日本ブランドの本質的価値を世界へ


創造力で
ブランド体験に
変革を

浅井 雅也
Droga5 Tokyo チーフクリエイティブオフィサー(最高クリエイティブ責任者)
黒川 順一郎
執行役員 Accenture Song 統括本部長​

概略

  • 2021年5月、世界屈指の革新力と影響力を持つクリエイティブ・エージェンシー、Droga5NY、ロンドンに次ぐ新拠点として東京にオフィスを開設。アクセンチュア インタラクティブグループの一員として、共に顧客体験を起点とした企業変革(Business of Experience)に挑む
  • Droga5 TokyoCCO(チーフクリエイティブオフィサー)には、日本とアメリカで様々なブランドのキャンペーンを指揮し、広告賞も多数受賞する浅井雅也が就任。本質を追求し、日本のブランドが世界で再び輝くための支援を展開
  • 相互に尊重しあうカルチャーが根付くアクセンチュアでは、多様なプロフェッショナルがお客様企業のパーパス実現のために協働している。Droga5 Tokyoはビジネスの全領域に挑戦できるクリエイターにとって新しい環境

日本ブランドの本質的価値を世界へ

浅井雅也(以下、浅井) 2019年4月にアクセンチュアによるDroga5(ドロガ ファイブ)買収合意のニュースが世界中の広告・クリエイティブ業界関係者へ衝撃を与えたとき、私は前職の広告代理店でその第一報を耳にしました。

Droga5が創設されたのは2006年。それから15年という歳月のうち、2010年から2019年はAdweek誌「Agency of the Decade(この10年で最も優れたクリエイティブ・エージェンシー)」に選出されていますし、カンヌライオンズを始めとする世界の名だたる賞でグランプリを受賞し続けています。クリエイティブの世界で生きていて、Droga5の名前を知らない人はいないでしょう。

しかし、アクセンチュアに対して「クリエイティブに強い会社」というイメージを持っている人はほとんどいません。ですがアクセンチュア インタラクティブが生活者の体験にフォーカスし、日本のブランド変革を推進していることはすでに様々なメディアで語られていて、クリエイティブ業界においては変化の兆しとして受け止められています。

一方で私自身はどうかというと、企業の経営層と共に手がける戦略や企画の立案から、生活者の日常に溶け込んでいく体験の創造まで、一貫したブランド体験やコミュニケーションを生み出したいと考えていました。それにより、日本のブランドをより意義があり、価値のあるものへと作り変えていきたい。私にとってDroga5 Tokyo設立とCCO就任は、まさに自分の実現したかった未来に近づくための最高の機会でした。

Droga5の拠点はNYとロンドンにあり、3つ目の拠点であるDroga5 Tokyoはアクセンチュア インタラクティブ傘下となって初の新拠点です。さらに、記念すべきアジア初のオフィスでもあります。創業者のデビッド・ドロガ自身も東京を「新しい成長の拠点」と位置付けていて、日本のクリエイターや日本企業・ブランドへの強いリスペクトを表明しています。すでに多くの日本企業のトップの方々とブランディングのための取り組みを始めており、メンバー全員が新しい挑戦にワクワクしっぱなしの日々です。

黒川 順一郎(以下、黒川) 世界最高峰レベルのクリエイティブ・エージェンシーDroga5の東京拠点が開設され、社内はもちろん、お客様企業からの注目度やクリエイティブへの期待はかつてないほど高まっています。

ここ数年、日本でもクリエイティブやデザインを起点にした経営改革への意識が急速に強まっていて、プロジェクトの案件も日々増えています。一般的にコンサルティング会社の仕事は企業の売上向上や生産性改善、業務効率化といった経営課題の解決だとされていますが、アクセンチュア インタラクティブが目指しているのはお客様企業の先にいる生活者の体験のための変革、すなわちBusiness of Experience(BX)です。そして、クリエイティブの力による変革の活性化が今ほど求められている時代はありません。

これらの経緯から、私もDroga5とのコラボレーションを心から楽しみにしています。浅井さんはDroga5 TokyoCCOとして、どのように活動を進めていくお考えですか。

