Skip to main content Skip to footer

ブログ

アクセンチュア 人材・組織・テクノロジー専門部隊 XPF-T&Oのご紹介

所要時間:約5分

2023/04/25

はじめに

テクノロジーコンサルティング本部、クロスプラットフォームコンサルティング人事・組織プラクティス(以下、XPF-T&O)の鈴木文一です。

我々のチームはアクセンチュアジャパンにおいて、人事・人材情報デジタル化の構想策定・実行計画策定から、具体的なITソリューションの導入、さらに運用まで一気通貫の支援を行うチームです。

2022年12月(アクセンチュアの大きな組織改編は12月に行われることが多いです)に正式にクロスプラットフォームコンサルティング部隊(業務ファンクションを跨いで企業に最適なソリューションを組み合わせたサービスを提供するチーム)に合流しました。

近年、最重要な経営資源の一つである「ヒト」の情報管理はますます高度化が求められており、それに応えるようにHRテクノロジーソリューションは多様化してきています。クライアントの課題を解決するためには特定製品に頼るだけではなく、いかに最適なソリューションを組み合わせた機能配置をデザインし、それを実現できるかが重要であり、これ迄よりもさらに広い視野をもってサービスを提供するためのチームとすることが狙いです。

今回は初回ということで、まずは我々のチームが目指す姿や求める人材像等をご紹介します。今後は多岐にわたる我々の人事テクノロジー改革の実例、トレンドなども交え、ホットになっているこのマーケットにおけるアクセンチュアなりの示唆を発信していければ、と考えています。

“One T&O” – アクセンチュアの人材・組織プラクティスのケイパビリティを集約

これまでもアクセンチュアでは人事・タレント戦略からDX人材育成等を中心としたストラテジー&コンサルティング(以下S&C), インテリジェントなオペレーションでの人事BPOを提供するオペレーションズ(以下Operations)、またSaaSを中心としたHRテクノロジーの導入コンサルティングを行うテクノロジー(以下Tech)がそれぞれの強みを生かして多数の企業の人事改革をご支援してきました。

しかし近年、特に大企業を中心に、(例えばテクノロジー領域であれば人事システム刷新といったような)個別テーマでの改革ではなく、経営レベルの課題を解決するための抜本的な人事改革が求められています。

COVID-19によるリモートワークの急激な浸透は、(成果に至るプロセスよりも)成果・結果の有無がより鮮明に評価される人事制度の必要性を推し進めることになっていますし、非財務指標としての人材情報の開示義務化の流れ・ISO30414への対応するためには、、経営として人材配置・育成状況を客観指標で捉えるための情報整備が急務となります。またVUCA(Volatility・Uncertainty・Complexity・Ambiguityの頭文字を取った不確実性が高く将来の予測が困難な状況であることを示す造語)と呼ばれる状況下でビジネス側での人材人材デマンドは刻一刻と変動します。それにタイムリーに応えるためにはビジネス現場主導での人材人材マネジメントの仕組み化と、それを支えるオペレーティングモデル変革・とITプラットフォームの整備が必要となります。もちろん、仕組みを作るだけでなく、ビジネス現場へ利用を浸透させるチェンジマネジメントが必要となるのは言うまでもありません。

このように多岐にわたるテーマに対し、包括的に、かつ投資効果を見極めながら改革を進めていくにはアクセンチュアにおける人材・組織人材コンサルティングのケイパビリティを組織の垣根を越えて結集することが必要です。そこでS&C, Operations Tech をバーチャルにつなげる“One T&O”というイニシアティブが立ち上がりました。

One T&O サービス全体像
One T&O サービス全体像

XPF T&O - HR Technologyのプロフェショナルとして

では、その中で私たちTechnology部隊が果たすべき役割が何か?ですが、当然ながら重要なミッションとしてはHR-ITプラットフォーム(以下HRIS)の確実な実現、いわゆるシステムの構築・導入があります。

特にここ数年はHR Core (従業員ライフサイクル・Hire to Rehire をカバーする機能)とTalent management (仕事・ジョブとヒトの最適なマッチングを行うため、人材の獲得・配置・育成・評価・報酬のプロセスをカバーする機能)を包括的に具備するSAP SucccessFactors, WorkdayといったGlobal SaaSソリューションの導入を多く手掛けてきていますが、これらのシステム導入そのものが直接的な価値を生むわけではないと考えています。これらの仕組みが従業員・現場の日々の業務に定着し、その結果蓄積される人事・人材情報が実際の人材配置・評価・育成に活用され、さらにその結果が経営における意思決定を促す、そのサイクルが回ることで初めて価値が出るものであると考えています。

現場を含めた業務に仕組みを定着化させるには、SaaS製品の持つ機能を最大限に活用することはもちろんですが、一から「作り上げる」ではなく、「使う」ための業務プロセスそのものを設計することが重要です。HR Technologyのプロフェッショナルには、単なる製品知識やSaaS設定スキルのみでなく、オペレーションを含めた人事・人材材領域の業務への深い理解と業務設計スキルが求められると言えるでしょう。

一方で、テクノロジーの視点ではどうでしょうか。HRISは企業のエンタープライズアーキテクチャの視点で見ると、いわゆる企業における組織・人事マスタデータの源泉となり、ERPをはじめとした社内のあらゆる仕組みに情報を提供していく、いわゆる上流系のシステムです。特に従業員ライフサイクル(入社、異動、休職、退職等)と企業全体のID・権限管理(IDMシステム)との連動や、HRISが組織構造やレポートラインと社内ワークフローの連動等、どこまで自動化をしているかは企業によって異なりますが、いずれにしてもHRISが正しい組織・人事マスタデータを蓄積できることが前提となるシステム・データ構造となることは必然ではないでしょうか。

HR IT機能配置/考え方・機能配置検討のアプローチ
HR IT機能配置/考え方・機能配置検討のアプローチ

最近、多数のHR関連のソリューションが市場に出回っています。それ自体は市場が活性化していることと捉えていますが、中身を見ていくと、ある限定的な仕組みにフォーカスして強みを持っているものが多い状況です。特に大企業においてはHRISを基幹システムの中で正しい組織・人材情報を蓄積・提供し続ける基盤として位置づけたうえで、特定事業や特定目的に特化した業務に対しては強みを持ったポイントソリューションを組み合わせる、そういったHRISの全体像の設計が必要ではないでしょうか。企業におけるHRISの現状・課題と、費用対効果も踏まえた最適なソリューションの組み合わせと実現ロードマップを描いたうえで、それを実際に実現するまで伴走型で支援していくこと。それもHR technologyのプロフェッショナルに求められることだと捉えています。

昨年よりクロスプラットフォームコンサルティング部隊へ合流したことで、より一層HR Technology におけるプロフェッショナル集団としての価値を最大化し、お客様のビジネス変革を支援していきます。

次回からは、より具体的な内容を深堀してご紹介していきます。

筆者

鈴木 文一

テクノロジー コンサルティング本部 エンタープライズ & インダストリー テクノロジー クロスプラットフォーム コンサルティング - 人材・組織プラクティス 日本統括 マネジング・ディレクター