課題―求める変化

「お客さまがデジタルネイティブ世代へと移り変わる中、ダイレクト型損害保険を提供する私たちイーデザイン損保もさらなるステップアップが求められています。そこで保険(インシュアランス)と技術(テクノロジー)を掛け合わせた“インシュアテック保険会社”へと生まれ変わるビジネス変革を推進するとともに、デジタル時代に最適な新しい共創型自動車保険の提供を目指すことにしました」
イーデザイン損害保険株式会社 取締役社長 桑原茂雄氏

新型コロナウイルス感染症のパンデミックをきっかけに、世の中で進み始めていたデジタル化があらゆる領域で一気に加速しています。顧客のニーズは単にオンラインで商品を購入できるサービスに留まらず、生活に意味があり、新たな体験が得られるサービスへと変化しています。これは保険業界も例外ではありません。

イーデザイン損害保険株式会社(以下、イーデザイン損保)は、顧客を取り巻く環境やニーズの変化に即応するためには徹底して顧客の視点に立ち、顧客に寄り添い続けるサービスを提供することが必要だと考えました。まずは新たなサービスで顧客へ約束・提供したいパーパスの再定義から着手。アクセンチュアとのコラボレーションのもと顧客体験への落とし込みを繰り返し、ミッション・ビジョン・バリューの再定義も行いました。「いざという時の備え」という従来の自動車保険の在り方を顧客視点で見直し、顧客が本当に求めているのは「事故にあわない、事故を起こさない」ことだと思い至ります。その結果、再定義したパーパス「事故時の安心だけでなく、事故のない世界そのものを、お客さまと共創する」に基づき、アクセンチュアとのコラボレーションのもと、最先端のデジタルテクノロジーを活用し安心・安全なカーライフを実現するサービスの開発が始まりました。

イーデザイン損害保険株式会社 取締役社長 桑原茂雄氏

取り組み―技術と人間の創意工夫

顧客に寄り添い続ける保険
デジタルネイティブ世代をメインターゲットに2021年11月にサービス提供を開始した共創型自動車保険「&e(アンディー)」(以下、&e)は、顧客(保険契約者)を取り巻く環境や一人ひとりのニーズの変化に寄り添うことができる新しい自動車保険サービスです。

デジタル技術とデータで安全運転をサポート
世界先端の保険システムをフルクラウド型で構築したことで、&eはデジタルの利便性を最大限に取り入れることができます。&eは「事故のない世界を共創する」というパーパスの実現に向け「データで安全をつくる」をコンセプトにした事故削減取組「Safe Drive With」を開始し、世の中のあらゆるデータを使って事故を起こすリスク、事故にあうリスクを減らし、社会全体が安全で快適になることを目指しているのです。その一例として、Apple Watchで取得できる心拍数データ等を活用した実証実験も始まっています。

事故防止のため自動車にはすでに自動ブレーキなどの安全運転支援機能が搭載され、実際に事故も減っています。しかし事故をなくすには自動車の進化のみでは不十分で、運転者の不注意や好ましくない運転操作(急加速・急ブレーキ・急ハンドル等)、交通法規・マナー違反などをなくすことが不可欠です。そこでイーデザイン損保はIoTセンサーを活用し、&eの顧客に安全運転をサポートする機能を提供することにしました。&eはすべての顧客に対して無償でIoTセンサーを提供。運転者の運転データを取得・モニタリングし、走行経路や運転中の挙動を診断して安全運転をサポートします。安全運転を継続すると、コーヒーなど運転時の休憩に役立つ特典と交換できるポイントが付与される他、万一の事故発生時の衝撃を自動で検知しスマートフォン上のワンタップで事故連絡を行ったり、位置情報との組み合わせで事故状況を再現する機能も備えています。

パーパスの実現に向けワンチームで団結
&eの開発には、システムを含む社内の仕組み・プロセスの再構築が欠かせませんでした。そこで、&eの開発プロジェクトでは縦割になっていた各部署からメンバーを集め新たに『CX推進部』を設置し、カスタマージャーニーを一気通貫で考えるところから始めました。イーデザイン損保とアクセンチュアがワンチームとなってパーパスの実現に向け取り組んだ結果、プロジェクトのスタートからわずか1年半という短期間で&eをリリースすることができました。

成果―創出された価値

アクセンチュアはこれらのイーデザイン損保の、ミッション・ビジョン・バリューの構造整理、顧客体験設計から業務プロセス改革、&eのサービス設計、UI/UXのデザインまでを全般にわたり支援しました。変化し続ける顧客ニーズに対応して革新的で競争力の高いデジタルサービスを迅速に投入できるよう、「AWS」「Salesforce」といったクラウドファーストのアプローチ、および日本の金融機関やその他の業種でも多くの実績導入のある「Accenture Connected Technology Solutions(ACTS)」も提案。北海道、会津、大阪や中国、フィリピンなどの拠点から、保険業務やデジタル技術に精通した専門コンサルタント、顧客体験の創出を中心にビジネス全体の変革支援を行うコンサルタントとデザイナー、さらにサービスを支える最適なシステムアーキテクチャの設計・構築を担当するエンジニアなど、部門を超えたエキスパートを結集して短期間でのサービス実現を支援しました。

「アクセンチュアにはビジネス・デザイン・ITと幅広い領域で支援いただきました。プロジェクトマネジメントを行うPMOについても、ビジネス側とIT側の両方を支援いただくとともに、ビジネス・IT横断でプロジェクトを見る全体PMOの設置を含めたさまざまな提案をいただきました。これによりビジネス側とIT側のコミュニケーションロスがなくなり、結果的に短期間で開発することができたと思います。また、インシュアテック保険会社を目指すにはAI活用やデータ分析といった最先端デジタル技術の知見が必要になりますが、自社にはそうしたリソースがありません。これを補完するケイパビリティを提供してくれたことも、アクセンチュアならではの価値だと評価しています」
イーデザイン損害保険株式会社 取締役社長 桑原茂雄氏

アクセンチュアが提唱している“Business of Experience (BX)”は、パーパスを明確にし、優れた顧客体験を継続的に提供できるようビジネス全体を変革することで持続的な成長を実現するというアプローチであり、パーパスを具現化した&eはまさにBXの好事例です。イーデザイン損保はこれまでにない顧客体験を創出する&eをインシュアテック保険会社としての重要な一歩ととらえ、継続的に&eに蓄積されるデータを用いてさらに魅力的な顧客体験を提供していく計画です。例えば、IoTセンサーで加齢による判断力の変化を検知しお客さまごとに安全運転のアドバイスを提供することで高齢ドライバーの事故を減らすといった社会課題の解決にも貢献したいと考えています。

「アクセンチュアは&eがイーデザイン損保の成長を加速させる新たなエンジンとなれるように今後もサービス品質の改善やシステムの保守・運用を担当するとともに、同社がインシュアテック保険会社としてさらに大きく飛躍するための支援を続けてまいります」
常務執行役員 金融サービス本部 兼 インクルージョン&ダイバーシティ日本統括 堀江 章子

右から、久保、桑原氏、イーデザイン損害保険株式会社 CX推進部アシスタントマネジャー 安藤 愛美氏、堀江
※新型コロナウイルスの感染予防のため、インタビューはマスク着用およびソーシャルディスタンスを確保して安全に行いました。マスクの取り外しは写真撮影時に限った一時的なものであり、飛沫等に配慮して撮影しております。

1チーム

イーデザイン損保、アクセンチュアのメンバーがワンチームとなりプロジェクトを遂行

1年半

パーパス再定義からサービス開始までに要した時間

500+

参画した専門家の人数

チーム紹介

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