デジタルコマースの次のステージへ

デジタルコマースは、店舗体験における重要な側面をまだ再現するには至っていません。店舗において、消費者は購入前に商品を触ったり試したりしながら品質、技術、サイズ、フィット感などを確認し、その商品が自分のニーズや期待に合っているかどうかを判断することができます。これによって消費者は、総合的な判断を得たり手触りを確認したり透明性を得ることによって、購買意欲を高めていくのです。つまり、体験が重要なのです。

リアルとデジタルのギャップがチャンスを逃す

消費者はデジタルコマースの便利さを気に入っているとはいえ、実際に体験したことのない商品をオンラインで購入する際、はっきりとした確信を持てていません。「このカシミヤセーターは丁寧に編まれている?」「このソファはリビングルームに合う?」「この口紅の発色は?」これらの疑問への答えは玄関先に商品が届き実際に自分の目で確かめてみるまで、すべて推測の域を出ません。

ブランドはこのリアルとデジタルのギャップを解決しようとしてきました。しかし、商品動画、インフルエンサーとのパートナーシップ、手厚い返品ポリシーだけでは十分ではありません。物理的なものとデジタルの間の知覚的な隔たりによって、オンラインでの売上拡大の機会を逸することになりかねないのです。また、検討期間が長く、購入に対して慎重さが必要なために一般的にはオンライン販売が不向きとされる自動車や高級品のような製品カテゴリーを持つブランドも、販売拡大のチャンスを逃しています。しかし、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で消費者がオンラインでより多くの種類の商品を購入することにオープンになっている今、ブランドはこの溝を埋めなければならないというプレッシャーを感じています。

没入型技術-目新しさから実用のフェーズ​へ

デジタルコマースで成功するには、購入に対する自信を消費者に与えられる製品やサービスの没入型の体験が必要です。驚くべきことに、大手B2Cブランドはすでにこのことを理解しています。アクセンチュアの分析によると、現在64%の企業がコマースの没入型体験への投資を始めていることが明らかになりました。しかし、その多くはビジネス全体で拡張性や一貫性のある方法で投資しているわけではありません。デジタルの世界で消費者に商品を身近に感じてもらうため、商品ページに3Dモデルを掲載したり、パーソナライズされたメイクパレットを提案したり、バーチャルファッションショーを開催したり、と一部の投資に留まっています。

64%

大手B2Cブランドの64%が没入型体験への投資を始めています。

次世代のショッピング体験を可能にするのは没入型技術(XR)です。拡張現実(AR)、360°ビデオ、3Dコンテンツ、仮想現実(VR)などほんの数年前には一風変わったテクノロジーだったものが 十分に成熟し、強力な実用性を備えるようになっています。幸いなことに、これらのテクノロジーはこれまで以上に洗練されているだけでなく、ブランドにとっても非常に導入しやすい価格を実現してきているのです。

黒川 順一郎

執行役員 インタラクティブ本部 統括本部長​


加藤 圭介

インタラクティブ本部 マネジング・ディレクター​

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