社会全体にデジタルが浸透しつつある今、経営者が自社の競争力を高めるにはテクノロジーを起点としたビジネスの創出が不可欠です。しかし企業のDXを推進するCIO/CDOの方々にとって、生産性や業務効率向上のツールという枠を超えたイノベーション創出や付加価値の向上を実現する全社規模でのデジタル化は、今なおハードルの高い課題となっています。

アクセンチュアのテクノロジーストラテジー & アドバイザリーのケイパビリティグループの1つである「トランスフォーメーション・リーダーシップ」は、お客様企業のCEOをはじめ、CIO/CDOをサポートする専門家集団です。DXのプランニングから実行の伴走まで、エンド・ツー・エンドでDX実現をご支援します。

ラン・ザ・ビジネスに引きずられないための施策

昨今のCIO/CDOは、CEOや事業部門長クラスから「デジタルの活用による新規ビジネスの創出」や「テクノロジー部門自体の事業成長ドライバーへのシフト」といった高度な要望を突きつけられています。

事実として、すでに多くの先進的な企業でデジタル活用の実証実験は一通り済み、いかにして実ビジネスに応用してスケールさせるかへとフェーズは進んでいます。しかしこの段階こそが、DXの取り組みにおける最大の難所でもあります。DXの実践的な情報は今なお少なく、競合他社や他業界での取り組み情報を収集するだけでも、多大なリソースを割かざるを得ない状況だといえるでしょう。

一方で、企業内部のIT予算の大部分を既存ビジネス用のシステム保守運用コストが占めています。日本企業はラン・ザ・ビジネス(現行事業)に引きずられ、未来志向の投資が限定的となっているのです。

このような状況下で、デジタル化時代で勝てるビジネスをいかにして実現するか。トランスフォーメーション・リーダーシップは、テクノロジーをお客様の企業価値向上につなげると共に、ITのあり方の再定義や事業成果の創出にコミットするDX実現に向けて、全フェーズを通じて貢献いたします。

Living Business and Systemは、顧客の嗜好の変化やマーケットの状況に適応し続けていく企業やシステムを実現する考え方です

日本企業のCIO/CDODXで取り組む4領域

トランスフォーメーション・リーダーシップのケイパビリティグループは、数百名が所属する大規模体制です。お客様企業の「CIO/CDO変革オフィス」を構成する専門家が所属しており、注力すべき具体的なテーマと定義しているIT投資の最適化、②Innovation、③IT価値向上、④2025年の崖の4領域で包括的にご支援しています。

CIO/CDO変革オフィスは、IT投資最適化、イノベーション、IT価値向上、2025年の崖の4領域をご支援します。

CIO/CDO変革オフィスの狙い

1 IT投資の最適化

DXを推進する原資の確保は喫緊の課題です。「IT投資の最適化」では、抜本的なコスト構造改革を実行し、未来志向の投資の原資を生み出します。デジタル化のための予算を確保する「原資の捻出」こそがDXへの第一歩です。

トランスフォーメーション・リーダーシップでは、現状把握とコストの分析から着手し、お客様のIT資産の棚卸しや各種サービス契約の網羅的な洗い出しを徹底的に行います。同時にIT支出のアロケーションの見極めを経て、コスト構造の最適化を目指します。その際も単なるコストカッターではなく、競合他社や異業種企業をベンチマークとして比較し、コスト構造に潜む問題点を導出します。

並行して、お客様が短期間で高いコスト削減効果を得られる取り組みを実行します。DX全体の足掛かりを作るため、アクセンチュアは「108の聖域なきITコスト削減施策集」に基づいてお客様固有の経営状況に最適な取り組みをご提案します。

たとえば素材メーカーA社では、金額の多寡で判断していた従来のIT投資から、The New分野であるデジタル領域にフォーカスした「質を重視する投資」へと転換を図っています。短期的コスト削減の成功によるキャッシュ捻出によって、同社ではAIやデータアナリティクスといったテクノロジーの活用に踏み切り、ニュー・ノーマル時代にふさわしい経営環境の整備や事業継続性の確保を目指しています。

2 Innovation

イノベーティブな新規事業創出の背後には、常に革新的なテクノロジーが主導(Technology-led)するトランスフォーメーションが行われています。デジタル技術の活用で、新しいサービスを迅速に立ち上げる「デジタルサービスファクトリー」のような目的志向型チームを組織することで、イノベーションによるビジネスの飛躍を実現します。

具体的事例として、ある保険会社では顧客体験(カスタマー・エクスペリエンス、CX)の向上とコミュニケーションの効率化、抜本的コスト削減の3領域でのイノベーションを実行しています。事務プロセスにAIやチャットボットを導入し、顧客ごとにパーソナライズされたサービスの提供を可能にしました。

また商談で蓄積されるリード情報やコンタクト情報などのデータを分析し、代理店営業の提案活動を支える「Next Best Action」の実現で売上向上などの成果に寄与しています。並行して保険会社内部のデジタル化を実施して、紙ベースの業務の大幅な電子化・デジタル化を達成。事務プロセスのコスト削減と迅速化を行いました。

このプロジェクトの成果は、業務等の効率化にとどまりません。アクセンチュアの専門人材がお客様側社員と協働することで、お客様社内のデジタル人材の育成にもつながっています。ビジネス部門、IT部門、そしてアクセンチュアの3者が一体となってノウハウやアセットを共有化することで、今後のDXを支える社員の確保やデジタル時代にふさわしいガバナンスを実現しているのです。

