた活用

これまで規制に守られてきた電力業界では、総括原価方式のもと全ての消費者に電力を安定的に供給し、電力料金を正しく計算・請求することに重点が置かれていました。

このため、主に保管しているデータは記録を目的としたものが多く、データが分散していたり、平仄が合っていなかったりと、データがすぐに活用できる状態にないケースが散見されます。

近年は、スマートメーターの普及によって一般家庭の電力利用状況が30分単位で把握出来るようになってきました。これによって消費者の家庭内のライフスタイルが理解出来るようになりつつあります。

しかし、こうした電力使用量や契約情報だけでは多様化する顧客を解像度高く理解することは困難です。そこで、電力業界におけるデータ活用では、特に社内データを超えて第三者データを掛け合わせていくことが顧客理解のカギになります。

さらに、契約者の個人と家庭を理解しながら、ライフステージに応じて求められるニーズを捉えたストーリー性のある料金プランや各種商材・サービスの提供によってトップラインの向上を目指していくことが重要です。

電力小売業界におけるデータ駆動型販売モデル

"データ駆動型販売モデル"では、電力会社の保有する社内データと第三者データを組み合わせたデータエコシステムを構築することで、顧客の消費行動を適切に捉えた販売・サービス開発を実現します。

さらに、サービス提供後も顧客と継続的なコミュニケーションを実施することで消耗戦を超えた顧客との強固な関係構築に取り組みます。

  1. 外部データとの連携
  2. アライアンスを強化し電力会社の保有するデータに外部データを組み合わせてデータの価値を向上

  3. 顧客の消費行動・ニーズの理解
  4. 外部データを組み合わせたデータ分析によって顧客インサイトを抽出

  5. 体験価値向上・ロイヤルティ形成
  6. 顧客のニーズに合わせたサービス提供や継続的なコミュニケーションを通じて顧客との強固な関係を構築

データ駆動型販売モデルで実現できることは、データ収集・統合、データ分析からサービス開発まで多岐にわたる。

DDX for Utilityで実現できること

これまで地域独占で電力を供給してきた電力会社にとって、マーケティング活動の歴史は浅く、各社手探りの状況にあります。そこで本サービスでは、電力・ガス事業だけでなく、小売、不動産、金融サービス事業などと連携したデータエコシステムを活用することで、顧客のライフステージやライフスタイルから顧客ニーズを捉え、収益拡大を実現する企業への変革をご支援します。

1. データを用いた顧客理解に基づくマーケティング活動の立ち上げ

電力データにアクセンチュアのアライアンス企業を含む第三者データを組み合わせ、顧客理解を通して戦略から実行までを設計

  • 地域特有の消費者行動の理解
  • 顧客ニーズを捉えた販売戦略策定やサービス開発

2. トライ&エラーを支える環境の整備

マーケティング活動をタイムリーに正しく捉え、試行錯誤を支える仕組みを構築

  • 社内データと第三者データを収集・分析可能なデータエコシステム
  • 意思決定に重要なKPIの定義と見える化
  • 社員の挑戦を評価する制度構築

3. データ活用文化の定着

アクセンチュアが培ってきた"電力業界知見"と"データ活用マーケティングのノウハウ"を掛け合わせた、顧客起点の販売活動への業務変革・定着伴走型支援

  • 効果測定などの分析設計を織り込んだ販売施策の検討
  • データから地域特有の消費者インサイトを捉えた高速PDCAサイクルの構築

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支援事例

電力販売におけるお客様企業のマーケティング高度化に貢献しています。

  • 電力A社:顧客行動の見える化による販売戦略策定
  • 電力B社:データ分析基盤とダッシュボード構築による迅速な意決決定改革
  • 電力C社:ハンズオンでのデータ分析人材育成
  • 電力D社:データ活用に向けた他社とのアライアンス企画・オペレーション設計・実行改革

リーダー紹介