消費財企業の潜在的価値を解き放ち、サステナブルな成長を実現するには

2021/09/06

調査レポート

概略

消費財業界をリードするには新たな成長領域を発見するために素早くピボット（方向転換）を行い、増大する複雑性に対処し、自社のデジタル化を進める必要があります。
常に変化する市場の力に対応し、容易にオペレーションを適応させ、迅速にデジタル化を推進している新たな競合企業に、多くの消費財企業が遅れを取っています。
グローバルな大手消費財企業は、オペレーティングモデルとコアテクノロジーを変革する必要があります。また、リーダーには変革と新たな働き方を推進するスキルが必要です。
変革により、データ主導のインサイトを組織全体に埋め込み、市場機会に合わせてリソースの再配分が迅速に行えるようになり、スケールアップとスケールダウンを行うことができます。

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今こそ、消費財企業はオペレーションを変革すべき時

消費財企業が今後成功するためには、あらゆるタッチポイントやチャネルで、素早く大規模に、消費者、顧客、従業員の期待に応えことに焦点を絞った、俊敏で機能横断的なプロセスを確立しなければなりません。

企業が行動しない場合、オペレーションの問題は単なる課題から緊急課題に変わるでしょう。アクセンチュアの調査で、俊敏なオペレーションを確立している企業は、そうでない企業よりも、より高い成長を実現していることが明らかになりました。

16%

俊敏な組織の10年間のEBITA成長率は16%で、そうでない組織の6%を上回っています。

94%

調査回答者の94%が、オペレーティングモデルが原因で、成長と業績がリスクにさらされていると考えています。

クラウドでイノベーションを起こすカールスバーグ

消費財企業が将来に備えるための5つの変革

好業績を実現する消費財企業へのジャーニーには、次の5つの変革が求められます。

多くの企業がオペレーティングモデルの一部だけを変革しようとしていますが、それでは変革を持続または拡大することはできません。新たなオペレーティングモデルは、人間を中心に据え、機能的に定義された役割ではなく、成果に重点を置きます。そして、最前線でのデータに基づく意思決定ができるようになります。

優先される成果を理解し、構造化するために、消費財企業は全社で共有されているリアルタイムのインサイトを活用する、データ主導型の組織になる必要があります。これには、ERPシステムの更新、クラウドへの全面移行を含む、インテリジェント・プラットフォーム・アーキテクチャが必要です。クラウドへの全面移行により、俊敏性と膨大なデータの分析力が高められます。

インテリジェント・ビジネス・サービス（IBS）には大きな可能性があり、だからこそ、根本的に見直す必要があります。これには位置情報が含まれます。将来のIBSは、データ主導型のインサイトと、常時接続のサービスを備えたデジタル対応型です。また、消費財企業は自らのエコシステムを評価し、どのパートナーが能力のギャップを埋め、市場投入までの時間を短縮できるかを判断すべきです。

消費財企業の過去10年間にわたるゼロベース予算（ZBB）イニシアチブなどを通じたコスト管理の手法は、多くの場合持続しないことがほとんどでした。現在、先進的な企業はコスト管理に対してより総合的なアプローチを取っています。こうした企業は、新たな価値分野にリソースを再配分するために、経営と意思決定を再形成しています。高度なアナリティクスにより、企業は継続的かつ包括的にモニター、測定、調整することができます。