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成長戦略としてのフィンテック
日本型エコシステムの共創を通じた発展の道筋



概要

  • フィンテックは、オープンイノベーションを通じた新たな社会価値の創造により、エコシステム参加者が各々の成長を実現する、新たな成長戦略としての意味合いを強めています。

  • 2016年は約1,800件、230億ドルもの資金が、幅広い地域・事業・技術に跨るフィンテックのスタートアップ企業に投資され、このトレンドがグローバル全体の大きなうねりとなっています。

  • 日本における2016年のフィンテック投資は、前年比135%増の約1.5億ドルと順調な伸びを見せています。中長期的には、社会課題解決型のイノベーション創出の「場」として、日本の持つ好条件を生かすことで更なる発展が期待されます。

囡1グローバルフィンテック投資の推移(2010年〜2016年)

フィンテック活用の広がり

囡4フィンテック投資の広が (2016年
  • 2016 年のグローバルにおけるフィンテック投資は、アジア・パシフィックの飛躍により、1,790 件、232 億ドルと更なる伸長を見せています。

  • 金額的成長は落ち着きを見せつつありますが、ディール件数は引き続き伸長していること、及び近年のシリコンバレーのVC 投資が毎年100 億ドル規模であることを踏まえると、フィンテックに対する期待値は引き続き高いと理解できます。

  • フィンテック投資の地域的な分散、事業・技術領域のカバレッジの広がりを勘案すると、従来は変化の乏しかった金融ビジネスが、時代に即した新たな価値の創造を期待されるビジネスへと進化した、といっても過言ではないでしょう。


成長戦略としてのフィンテック活用

  • フィンテックのスタートアップ企業やデジタルに注力する金融機関は、その他の金融機関と比べて、大きく上回る期待を市場から受けています。フィンテックを活用した金融イノベーションが、金融機関の将来成長を支える競争優位の源泉として認知されているのです。

  • 如何にしてイノベーションによる競争力を身に付けるか、またイノベーションを生み出しやすい土壌として、如何にしてオープンイノベーションのエコシステムを築き上げるかが、今後の成長戦略を考えるにあたっての最重要課題となります。

  • Capital IQ による分析によれば、GAFAA(Google, Apple, Facebook, Amazon,Alibaba)及び代表的なフィンテック企業の将来成長期待価値5(Future Growth Value)は40% を超え、市場において高い将来性が認められています。同様に、デジタル化のリーダーともいうべき銀行(Goldman Sachs, JP Morgan, Barclays, BBVA 等、全22 行) についても、20% と高い数字を示しています。

  • デジタル化が未成熟な銀行は-11% であることを鑑みると、デジタル化・フィンテック活用は金融機関の成長にとって重要なケイパビリティの1 つと言えます。


囡6デジタル注力企業のポテンシャル
囡7オーブンイノペーシヨンを通じた共塵!の条件

日本市場への示唆

図10フィンテックのクラスタイ匕に向けたポテンシャル
図9金融機関が取り組むべきこと
  • 2016 年の日本におけるフィンテック投資は前年比135% 増の1.5 億ドル(14 件)となり、順調に国内フィンテック市場が成長していることが分かります。グローバルと比較すると、フィンテック先行国や急進国(母国規模活用型・ハブ型)は、いずれもフィンテック投資額が自国GDP 対比で0.04%程度の水準まで到達している一方で、日本はその他の国と同様に0.004% と1桁の差が存在します。見方を変えれば、国の潜在力を引き出すことで、現在より10 倍程度の規模にまで成長するポテンシャルを持っていると言えます。

  • 日本は、世界第3 位を誇る経済規模に加え、東京における人口・産業集積の密度や多様性の観点から、異業種・異文化の出会いをきっかけとしたイノベーション創出の土壌として、圧倒的に有利な環境が整っています。これをイノベーションのプラットフォームとして活用し、グローバルでも先端的なイノベーションを継続的に産み出すことが、日本市場をグローバルのフィンテック・ハブに押し上げ、もう一段上のフィンテック活性化を促すドライバーとなるでしょう。

金融機関・伝統的企業に求められること

  • 金融機関や伝統的企業が、オープンイノベーションを自社の成長戦略として機能させるためには、フィンテックを単なる情報収集活動や本業と無関係な領域での社会的アピールに留めず、全社的な事業構造転換のドライバーとして活用するための仕掛けづくりが重要となります。

  • 日本の金融産業は「護送船団方式」と呼ばれていた時代を象徴として、規制産業としての特性と産業の効率的な育成を重視する政策から、金融機関に均質・画一的なサービスを提供することを求めてきた歴史的経過があります。そのため、金融機関はビジネスモデルの多様化よりも事業範囲の地域的な拡大や顧客基盤拡大と、テクノロジーを活用した事業効率性の確保といった、規模の経済性の追求に傾倒してきました。その結果として、金融機関の企業文化には、誠実・確実なテクノロジー投資を重視する姿勢が徹底されています。

  • ます。こうした企業がオープンイノベーションを有効に活用する文化へと変革するためには、大きな発想の転換が必要となります。具体的には、顧客起点のサービスとしてスタートアップ企業や異業種企業と一体となりエコシステム型ビジネスの展開を前提とするとともに、そうした事業展開を促進するために「マネジメント」「テクノロジー基盤」「商品開発プロセス」「人材」の4つの自己変革を迫られています。


破壊的テクノロジーへの着眼

  • ブロックチェーン、API、AI・ロボティクスといった、市場インフラのリプラットフォームを起こすようなテクノロジーに対して投資が振り向きつつあります。

  • 近年、ブロックチェーン技術への注目度は高まっており、ビットコイン、分散型台帳技術(DLT:Distributed Ledger Technology)、スマートコントラクト、コンセンサスアルゴリズムといったキーワードや、ブロックチェーン技術を活用したビジネスへの取り組み、不祥事等が、毎日のように紙面を賑わしています。ブロックチェーンがビジネスにもたらすインパクトは3つのタイプに分類できます。

  • API 技術は様々な金融サービスに活用されており、EC サイトからのカード決済や、PFM ツールによる金融資産情報のアグリゲーション等、消費者の日常生活に広く浸透しています。API がビジネスにもたらすインパクトは3 つに分類できます。

  • AI・ロボティクスは、本邦金融機関での導入がここ数年で飛躍的に進展しており、ルール化されたオペレーション・判断業務を機械に代替させる「ロボティクス・プロセス・オートメーション(RPA)」や、顧客接点業務でのAI エージェント、チャットボットの導入が相次いで発表されています。AI・ロボティクスがビジネスにもたらすインパクトは2 つに分類できます。


囡5テクノロジー領域:新興技術へのシフト

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