課題―求める変化

概要

アドバンテッジパートナーズ・ユーグレナ・東京センチュリーの3社によるキューサイの買収に際して、アクセンチュアはビジネスデューデリジェンスに関わり、入札成功への支援を図りました。

3社からなる投資コンソーシアムより依頼を受けたアクセンチュアは、対象会社のビジネスモデルや事業構成、売上推移といった現状分析を実施して課題を抽出。それにもとづいて投資後の成長戦略・事業計画の策定、経営管理体制や実行プランの立案などの提案を行いました。

キューサイの課題

キューサイはテレビ通信販売チャネルを通じて、健康食品・化粧品販売事業を展開する1965年創業の老舗企業です。1982年に冷凍食品製造技術を活用したケール青汁の製造・販売を開始し、その後はヘルスケアやスキンケアなど消費者の“生活の質(QoL:Quality of Life)”向上に貢献する商品へと事業領域を広げていきました。代表的な製品には、ケール青汁「ザ・ケール」、サプリメント「ひざサポートコラーゲン」、化粧品「コラリッチ」などがあります。

業界の老舗として商品開発力や顧客基盤、通信販売ナレッジに強みを持つキューサイですが、親会社の方針もあり、成長に向けた投資に十分に取り組めていない状態でした。その結果、市場シェアでは優位な地位にある同社の主力商品についても、適切な施策がタイムリーに実施できず、苦境に陥っていました。

キューサイ買収を企図

キューサイの商品開発力や顧客基盤、通販ノウハウを高く評価し、さらなる成長を実現するポテンシャルは十分にあると判断した、アドバンテッジパートナーズ・ユーグレナ・東京センチュリーの3社からなる投資コンソーシアムは、キューサイの買収を目指すことにしました。健康食品・化粧品販売事業を主力とするキューサイは、低迷している業績を上昇軌道にのせるだけではなく、単なるTV通販事業にとどまらない競争力を有する企業に進化させるための成長戦略を描く必要がありました。また、投資案件としても注目度が高かったため、収益性向上を高い精度で裏づけることのできることが期待されておりました。

そこで、投資コンソーシアムはM&Aに豊富な実績と知見を有するアクセンチュアに事業デューデリジェンスを依頼。アクセンチュアが経営管理やビジネスモデル、事業計画などを投資コンソーシアムと連携、詳細に調査・分析し、キューサイの事業性を評価しました。

取り組み―技術と人間の創意工夫

アクセンチュアの役割

事業デューデリジェンスを担当したアクセンチュアはまず、対象会社であるキューサイのビジネスモデルや事業構成・売上推移の調査・分析を実施しました。ビジネスモデルについては、サプリメントや化粧品でヒット商品を生み出すなど高い研究開発・商品企画力を備えるとともに、テレビコマーシャルとコールセンターによる強固な販売体制に強みがあることがわかりました。事業構成は主力3商品で売上の大半を占めていますが、直近では予算削減という親会社の方針を受け、広告にも十分な投資をできず、売上が減少していました。

この分析結果から投資後の戦略・方針を策定するため、主力3商品を対象に特性の異なる数十人に対してデプスインタビューを行うとともに、数千人に対してアンケートを実施しました。このような定性・定量での分析から商品の価値を特定し、キューサイの課題の真因と解決策を検討。仮説検証サイクルを数度回しながら、策定すべき戦略・方針を立案しました。

また、「通信販売を中心とする健康食品/化粧品販売企業」から、お客さまが年齢を重ねることに上手に向き合っていくことを支援する「ウェルエイジング支援カンパニー」への事業転換を希望する投資コンソーシアムの投資仮説に沿って、訴求価値が微妙に異なっていた主力3商品を、改めてウェルエイジングの文脈で訴求価値を定義し直しました。

重要PAM施策を提案

さらにアクセンチュアが取り組んだのが、旧親会社傘下で生じた組織上の課題、およびオフィスや情報システムなどインフラの課題を抽出することでした。組織の骨格や役割・責任範囲、ガバナンス、企業風土についての問題を明らかにし、情報システムについても投資の妥当性やシステム開発・運用・保守体制の課題を指摘しました。

これらの課題の解決および成長戦略を描くために、アクセンチュアは投資後重点施策を立案。「テレビ通販チャネル強化」「ECチャネル強化」「店舗流通強化」といったテーマごとに施策を分類し、具体的な取り組みや活用すべき人材像も含め全方位での提案を行いました。また投資余力創出、重点施策の実行計画など、投資後に取り組むべき遂行プランを成長戦略のグランドデザインとしてまとめました。

成果―創出された価値

成果 ― 競争入札に勝利

これらの成長戦略を描くにあたっては、ファンド支援の経験と実績、豊富な事例によって培ってきたアクセンチュアの知見が十分に活用されています。

結果として、投資コンソーシアムは本買収に成功し、事業デューデリジェンスを実施したアクセンチュアもディールの成立に大きく貢献することができました。

今後の展望

アクセンチュアが投資コンソーシアムと共に立案・提案した施策は、投資後のキューサイの事業計画や成長戦略の策定に活用されています。2021年5月には、ユーグレナが特別目的会社の株式持分比率を49%に引き上げ、ユーグレナによるキューサイの連結子会社化も完了しました。

今後、キューサイはユーグレナのデジタルマーケティングナレッジを最大限に活用し、「ウェルエイジングカンパニー」を目指した顧客基盤の拡大を図っていく方針です。また、アドバンテッジパートナーズと東京センチュリーが持つ経営改善・PMI(買収後の統合プロセス)ノウハウを引き続き活用しながら、商品ラインアップの拡充やブランディングの強化を図る予定です。

アクセンチュアは今回の成功事例によって得た経験と実績をもとに、今後も企業やバイアウトファンドのM&Aを支援していきます。

【お客様のコメント】

大変短い時間の中で、全力でサポートをいただき、質のよい計画を立てることができました。

譲渡にこぎつけただけではなく、ディールオブザイヤーも獲得することができて大変よい結果となり、深く感謝しております。

株式会社アドバンテッジパートナーズ パートナー 束原 俊哉様

【お客様のコメント】

非常に多岐に渡る事業領域に加え、短いビジネスデューデリジェンス期間に関わらず、投資後の成長戦略、事業計画の策定に非常に高い視座でご尽力いただき感謝しています。

株式会社ユーグレナ 取締役代表執行役員 CEO 永田 暁彦様

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