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【セールス&カスタマーBPO】BPOを活用したエクスペリエンス改革の実現へ

所要時間:約3分

2023/02/20

オペレーションズ コンサルティング本部マネジング・ディレクターの猪狩 大介です。様々な業界のお客様向けのエクスペリエンス(顧客接点) 業務領域のBPOサービスを担当させていただいています。

BPO(Business Process Outsourcing)という名称からも想起される通り、これまでBPOサービスはバックオフィス系業務を中心としたコスト削減のための一つのソリューション、という捉えられ方をされることがほとんどでした。然しながら、昨今ではBPOサービスは「様々な経営課題を解決するための一つの武器」という考え方が浸透しつつあり、これまでコア業務に限りなく近いと考えられていたセールス・カスタマー業務領域もその対象として議論されるケースが非常に多くなっています。

硬直化した業務と多様化する顧客接点

これまでセールス(営業)領域に関しては「改革を行うことによるトップラインへの影響」といった懸念からか、外部化や効率化、抜本的改革といった取り組みが行われづらい土壌がありました。一方で営業現場に目を向けてみると、顧客提案向け資料作成からアポ取り、商談、見積作成、契約締結、受発注、納品、請求書送付、活動報告作成・提出、と本来の営業活動以外のオペレーティブな業務の割合が非常に高く、「営業活動そのものにもっと時間を使いたい/使わせたい」という声が非常に多く聞かれます。また、いまだに残る多くの紙文化、拠点/担当者による独自流業務やブラックボックス化・属人化、労働人口の確実な逓減、さらにはコロナ下におけるカスタマータッチポイントや営業活動そのものの変化等といった多くの変数が、これらの改革実行の不確実性・難易度を高めています。

コンタクトセンターやヘルプデスクといったカスタマー領域は、本質的には「顧客/カスタマーが持つ課題・不満を解消したい」という目的に根差したものではありますが、必ずしも顧客は「電話がしたい」わけではないのに「電話しか手段が提供されていない」という実態が多く見受けられます。こうした電話を基軸としたカスタマー領域では、要員の採用、教育、離職(それらに伴うコスト高体質)といった主にヒトにまつわる従前からの課題に加え、コロナによる要員確保・キャパシティの問題や問い合わせの増加、その結果としての顧客対応品質の低下といった課題が顕在化しています。

また、セールス・カスタマー双方ともに重要なカスタマータッチポイントではありながら、どうしてもセールス=プロフィットセンター、カスタマー=コストセンターといったイメージが非常に強く、分断された議論がなされてしまうことも少なくありません。購入まではよかったがその後のサポートはたらい回しといったよく聞かれる話に代表される通り、タッチポイントが多様化した現代において連続性のない顧客体験がもたらす企業側の損失は計り知れないものがあります。

全方位でのE2Eトランスフォーメーション支援

アクセンチュアはBPOサービスを単なるコスト削減のソリューションとしてではなく、BPOを通じた継続的な企業変革・トランスフォーメーションの実行サービスとして位置付けており、我々はその実行力を全方位的に有しています。

取組の初期段階においては、コンサルタントが徹底的な業務の分析・可視化を行うとともに、自動化・効率化を最大限追求する業務と付加価値を生むべくヒトが実施すべき業務の識別と施策の検討、トランスフォーメーションロードマップ作成といったアクティビティをお客様と伴走しながら遂行していきます。

こうした取組を成功させるためには業務のDX化やカスタマータッチポイントのデジタルシフトといったテクノロジーも必須です。セールス領域であればワークフローやRPAを通じた業務の整流化や管理/執行双方の業務負荷軽減、カスタマー領域であればAIチャットボットやビジュアルIVRによる自動応答/セルフ解決やAIによる回答レコメンデーションといったオペレータの支援などが代表的に挙げられます(下図表参照)。また、業務×テクノロジーという観点では、アナリティクス・レポーティングといった業務においても高度化・営業機能強化の両立を図ることも可能でしょう。

どうしても自動化できない、ヒトがやらねばならない業務に関してはBPOサービスとして我々がお請けし、業務の細部に至るまで日々効率化・高度化余地を見出し徹底的に磨き上げていきます。業務をお請けすることがゴールではなく、そこからが真のトランスフォーメーションのスタートです。我々はこうしたケイパビリティを組み合わせ、お客様の個々に合わせた最適なソリューションをご提供しています。

全方位でのE2Eトランスフォーメーション支援
全方位でのE2Eトランスフォーメーション支援

また、セールス領域においてはお客様の営業活動そのものをアウトソースとしてお請けするデジタルインサイドセールスといったBPO形態や、カスタマー領域においてはリアルのカスタマータッチポイントをデジタルシフトさせていく取組をBPOサービスとしてお請けするといったケースも国内外で生まれています。これらは活動を通じた売上高やデジタルコンバージョン率等に連動した「成果報酬型」も組み込まれており、BPOサービスとしてトップラインへの貢献にもコミットするスキーム構築も可能です。

これらの改革を成功に導くためには、一業務・一ファンクションに目を向けるのではなくエクスペリエンス領域全体に目を向けていくことが不可欠です。マーケティングからセールスへ、セールスからカスタマーへ、カスタマーからマーケティングへといった業務領域横断の観点で、カスタマータッチポイントからトランザクションの完了までといった川上から川下までの観点で、本当のE2E(End to End)の改革を実現してまいります。

筆者

猪狩 大介

オペレーションズ コンサルティング本部 マネジング・ディレクター