データドリブン経営の実現に向けた課題

 

現在の日本企業における経理・会計・経営管理領域では多くの課題が挙げられます。まず、事業の拡大やビジネスのグローバル化に伴ってトランザクション量が膨大化し、業務が複雑化していること。そして、処理量の膨大化に伴い戦略や企画といったクリエイティブな業務への注力が難しくなっていること。また、人材の確保も多くの企業が直面する課題です。あらゆる分野で人手不足が叫ばれる中、自社の貴重な人材を低付加価値と考えられる業務に従事させることは最適な選択ではないと考えられます。

また、近年はAIやビッグデータを経営に活用する「データドリブン経営」のニーズが高まっています。AIやビッグデータによって将来の売上や収益を高い精度で予測し、戦略を変更した際の影響を即座にシミュレーションすることができれば、経営管理業務における強力な武器になることは間違いありません。

ところが、日本でデータドリブン経営を実践できている企業はまだまだ少数です。その理由として、必要なデータを必要な粒度・精度・頻度で取得できていない、分析可能な形で整理されていない、といった課題があります。重要な情報をExcelなどの形式で管理している企業は少なくなく、モニタリングしたい経営管理指標に紐づくデータが活用可能な状態までクレンジングされていなければ、データの活用は困難です。

お客様のトランスフォーメーションをトータルで支援

 

では、データドリブン経営を実現するためには、どのような変革が必要なのでしょうか。

先ほど、データが活用可能なレベルで整備されていない場合が多いと言及しましたが、この問題を解決するために、業務プロセスの見直し・標準化を行い、BPOを活用することで、整備されたデータを取得できるプロセスを構築する方法が挙げられます。アクセンチュアはBPOサービスを提供していますが、コスト削減を目的としたBPOのみではなく、データマネジメントの側面から、経営管理モデルの変革を下支えすることを目的としたサービスを提供できるという点において、他社サービスとは一線を画します。

アクセンチュアのBPOサービスの採用にあたっては、プロセス変革と合わせて、データ分析やAI予測などのツールを導入します。これらの先進テクノロジーの価値を最大限に引き出すためには、業務プロセスとデータ活用が正しく紐付いていることが前提です。業務プロセスの再整備からテクノロジー導入までを一気通貫で提供できるプレーヤーは少数であり、まさにアクセンチュアの強みが際立つ部分と言えます。

さらに、アクセンチュアはプロセス設計・テクノロジー導入に加えて、実現されたデータドリブン経営の運用保守までをお客様と一緒に走り続ける「伴走型」でご支援します。データ分析の専門性を持ったアクセンチュアのメンバーがお客様と協業しながら新しい経営管理の仕組みを常に最新化し、同時にお客様社内のデジタル人材の育成にも貢献します。

米国物流企業の経営管理トランスフォーメーション事例

 

一方、グローバルに目を向けると、財務会計領域のみではなく経営管理領域におけるBPOの活用も一つの潮流となっています。

経営管理領域におけるBPOを活用したトランスフォーメーション事例として、アメリカの大手物流企業の事例を紹介します。同社に対し、アクセンチュアは決算業務等のコア・ファイナンス領域から経営管理業務等のストラテジック・ファイナンス領域まで大規模な業務を請け負っています。特に経営管理業務に関わる専門家の人数は200名以上、作成するレポート数は月間3,000レポート以上という非常に大きな規模でサービスを提供しています。

現在サービスを提供する経営管理業務は、予算策定、フォーキャスト分析、レポーティング、コスト分析、データマネジメントのサポートなどと多岐に渡っており、AIやデータアナリティクス等の先進テクノロジーを活用し、経営の意思決定をサポートする示唆・情報の提供も始めています。

まさにグローバルでは、BPOを活用したデータドリブン経営が始まっているわけですが、最初から大規模な変革に着手したわけではありません。変革のスタートは決算業務のプロセス改革・BPO活用であり、アクセンチュアは委託業務を執行しつつ、業務内容を詳細に分析し、お客様の事業戦略や経営課題に関する理解を深め、お客様とともにお客様の事業が成長するための改革施策として、BPOを活用したデータドリブン経営モデルの構築を進めました。

上記改革の実現において、コンサルティング、テクノロジー、オペレーションズといった多様なケイバビリティを組合せてトータルでサービスを提供できたことは、アクセンチュア独自の価値であると言えるでしょう。

BPOを活用した経営管理の変革は不可能ではない

 

グローバルにおける経営管理業務のトランスフォーメーション事例を紹介しましたが、日本では状況が異なると考える方もいらっしゃるかもしれません。経営管理業務は、特に企業特有の文化や価値観が色濃く反映されるため、日本企業の経営管理業務はBPOに向いていないと感じる方も多いでしょう。

経営管理業務はたしかにお客様の事業特性や文化が色濃く反映される業務ではあるものの、業務を細分化すると集計・配賦といった定型作業も多く、決して変革ができない世界ではありません。むしろ、従来、人間が勘と経験に基づき行っていた予測業務は、AIやビックデータを活用することで人間以上の精度を出す可能性があると考えられます。

私たちはお客様の状況を無視してドラスティックにすべてを刷新するわけではありません。日本企業における経営管理業務においては、業務の属人化も課題のひとつと言えますが、そこには従業員の方々の豊富な知見と経験、人間同士の関係性があることも理解しています。

例えば、アクセンチュアはBPOサービスの提供に際し、オフショア拠点も活用します。しかし、現場の微妙なニュアンスを考慮する必要がある業務については、ニアショア拠点を選択しながら最適な体制を組むなど、お客様の事業や文化、業務の特性を適切に理解した上で変革の道筋をお客様と共に描いていきます。

経営管理業務のBPOは、お客様の事業・経営に対する理解、会計の専門性など、多様な能力が求められる難易度が高い領域であることは間違いありません。アクセンチュアはいわゆる定型作業のみを請け負うのみでなく、深い業務理解をもとに変革をサポートし、AIをはじめとした先進テクノロジーを最大限に活用しながら高い付加価値を提供しています。

昨今、BPOを活用した経営管理業務の変革・「データドリブン経営」の実現は、限られた企業における特殊な事例ではありません。私たちはお客様と「伴走」しながら、お客様の変革を支援していきたいと考えています。


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下中 雄司

オペレーションズ コンサルティング本部 シニア・マネジャー

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