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【保険業界向けBPO】経営アジェンダ解決のためのBPO活用の可能性

所要時間:約3分

2022/11/28

オペレーションズコンサルティング本部インシュアランス・オペレーションズ・グループ マネジング・ディレクターの村部 浩伸です。保険会社様向けのBPOサービスを担当させていただいています。

保険業界においては、以前からBPOへの関心度は金融機関の中でも相対的に高く、パンチエントリーや書類送付といった定型的かつ効率性の追求を目的とした業務プロセスのアウトソーシングが行われてきました。しかしながら、VUCAと呼ばれる変化の激しい世の中で、保険会社を取り巻く環境も日々大きく変わり、従来型のBPOの活用のみでは、その変化に柔軟に適応し、企業としての競争力を維持・向上させていくことが困難になってきているのではないでしょうか。

こうした中、必然的にBPOのサービスがお客様へ提供すべき価値もその可能性を拡大し、業界全体での新たな価値を伴うBPO活用の潮流は今後ますます大きくなっていくものと見ています。

本稿では、新しいBPOの潮流とそれを実現するアクセンチュアのBPOサービスについてお話したいと思います。

■生損保ビジネスの動向

最初に、保険業界のビジネスの動きについて簡単に触れておきたいと思います。

生命保険は、人口動態の変化に大きな影響を受けるビジネスであり、少子高齢化の進展によりマーケットは年々縮小していっています。これを受けて、保険会社では事務社員が余剰化してきているものの、その余剰人財の活用を社内での配置変換では補いきれていない、という課題が大きくなってきています。

一方の損害保険は、人的・経済的なリスクを補填するビジネスですが、デジタルテクノロジーを活用し事故や損失などを予防するプリベンション技術の発展に伴いマーケットの縮小が予測されています。このため、ロスプリベンションの未来に備えて、デジタルを活用した保険コア業務の効率化および新しい領域へのシフト(人財再配置)が急がれます。

■BPOが果たせる役割

以下のような経営アジェンダに対して、BPOのニーズが高まっています。

① 事務オペレーションコスト削減
従来型アジェンダであるコスト削減へのニーズは依然として高いものの、自社シェアード・サービス・センター(SSC)/既存BPOベンダー活用のみではその目的を達成することが難しくなってきています。

② 業務集約化
保険会社は合併・併合を繰り返してきている歴史があり、同一グループ・企業内であっても、異なるプロセス・手順で運営しているケースが多く、業務の集約・標準化による更なる効率化が求められています。

③ ランオフへの対応
売り止め商品を長期間にわたり保守し続けないといけない(保全・保険料収納、保険金の支払い手続き)が、現行商品との事務手続きの差異により発生する事務複線化、売り止め商品の保守を担当できる熟練事務社員の高齢化(レジリエンス観点)や高コスト構造など問題があります。

④ デジタル推進
デジタルテクノロジーを活用した業務効率化の必要性が高まっているものの、自社内に経験・知見もしくは対応余力がなく、実行性のあるDXの進展の妨げとなっています。

⑤ 経済情勢、COVID-19への対応
新型コロナウイルス蔓延による給付金請求増加や、コロナ禍でのリモートワーク切り替えの早期推進、円安によるドル建て商品の解約申し出など、これまでにないペースで業務の在り方そのもの変化や処理件数の変動への迅速な対応を迫られています。

このように、これまでのBPOは上記①にあるコスト削減にフォーカスして議論されることが中心でしたが、私たちアクセンチュアはそうは考えていません。

■アクセンチュアのBPOサービス  “Not BPO” = “BTO”

私たちのサービスはBPOであって、現行業務の単純な外部委託という性質を持つBPOではありません。従来型のBPO(Business Process Outsourcing)とは一線を画するサービスとして事務のアウトソーシングではなく、企業の経営課題を解決するための変革、すなわちトランスフォーメーション・ジャーニーを一気通貫で伴走します。私たちはこれをBTO(Business Transformation Outsourcing)と呼んでいます。

例えば従来型のBPOであれば、企業はまず自社内で業務や体制に見直しなどを進めたうえで、その後続として事務作業の遂行自体を外部化する、といった流れが一般的でした。

一方、アクセンチュアのBTOサービスでは、その初期段階からコンサルタントが参画し企業変革のロードマップ全体を描き、様々な分野のケイパビリティを駆使しながら変革の実行そのものまでをクライアントと伴走します。

前述のように、生損保業界を取り巻く環境の変化は年々その激しさを増しています。従来型の企業変革やBPOだけではその変化に適応し競争力を維持していくことは困難です。そのため、変革の初期段階から具体的な結果を出し切る実行段階までのEnd to Endフェーズ、顧客設定を起点とした保険コア業務プロセスの開始から後続のバックオフィス処理までのEnd to Endプロセス、これら二つのEnd to Endにフォーカスした変革を共に走り切るBTOこそが、今後の保険会社の成長に欠かせないものとなるでしょう。

ご興味をお持ちの方は、ぜひとも私どもにお気軽にお問い合わせいただければと思います。

筆者

村部 浩伸

オペレーションズ コンサルティング本部 マネジング・ディレクター