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事例紹介

株式会社伊予銀行:本気の戦い – 将来のために今

「10年先も必要とされる銀行でありつづけたい」。伊予銀行は、D-H-D(デジタル・ヒューマン・デジタル)Bankというコンセプトのもと、デジタルによる利便性向上と、地域密着ならではの行員の提案力強化といった付加価値向上のために、アクセンチュアと共にデジタル・トランスフォーメーションに取り組んでいます。

課題―求める変化

昨今、人口減少による資金需要の減少など、地方銀行を取り巻く経営環境は厳しさが増す中、生産性向上が急務となっています。その一方で、地方銀行として店舗網の維持も求められています。この実情を踏まえ、「生産性向上」と「地域への責任・地域密着の強み」を両立させていく必要があります。

また、急速に進むデジタル化や異業種からの参入に対して、地方銀行としては、地域に密着しながら、データを駆使して、お客様に対するより高い提案力を提供していく必要があります。

取り組み―技術と人間の創意工夫

人間中心のD-H-D Bank

伊予銀行でのデジタル・トランスフォーメーションのプログラムは、D-H-D(デジタル・ヒューマン・デジタル)Bankというコンセプトのもと、デジタルが得意なところはデジタルが、人にしかできないところは人が行い、デジタルによる利便性向上と、地域密着ならではの行員の提案力強化といった付加価値向上を実現していくものです。

このコンセプトのもと、伊予銀行とアクセンチュアの金融サービス本部、ビジネス コンサルティング本部、ソング、テクノロジー コンサルティング本部から様々な専門家が協働し、店舗業務の効率化タブレット”AGENT”、個人向けローンの新規事業”HOME” ”SAFETY”をはじめとする新サービスを企画・開発。

いずれも、顧客や銀行の体験を変革するため、顧客調査・分析からサービス設計、UIUXデザイン、マーケティング、プロモーション活動まで、伊予銀行とアクセンチュアがシームレスに連携し一気通貫で推進しました。

  • AGENT
    複雑で時間がかかる銀行手続きをタブレットで完結。全ての世代のお客様が来店する銀行店舗において、誰でも簡単に利用できる操作性やインターフェイスデザインを目指しました。顧客体験だけでなく、バックオフィス業務の多くを削減することによって行員体験の大幅な改善も実現しました。
  • HOME
    住宅ローン契約をデジタルで完結。審査項目も大幅に削減し、業務効率化を実現しました。また、インタビューを通じて、お客様がマイホームに対し期待以上に不安を抱えていることを発見。特に、いくらの家を買うべきか、いくらまでローンを組めるのかが悩みの種であり、「一生ものの買い物を、後悔してほしくない」という想いからお客様に合った借入金額の目安が分かる「HOME TICKET」を企画・開発しました。
  • SAFETY
    銀行カードローンを利用する理由として、娯楽など特定目的のための借入よりも、クレジットカードの引き落としができずやむを得ず借入してしまう現象を発見。そこで、預金残高と予定入出金額、クレジットカードの引落額などから、残高不足を知らせるサービスを企画・開発しました。本サービスはカードの引き落とし時の残高不足による無理な借り入れを防ぎ、カードローンの日常使いを実現しました。

デジタル・トランスフォーメーションの伴走パートナー

デジタル・トランスフォーメーションは全社的かつ継続的な変革であり、ひとつのサービス開発で完結するものではありません。伊予銀行はアクセンチュアとともに、継続したデジタル・トランスフォーメーションの実現を推進しています。

株式会社伊予銀行 常務取締役 竹内哲夫様のコメント
「2015年度から構造改革に取り組んできたが、デジタル化がものすごいスピードで進み、自分達だけでやることに限界を感じるようになった。そのような中、D-H-Dに共感すると共に、デジタル変革に不可欠なデザイン思考やアジャイル開発のケーパビリティを持つ人材も提供できるということで、アクセンチュアに実行まで含む「伴走型」のコンサルを依頼。アクセンチュアと二人三脚で、2020年度のD-H-D Bank完成を目指します。」

継続したデジタル・トランスフォーメーションの取り組みや、D-H-D Bankのコンセプトを行内外に伝えるためのコミュニケーションも支援しています。

行内:継続的な意識醸成のため、デジタル化に対する理解や取組みの促進を目的としたサーベイ、施策の実施

行外:D-H-D Bankのコンセプトとそれに基づくサービスを紹介する特設サイトの開設、ブランドムービーの制作、Twitterと連動したプロモーション企画の実施

トランスフォーメーション

6分

口座開設

70%+

事務作業の削減

2020年

D-H-D Bankの完成

成果―創出された価値

店舗タブレット"AGENT"が創出する体験と成果

AGENTのベースになっているのは、人とロボットの業務コラボレーションを可能にするAIとチャットを活用したプラットフォーム"Chat Co-Robot" 。顧客、行員、ロボット、エコシステムプレーヤー間のチャットを通じた会話によって、成果を共創します。

  1. お客様をお待たせしない(例:口座開設は6分へ)
  2. 行員の事務作業の約70~80%を削減(ロボットと会話を前提に業務をゼロベースで組み立てるためエンド・ツー・エンドでデジタル化が可能に)
  3. より高度な判断と効率化を実現(操作履歴を含む蓄積されたデータをAIエンジンが学習・分析し、お客様と行員をサポート)
  4. 店舗のレイアウト・スペースが変わる(待合室形式から、仕切りのないラウンジ型へ)
  5. 店舗の役割が変わる(事務中心の場から、相談・地域コミュニティとつながる場へ)
  6. 「どこでも銀行」を実現(タブレットを持ち出すことで、「銀行=店舗」から「銀行=人」となる)
  7. 地域への責任を果たし続ける(山間部・島嶼部も、お客様のそばへ)
  8. 継続的進化で利便性向上(将来はAI・エコシステム連携・アプリバンク連携(オムニチャネル化)などへ)

【受賞実績】

AGENTが提供する体験は、顧客だけでなく行員の労力を軽減すること、過疎地域や高齢の顧客にも配慮もされたデザインになっていること等が評価されました。

今後の展望

伊予銀行での3年間にわたるデジタル・トランスフォーメーションプログラムでは、店舗タブレット"AGENT"を皮切りに、住宅ローンサービス”HOME” 、カードローンサービス”SAFETY” 、アプリバンクと拡大するとともに、店舗ネットワークの見直しや次世代店舗のデザイン・移行など各種プログラムをアクセンチュアとともに順次実行。それぞれのプログラムが連携し、全体として銀行を変革し、2020年度のD-H-D Bank完成を目指します。

伊予銀行とアクセンチュアは、D-H-DモデルとChat Co-Robotプラットフォームにより、日本中の地方銀行における、共通の課題を解決する一助となりたいと考えます。

Digital-Human-Digital Bank Vision
Digital-Human-Digital Bank Vision

チーム紹介

中野 将志
常務執行役員 金融サービス本部 統括本部長

粟倉 万統
ビジネス コンサルティング本部 ストラテジーグループ マネジング・ディレクター

眞壁 伸治
テクノロジー コンサルティング本部 ITソリューション マネジング・ディレクター

公文 貴之
ビジネス コンサルティング本部 コンサルティンググループ プリンシパル・ディレクター

黑川 史雄
テクノロジーコンサルティング本部 アソシエイト・ディレクター

髙橋 伸
テクノロジーコンサルティング本部 金融サービスグループ シニア・マネジャー

冨金原 聡太
Accenture Song インタラクションデザイン シニア・マネジャー

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