3 IT価値向上/Journey to New IT

デジタル技術はいまや、新規ビジネスのイネーブラー(可能性を創出する要素)であるだけでなく、ビジネスのディファレンシエーター(差別化要因と強みを生み出す要素)です。IT部門が事業成長のドライバーとなるためのアプローチこそが「IT価値向上」の本質です。

アクセンチュアでは先進的なデジタルテクノロジーを「The New」と総称しています。DXをビジネス上の利益と結びつけるうえで、昨今は4つの課題が顕在化しています。

たとえば、デジタル化の実証実験は多く行われているもののAIやブロックチェーンは今なお限定的な分野での利用にとどまっており、公共分野でも電子決済・電子証明はほとんど進んでいません。こうした「進まない先端技術の導入」が第1の課題です。次にオンプレミス環境を残したまま部分的にクラウド移行することで、期待したコストパフォーマンスを得られずにいる「旧来のアーキテクチャの残存」(第2課題)も深刻です。

一方で、ユーザーが触れるフロント側はWebシステム化したものの、処理を行うバックエンドでは紙へとプリントアウトしてデータを手入力しているなど、非効率な業務となっているケースが企業・公共機関を問わず残っています。これは「ITの戦略的ビジョンの欠如」(第3課題)であるといえます。また部分的なデジタル化が進んでいても、スピーディな施策でイノベーション創出を模索するトライアル&エラーができる組織カルチャーがないといった問題もあります。これは第4課題「アジャイル開発が未定着」と定義しています。

トランスフォーメーション・リーダーシップはこうした課題を1つずつ整理・解決していくことで、事業成果にコミットする新しい中核事業の創出をご支援します。その方法論として、次の4項目をアクセンチュアでは提言しています。

  • ビジネス目標を実現するIT戦略(ジャーニー)
  • 最先端技術の積極活用(イノベーション)
  • アジリティの獲得(マルチスピード)
  • アーキテクチャの最適化(デジタル・デカップリング)

これらの取り組みを進めることで、お客様企業の「総合的かつ筋肉質なIT」を作り上げ、力強いDX推進を実現します。

IT価値向上のためのフレームワークは、ビジネス目標を実現するIT戦略、最先端技術の積極活用、アジリティの獲得、アーキテクチャの最適化によって構成されます。

4 2025年の崖

経済産業省が2018年に公開したレポートで登場し、日本企業の経営層やIT部門長に強烈な危機感をもたらした言葉として広く認知されています。レガシーからの脱却はその中心的テーマであり、企業がマーケットの中での今後もサバイバルできるかどうかに直結する課題です。

トランスフォーメーション・リーダーシップでは、お客様企業のラン・ザ・ビジネスに偏った投資やコスト構成の刷新、バリューアップのための戦略投資への転換をお手伝いしています。

ある金融機関では、クラウドファーストを合言葉に全社規模でのクラウド基盤への移行に取り組みました。その際、アクセンチュアのクラウドCoE(Center of Excellence)がお客様のDX基盤に必須のケイパビリティをご提供しています。

この事例では、①ガバナンス、②企画、③アーキテクチャ、④サービス管理の4つの軸で上流段階の戦略策定からクラウド移行支援、運用のサポートまでを展開しています。このプロジェクトでもお客様とアクセンチュアメンバーが協働する体制を構築し、価値創出までを伴走しました。

CoEの設置テーマ

以下はCoE設置テーマの一例です。

IT投資マネジメント

  • IT投資ポートフォリオ最適化
  • 投資分析/評価、コストマネジメント

AI/アナリティクス/データ

  • プロセス自動化、ディープラーニング
  • ビッグデータ解析/データマイニング

J2C/ホストマイグレーション

  • アーキテクチャ最適化
  • マルチクラウド対応、ベンダー選定支援

セキュリティ/ガバナンス

  • 診断/アセスメント
  • AI利活用による効率化、高度化

イノベーション推進

  • エコシステム活用
  • サービスデザイン、デジタル人材育成

New Technology

  • API化の推進、RPA導入/内製化
  • プラットフォーム活用(SFDC、Pega等)

ベンダーマネジメント

  • パートナー/アライアンス推進
  • ソーシング戦略策定

リスク/品質マネジメン

  • アジャイル/DevOpsマネジメント
  • 標準化推進

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お客様マネジメントを支える50万人のワン・ネットワーク

アクセンチュアのトランスフォーメーション・リーダーシップは、お客様企業のCIO/CDOがミッションとしているDXの実現を目標として、上で紹介したような方法論やケイパビリティをご提供します。

お客様が目指すべきDXとその先にある未来の姿を共に描き、日々の運用や改善といった実践までをやり遂げるアクセンチュアの最大の強みは、グローバル50万人のワン・ネットワークです。業種・業界や各領域の知見を持つ専門集団が、お客様マネジメント層のパートナーとしてリーダーシップの発揮をご支援します。

著者について

土屋 純

ビジネス コンサルティング本部 テクノロジーストラテジー&アドバイザリー グループ テクノロジーアドバイザリー プラクティス マネジング・ディレクター


大貫 寿人

ビジネス コンサルティング本部 テクノロジーストラテジー&アドバイザリー グループ テクノロジーアドバイザリー プラクティス シニア・マネジャー


佐野 有希

ビジネス コンサルティング本部 テクノロジーストラテジー&アドバイザリー グループ テクノロジーアドバイザリー プラクティス シニア・マネジャー


高橋 友理

ビジネス コンサルティング本部 テクノロジーストラテジー&アドバイザリー グループ テクノロジーアドバイザリー プラクティス シニア・マネジャー


山下 真太郎

ビジネス コンサルティング本部 テクノロジーストラテジー&アドバイザリー グループ テクノロジーアドバイザリー プラクティス シニア・マネジャー

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