大手自動車メーカーが自らの力で業界のトレンドをコントロールできる時代は過ぎ去りました。業界では今、CASE (コネクティビティ、自動運転技術、シェアリングエコノミー、電化)という極めて強力な4つのメガトレンドが革命を起こしつつあります。これら4つが組み合わさった時、その力はまさに破壊的なものとなります。
現代の顧客は、他の業界のサービスにおけるさまざまな体験や革新的な技術に触発された結果、自動車販売にも次世代の新たなジャーニーを求めるようになっています。特に若い顧客層は、現在の自動車の購入プロセスに不満を覚える人が多くなっています。
香港のバイトン(Byton)、米カヌー(Canoo)、 英カーワウ(Carwow)といった新たな創造的破壊者は、まさに近未来を先取りする自動車を手ごろな価格で提供しながら、変化する市場環境に呼応しています。しかし最も重視すべきなのは、こうした新興企業がシンプルかつ利便性に優れた購入プロセスを顧客に提供し、既存の自動車メーカーに大きな課題を突きつけていることです。
こうした状況を見ても、従来の自動車メーカーは販売戦略と販売網を再構築していかなければ、未来の顧客ニーズに応え、競争優位性を維持していくことが困難になることは明白です。