アクセンチュアとAWSが協働してお客様のクラウド活用を推進し、新たなビジネス価値の創出を支援しているAABG(Accenture AWS Business Group)のプロジェクト事例について、ご紹介します。

お客様企業の概要

日東電工は、エレクトロニクス、トランスポーテーション、ライフサイエンス、社会インフラ、環境関連など様々な業界に幅広く製品を提供している総合部材メーカーです。
粘着、塗工、高分子機能制御、高分子分析・評価の4つの基幹技術をベースに、スマートフォンやテレビなどの画面表示に必要不可欠な偏光フィルムをはじめ、工業用テープ、自動車用部材、医療用関連製品など様々な製品を提供しています。
現在、新しい価値の創出を通じて社会課題解決と企業価値向上を両立し、人々のより快適な暮らしを実現させることに挑戦しています。

沿革

電気機器に欠かせない絶縁材料の国産化の実現を目指し、1918年に東京で創業するも空襲で焼失し1946年に本社を大阪へ移転。1961年にニューヨーク駐在所を開設して海外進出をスタートし、1969年には台湾で初の生産を開始、その後も積極的な海外展開を続け、現在グローバルに92社(日本20社、海外72社:2019年4月1日現在)を有しております。

2017年にアクセンチュアと同社のITプラットフォームのクラウド移行へ向けた取り組みを開始。システム保守をアクセンチュアが受け持ち、同社のIT部門はデジタルトランスフォーメーションへ向けた取り組みに注力するという、明確な機能分担を実施しています。

課題

日東電工のIT部門では従来、「システム構築を担当した人材が、その後も保守業務に長期間にわたって拘束されてしまうこと」を課題として捉えていました。そこでアクセンチュアが保守運用を担い、IT部門社員はよりアグレッシブな取り組みに集中するための分離体制を共に構築していくことを決めました。

また、同社のIT部門の目標は、「自社の成長に貢献するITであること」。そのための変革として、3つのテーマを掲げています。

  1. IoTやAIといった先端ITを組み合わせた事業を創出し、「自ら稼げるIT部門」へと変革する
  2. ものづくりを支援するITとして、キャッシュアウトを削減する
  3. 事業を支えるグローバル経営基盤ERPを刷新する

そして、これらのIT施策をすべてクラウドプラットフォーム上で構築する点を中期計画における戦略として位置付けています。

同社ではオンプレミスのサーバーを全廃し、クラウド・バイ・デフォルト原則に準じたITプラットフォームを整備することで、事業側の求める俊敏な対応力を持つIT基盤の実現をテーマとして掲げています。

その背景にはSaaSの普及や「働き方改革」といった社会的なトレンドの変化もあります。同社では、リモートワークへの対応力強化の面でもインターネット上に自社システムを配備する方が良いと判断し、クラウド化を推進しました。

アクセンチュアの役割

アクセンチュアは2017年よりITシステムの保守運用を全面的に担当しています。これと並行し、同社のITプラットフォームのクラウド移行へ向けた取り組みを支援しています。

日東電工では、すべてのサーバーとITサービスのクラウドサービスを「NCP(Nitto Cloud Platform)」として提供しています。NCPは、実際に稼働しているサービスがどのベンダーのものであっても、ユーザー部門にはクラウドプロバイダーの違いを意識させることなくラッピングして提供することをコンセプトとしています。

予測の難しい未来の需要に対応し、事業変革を支援するITプラットフォームであるためには、安全かつ柔軟であることが求められます。日東電工がクラウドに求めた要件は次の4点に集約されます。

  1. コスト効率化
  2. 堅牢性とセキュリティ
  3. スピードと柔軟性
  4. 標準化・ガバナンス

アクセンチュアはクラウドベンダーの選定において最新の知見と情報を提供しました。最終的に日東電工は、第三者調査機関の評価やサービス内容を含めた総合的な判断として、標準のクラウドサービスとしてアマゾン ウェブ サービス(AWS)の採用を決定しました。