浅井 日本でDroga5が何を描き、どう具現化していくか、グローバル側の幹部メンバーと毎日のように議論しています。彼らがDroga5 Tokyoに期待しているのは、日本のブランド(企業)がパーパス起点で本質的なメッセージを発信できるよう支援することです。

日本はまだまだセールスプロモーションとしての広告が多く、社会や人々の生活の本質を問うような取り組みは未開拓です。しかしDroga5が欧米で実践した成功例を日本でコピー&ペーストするような活動をするつもりはありませんし、グローバル側もそのようなことは望んでいません。Droga5DNAが日本でどのように根付き、開花し、成熟し、進化するかが注目されています。

Droga5DNA
Creatively Led(クリエイティビティ)
Strategically Driven(ストラテジー)
Systems Thinkers(システム思考)
Humanity Obsessed(人々のために)

だからこそDroga5 Tokyoは単なる営業拠点でも下部組織でもなく、NYやロンドンと対等な関係にあります。今後設立される中国やブラジルのオフィスも同様であり、私たちは日本から世界に影響を与えるようなアウトプットを生み出していきたいと考えています。
「21世紀で最も影響力のあるビジネスやブランドを生みだし、輝かせ続ける」
–Droga5 Tokyoのブランドパーパス

多様なプロフェッショナルが
BXのために協働

黒川 社内におけるメンバー同士の関係も同様に、フェアで対等なものです。アクセンチュアは企業カルチャーとして、自分にできないことができる人材への強い敬意を持っています。多様性を基盤とした信頼関係こそが、新しい価値を生み出すと確信しているからでしょう。そのため、クリエイターが社内下請けのように扱われることは決してありません。

各業界に対する豊富な知識を備えたコンサルタントやテクノロジーに精通した専門家、独自の視点を持つデザイナーやクリエイターがそれぞれの能力を存分に活かせるよう、評価制度やカルチャーを変え続けています。これからも皆が価値創造のために自由かつ責任を与えられ、"とことん暴れられる環境"を整えていきます。

浅井 私は、アクセンチュア インタラクティブが提唱するBXに強く共感しています。BXはブランドの先にいる生活者のために企業が変わるべき理由。「広告メディアをどのように埋めるか」という話ではありません。私自身クリエイターとして、広告代理店の枠の中でできる以上の仕事をブランドのために提供したいと以前から望んでいました。ビジネスのあらゆる側面を支援するアクセンチュアと共にクリエイティブの力で企業変革を目指すDroga5 Tokyoは、生活者・社会・お客様企業の三者にとって必要だと判断した時に「広告をやらない」ということすら提案できます。この選択肢まで持てることが、私たちが他の広告代理店と決定的に違うところではないかと考えます。

黒川 体験の創造において広告は重要な要素ですが、あくまで手段の1つ。購買促進を目的とするワンショットの広告クリエイティブより大切にしなければならないのは、お客様企業自身が最高の顧客体験を提供できるよう生まれ変わる変革そのものです。そのためには軸となる企業のパーパス(存在意義)が明確になっていることが不可欠です。

パーパスを考える入口は実はどこにでもあります。D2Cビジネスの立ち上げやマーケティング手法の見直し、eコマースの導入がきっかけとなって「ブランドや存在価値そのものをきちんと訴えなければ生活者に響かず売上にも繋がらないね」と議論を始めることもあるでしょう。アクセンチュア インタラクティブはBXの入口がどこであれ寄り添うことができますし、Droga5 Tokyoはそうした入口にアプローチする主要な役割を担うと考えています。

浅井 クリエイターの中にも課題解決に貢献するクリエイティブの能力を持ち、お客様のビジネスのことをじっくり考えて取り組んでいる人が大勢います。顧客体験をバリューチェーン全体で捉えれば、あらゆる場面にクリエイティブが入っていくことは自然な流れです。いま、アクセンチュア インタラクティブの思想に共鳴し、優れたクリエイターが続々とDroga5 Tokyoのドアをたたいてくれています。

黒川 浅井さんがその最初の1人だったわけですね。これから生まれるシナジー効果が楽しみです。

社会を巻き込みムーブメントを起こすクリエイティブ

黒川 浅井さんが特に注目したDroga5の作品は何ですか?

