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BtoBデジタルマーケティングで受注を勝ち取る

“消費者化”する顧客企業をとらえるための手立てとは?

デジタルネイティブ世代の台頭により、企業の購買担当者は消費者と同様のエクスエペリエンス(体験価値)を期待するようになった。その潮流をとらえ、かつてないほどのビジネスチャンスをもたらすのがBtoBデジタルマーケティングだ。対面営業にいたる前のプロセスに注力し、「顧客接点のさらなる取り込み」と「顧客接点のさらなる自動化」を軸に、その仕組みの高度化を図ることで、自社の受注率を大きく向上させることができる。

坂井田 大悟 講演者:
アクセンチュア
デジタル コンサルティング本部
兼 オープンイノベーション・イニシアチブ
シニア・プリンシパル
坂井田 大悟

営業以前の段階で興味を喚起
購買の意思決定に有用な情報を届ける

BtoCの世界では、企業から消費者へのパワーシフトが起こったと言われる。モバイルデバイスの普及によって、消費者はいつでも、どこからでもネットにアクセスし、SNSでのクチコミやレビュー、最安値など、興味を持った製品やサービスに関するあらゆる情報を簡単に集めることが可能となった。

そして現在、この流れはBtoBの世界にも押し寄せている。企業の購買担当者もプライベートでは一人の消費者なのだから、当然と言えば当然の流れだ。2016年7月6日に東京で開催された「THE MARKETING NATION SUMMIT 2016」(主催:マルケト)に登壇した弊社の坂井田は、「企業の年齢分布は大きく変化し、デジタルネイティブ世代と呼ばれる18~34歳の若手社員が、2014年時点ですでに46%の情報収集を担当しているという調査結果もあります」と語る。

したがって今後のBtoBデジタルマーケティングでは、こうした顧客の“消費者化”を踏まえた施策を展開することが鍵となる。特に認識しておかなければならないのが、対面営業による影響力の低下だ。

米Google社の調査によると、BtoBにおける購買の57%のプロセスは、営業担当者にコンタクトを取る前に行われているという。すなわち自社の営業担当者が顧客を訪問する以前の段階で、半分以上の商談の勝敗が事実上決まっているのだ。「営業以前の興味を喚起する段階で、顧客接点をいかにとらえ、購買の意思決定に有用な情報を届けていくかが重要なポイントです」と、坂井田は強調する。



BtoBデジタルマーケティングで注力すべき2つのポイント

具体的に、どのようなBtoBデジタルマーケティングに注力していくべきなのか。坂井田が示すのが「ウェブ・セルフサービス」と「リード・マーケティング」という2つの施策である。

ウェブ・セルフサービスは、BtoBの顧客特性の多様化、デジタル化、消費者化の潮流に対応するための施策だ。顧客ごとに異なるニーズや課題、購買プロセス、さらには業界の初心者なのか熟練者なのかといった熟練度までを考慮し、顧客が必要とする情報を最適なタイミングで提供する。顧客に「拾ってもらう情報(Pull)」と「届ける情報(Push)」をすみ分けて、社内の役割分担を明確化し、Webサイトの機能に落とし込んでいくのだ。



ここでの要点は、顧客購買プロセスのみに留まらず、顧客を起点にコミュニケーション施策を組み立てていくこと。「“次”の購買検討段階で必要な情報を推奨するレコメンデーション、Webサイト上で『お困りの事はありませんか?』と能動的に話しかけるチャットなど、オンラインで購買をサポートする施策も有益です」と坂井田は説く。

一方のリード・マネジメントは、対面営業より前段階の営業接点を補完するもので、BtoBデジタルマーケティングを営利化するビジネスエンジンとなる。ウェブ・セルフサービスによって自社のWebサイトに興味関心を喚起することはできるが、そのままでは顧客はまだ“顔が見えない”状態だ。そこにメールアドレスや所属会社名、電話番号など、個人あるいは法人として特定可能な情報を紐づけていき、顕在化した顧客、すなわちリードに変えていくのである。「リードに対して購買に必要な情報を出し分けるとともに、そのプロセスを進行させながら状況をモニタリング・評価し、営業機能に連携することで、案件を受注につなげていくことができます」と坂井田は言う。



幅広い個客接点の取り込みとさらなる自動化を追求する

その上で目指すのが、BtoBデジタルマーケティングの高度化である。「そこには『顧客接点のさらなる取り込み』『顧客接点のさらなる自動化』という2つのベクトルがあります」と、坂井田は示唆する。

顧客接点のさらなる取り込みは、あたかも水面下に隠れた部分を掘り下げていくような施策となる。自社Webサイトを訪れる前の顧客動静(広告効果)を把握し、リードや案件、受注へと関連付けていく。またイベント会場やショールーム内での顧客の動線(移動経路)や人気を博したブース、3rdパーティのWebサイトで発生した購買・サポートデータなど、より幅広い情報を収集する。「これらのデータを相互連携し、より速く、より長く、顕在顧客を追跡していくことで、受注精度が向上していきます」と坂井田は語る。

顧客接点のさらなる自動化についても、紙の申込書や申請書、あるいは名刺を撮影すると即座にデータ化し、システムにインプットできる画像認識などのテクノロジーの導入が進んでいる。さらに期待が高まっているのが、AI(人工知能)のテクノロジーだ。テキストや音声を認識し、チャットなどによる顧客対応をかなりのレベルまで自動化することが可能となった。そこでのやり取りを蓄積した履歴データから潜在顧客の行動特性を分析し、顕在顧客への転換を促し、さらに機械学習で継続的な改善を図ることで、その精度を高めていくといった試みが、すでに先進企業の間では実践段階に入っているのである。

デジタルネイティブ世代の台頭に伴い、期待が高まっている消費者と同様のエクスペリエンス(体験価値)を、高度に進化したBtoBデジタルマーケティングの仕組みを通じて提供していくことで、企業はビジネスチャンスを拡大することが可能となる。

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