導入において同社はクラウド移行を目的とするのではなく、「短期間での自社社員のマインドチェンジ・カルチャーチェンジ」が主目的であることから、最速で目的達成するために単純移行を基本戦略とし、ツールの制約などで移行不可能なシステムのみリプレースする方針をとり、効率的な移行を実践しています。アクセンチュアは移行業務(戦略立案・計画・各種調整・設計・移行・試験・運用)をサポートし、約1年半での移行完了と全サーバーのAWS上での稼働を見込んでいます。

成果

NCPではインフラ管理領域として、監視サービス、バックアップ/災害対策、ジョブ管理、通知、認証、インフラ領域、ストレージ、データベースなどのサービスをすでに提供しています。

日東電工グループはグローバル企業のため、ユーザー部門向けにAWSの東京と3つの海外リージョンでNCPを用意し、拠点から最も近いリージョンを利用するようにルール化しました。また、ユーザー部門への共通サービスの整備や、ユーザーが利用時に迷わないようなガイドラインや環境も用意しています。

同社では、約510台のサーバーのクラウド化にあたり、IT部門とユーザー部門の密なコミュケーションを実施しています。多くの場合、IT側は専門用語を頻繁に使ってしまうなど、言葉がしばしば意思疎通を阻害しがちですが、アクセンチュアもメンバーの一員となって橋渡し役を務めるなど、円滑なコミュニケーションの実現を支援しました。

お客様からのコメント

「今後のIT部門は事業のトップライン向上に直接的に貢献していくことが必要です。特に、新事業を自ら創造するなど、IT部門が率先して付加価値をつけてビジネスをリードする時代になると考えています。
私は製造部門の責任者を務めた経験が長く、製造現場で歩留まり改善の取り組みを多く手がけてきました。今回のクラウド移行のプロジェクトでは、ものづくりにおける「走りながらクオリティを高めていく」コンセプトを踏襲し、まずはサービスを作り、可用性向上は追随しながら行うテーマとして位置付けました。
アクセンチュアにはAABG(アクセンチュアAWSビジネスグループ:お客様のクラウド活用を推進・支援するために、グローバルレベルでアクセンチュアとAWSが立ち上げたビジネス推進グループ)の知見を活かした積極的な新技術の紹介に期待しています。」(日東電工株式会社 理事 IT統括部長 家倉健吉氏)

「IT部門がコストセンターとなる時代は過去のものだと考えています。当社が属する製造業は成果重視の世界です。クラウド化によって、売上向上や製造コスト削減へ直接貢献するなど、成果へと結実させていく予定です。
数十年にわたって増改築を繰り返してきたレガシーシステムの移行にあたり、アクセンチュアには当社との協働の中で、事前想定の範囲外のトラブルなどにも迅速に対応してもらえました。障害発生時の即時対応力を一層強化しながら、今後もクラウドプラットフォームの運用にさらに磨きをかけていきます」 (日東電工株式会社 IT統括部 IT改革推進部 ITプラットフォームグループ 中江勇喜氏)

今後の展望

日東電工では今後、ITと製造現場のツインエンジン体制で、グループ全社規模のデジタルトランスフォーメーションを推進していく予定です。

また日東電工では、AWSへ移行する前からすでにプライベートクラウドで仮想基盤を運用していたため直接的なコスト比較はできませんが、今後はシステム利用のセルフサービス化やリードタイム削減による運用コスト削減を進め、トータルでの費用対効果が現れてくると見込んでいます。

左から
アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 エンタープライズ営業本部 製造・産業営業部
担当部長 濵口 翼氏
アクセンチュア株式会社 テクノロジーコンサルティング本部 シニア・マネジャー 兼 AABG (Accenture AWS Business Group) Japan Go-to-Market Lead 関 良太
日東電工株式会社 理事 IT統括部長 家倉 健吉氏 
日東電工株式会社 IT統括部 IT改革推進部 ITプラットフォームグループ 中江 勇喜氏

家倉健吉氏

日東電工株式会社 理事 IT統括部長


中江勇喜氏

日東電工株式会社 IT統括部 IT改革推進部 ITプラットフォームグループ


関 良太

アクセンチュア株式会社 テクノロジーコンサルティング本部 シニア・マネジャー 兼 AABG (Accenture AWS Business Group), Lead​ – Go-to-Market, Japan

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