浅井 Droga5の知名度を一躍高め、世界にそのクリエイティブの力を知らしめた「Still Free」*1、そしてニューヨーク・タイムズ紙のキャンペーン「The Truth Is Hard」*2の2つには衝撃を受けました。

前者は今では"元祖バイラルビデオ"と呼ばれており、Droga5の歴史を語る上で欠かせないクリエイティブです。メディアの使い方をハックする大胆な手法に驚きました。

後者では、「広告は自社商品を売るためのもの」という概念を破壊し、真実を追求するジャーナリズムの価値そのものの底上げが行われています。ニューヨーク・タイムズ紙の広告でありながら他の報道メディアに触れることも呼びかけ、業界全体に対する信頼向上に貢献しました。様々な関係者の共感を得て巻き込みながら、社会的ムーブメントを起こした好例です。

Droga5を知らなくても、誰もがその作品は知っている。つまり、違う文脈からも語られるクリエイティブを世に送り出しているのがDroga5の凄さであり、革新的な所以です。これらの作品を目にした時、私は「自分もこうしたクリエイティブを世に出したい」「お客様側の役員や広告担当の責任者を説得できる力を身につけたい」と強く感じました。

*1 Still Free
*2 New York Times: The truth is hard

エクスペリエンス実現の
唯一無二のパートナーを目指して

黒川 生活者のニーズが多様化、流動化する中、企業の存在理由や存在意義、ブランドパーパスが問われています。

浅井 本質的なものを求める傾向はコロナ禍により強まりました。日本企業の多くは製品の差別化や商品中心のコミュニケーションには力を入れるものの、企業ブランドの扱いについては後回しにしがちです。しかし生活者は今、企業の考え方や思想、目指す未来像をつぶさに見ています。経営者は自社ブランドの存在意義を明確にし、生活者に伝える活動の優先順位を上げなければなりません。

黒川 そうした活動をお客様企業と一緒になって行うパートナーとして我々を見ていただきたいと思っています。というのも、エクスペリエンスに対する時、ブランドや支援会社といった立場の違いによる境界線はもはや存在しないと考えているからです。アクセンチュア インタラクティブには様々な能力を持ち、ビジネスやブランドを育てて強くしていきたい、生活者に素晴らしい体験を提供したいと望むタレントが集まっています。お客様企業に共鳴しながら、生活者により豊かでより幸福な体験を届けていきたいですね。

浅井 Droga5 Tokyoはブランドパーパスをクリエイティブの力で具現化していく専門家集団です。どれほど意義深いパーパスを掲げても、それを実現する一貫したアクションを起こさなければ、人々に伝わらなければ価値を生みません。私たちは、人々の想像を超える表現で日本のブランドのパーパスを体現していきます。また、Droga5の考え方は極めて本質にアプローチするものなので、業界よって得手不得手があるといったことはありません。

黒川 顧客体験のための企業変革は継続的な取り組みであるべきです。私たちの仕事は、あらゆる関係者を巻き込んで共に歩んでいく旅に例えられます。行き先は、ベンチマークの存在しない未開拓の世界。だからこそ、日本のアクセンチュア インタラクティブとして、独自のミッションを掲げています。Droga5 Tokyoには変革の突破口を開いてくれる存在として多くの期待が寄せられています。

アクセンチュア インタラクティブのミッション
私たちは、人間の創意工夫する力とテクノロジーの持つ可能性によって生活者とブランドを結びつけ、人々にとって意義のある体験を定義・具現化します。

それらの体験を基軸としてクライアントの変革を実現し、BX(Business of Experience)を先導します。

それにより、人生がもっと楽しく、健やかで、安全で、生産的で、意義あるものになるよう貢献します。

浅井 楽しみです。創造的破壊の最前線として、Droga5 Tokyo発のアイコニックな事例を作り出していきます。いま、Droga5 Tokyoは新しいことが始まる高揚感に包まれています。このワクワク感をぜひ、日本のブランドと一緒に働く仲間と広く共有していきたいと願っています。
アクセンチュア インタラクティブでは、お客様企業の組織を変革し成長を実現するさまざまなサービスを提供しています。

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